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保育に取り入れたいパラバルーン~おすすめの技13選~【ねらい・教え方解説】【運動会】

パラバルーン
保育園や幼稚園、認定こども園で日々の活動に欠かせない“遊び”の時間。毎日「今日はどんな遊びを用意しよう…」と頭を悩ませる保育者の皆さんも多いのではないでしょうか。そんなときに役立つアイデアをご紹介します。>>「外遊び・室内遊び」の連載一覧はこちら

パラバルーンとは? 

カラフルで大きな円形の布を集団で持ち、上下左右に揺らしたり膨らませたりして形の表現を楽しむ「パラバルーン」。大人数で協力して一つひとつの技を完成させることが大事な遊びなので、幼児クラス(特に4・5歳児クラス)の運動会の演目として行われることも多いですよね。 
 
その他の場面では、パラバルーンを握る、引っ張る、持ち上げるなどの筋力が必要となるので、大人と一緒に行うことができる親子遠足のレクリエーションの1つとして取り入れたり、日常の保育の中でも遊びの1つとして行う園もあるでしょう。 
 
今回は、そんなパラバルーンを使ってできるさまざまな技のやり方や、ねらいの例、指導のコツなどをご紹介します。保育に取り入れたいと考えている方は、是非参考にしてみてくださいね。 

パラバルーンのねらい 

保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。 
  • 友だちと力を合わせて演技することの楽しさを味わう 
  • 曲に合わせて友だちと一体感を味わう 
  • 体を大きく動かす運動で体力をつける 

期待される子どもの姿 

  • 友だちとタイミングを合わせて動かすことで、協調性やコミュニケーション能力が育つ 
  • 様々な技をつくる動きによって、体を大きく動かすための全身の筋力や柔軟性が鍛えられる 
  • リズムに合わせて動くことで、リズム感や表現力が身に付く 

パラバルーンの教え方のコツは? 

パラバルーンを始めて行う際は、なかなか思うように技が決まらずに上手くいかないこともあるかもしれません。簡単な技から順番に、遊びの1つとして楽しめるように声かけをしながらチャレンジしていくようにしましょう。指導をする際のコツをご紹介します。 

持ち方を伝える 

パラバルーンを両手で持つときには、鉄棒を持つときのように親指を布の下から、それ以外の指を上からひっかけるように握りましょう。持ち方を誤ってしまうとケガの元なので、初めに先生が見本を見せながら伝え、一人ひとりチェックしてあげると安心です。 
 
また、子どもたちが混乱しないように並び順は初めに決めておき、1人ひとりに担当の色(パラバルーンの持つ場所)を割り当ててあげることをおすすめします。人数が多い場合には、色と色の境目の部分にも子どもたちが立つようにしましょう。 

基本の動作を練習する 

技の練習に入る前に、初めに基本の動作4種類を練習してみましょう。このとき、それぞれの動きを身の回りのものに見立てて教えるようにすると、子どもたちがイメージしやすいですよ。 

・おせんべい 
パラバルーンの周りに立ち、縁を両手でしっかりと持ちます。それを自分の方に引っ張ることで、布をピンと張った状態にします。 
 
・小波 
パラバルーンの周りにしゃがみ、縁を両手でしっかりと持ちます。先生の合図で、パラバルーンを上下に小刻みに揺らします。 
 
・大波 
パラバルーンの周りに立ち、縁を両手でしっかりと持ちます。先生の合図で、パラバルーンを上下に大きく揺らします。 
 
・洗濯(横波) 
パラバルーンの周りに立ち、縁を両手でしっかりと持ちます。先生の合図で、パラバルーンを左右に大きく揺らします。 
 

注意すること 

  • 子どもたちの並び方は決めておきましょう。背の順で並んでしまうと、1番背の高い子と1番背の低い子が隣同士になることがあり、パラバルーンを持って上げた時に背の低い子の手からパラバルーンが離れてしまい危険です。 
  • 選曲は、行進の歩く速さがポイントです。 
  • 技と技の間が短くならないように、次の技の準備に入る前に基本の小波や洗濯を入れて、余裕を持たせた方が子どもたちも無理なく行えます。 
  • 難しい技を詰め込み過ぎて子どもに嫌な思いをさせないよう、楽しむことが大切です。一緒に協力してできるよう、難易度の上げすぎに注意しましょう。 

①お山 

パラバルーンのお山

対象年齢 

3歳/4歳/5歳 

作り方 

①パラバルーンの周りに立ち、縁を両手で持ちます。 
②両手を勢いよく上へ持ち上げます。 
③先生の合図で、パラバルーンの縁を地面に付けて押さえて、中心に空気を入れることで山のような形を作ります。 

ポイント 

パラバルーンの中心に空気を含ませて、その空気が漏れないように縁を地面につけることで、お山のような形を作ることができますよ。下に降ろすときには、タイミングを合わせて上手に空気を含むようにしましょう。「空気が抜けないようにしっかり押さえてね」と伝えることも大事です。 
 

②帽子 

対象年齢 

4歳/5歳 

作り方 

①パラバルーンの縁を両手で持ちながら立ちます。 
②両手を勢いよく上へ持ち上げます。 
③先生の合図で、パラバルーンの縁を地面に付けて押さえて、中心に空気を入れます。※ここまでで「お山」をつくります 
④地面につけたパラバルーンの縁に、空気が抜けないように注意しながら子どもたちが外向きで座ります。 

ポイント 

縁を手で押さえているところからお尻で押さえる方法に切り替える(縁に座る)時に空気が抜けがちです。「押さえながら座る」ようにしましょう。 
 
座っている子どもたちが手を上に上げてきらきらと振ると、「お花」になりますよ。 

③飛行機(行進) 

パラバルーンの飛行機

対象年齢 

4歳/5歳 

作り方 

①子どもたちみんなが片手(同じ方の手)でパラバルーンの縁を持ち、ピンと張るようにします。 
②みんなが同じ方向を向いて、パラバルーンを持っていない方の手を横に伸ばします。 
③円を描くように歩きます。 

ポイント 

パラバルーンがたるんでしまうと見栄えが悪くなってしまうので、しっかりピンと張るようにしましょう。先生の合図で左右に向きを変えて歩くことができると、より華やかになりますよ。音楽に合わせて行う場合は、曲のリズムに合わせて歩くようにすると揃いやすいです。 

④メリーゴーランド 

対象年齢 

3歳/4歳/5歳 

遊び方 

①子どもたちみんなが片手(同じ方の手)でパラバルーンの縁を持ち、ピンと張るようにします。 
②みんなが同じ方向を向いて、パラバルーンを持っていない方の手を横に伸ばします。 
③円を描くように歩きます。※ここまでで「飛行機」を作ります。 
④途中で先生がパラバルーンの中央に入り、両手を上げて軸を作ります。 
⑤中心が高くなった状態でクルクルとパラバルーンが回るメリーゴーランドが出来上がります。
 

ポイント 

「飛行機」同様、子どもたちはできるだけパラバルーンをピンと張れるようにしましょう。中に入る先生は、もし軸の高さを出したい場合は棒などを立ててみてもいいでしょう。「飛行機」→「メリーゴーランド」の順で合わせ技にするとスムーズに完成しますよ。 

⑤シーソー 

対象年齢 

4歳/5歳 

遊び方 

①パラバルーンの周りに立ち、縁を両手で持ちます。 
②保育士の合図で、半円の子どもたちはパラバルーンを勢いよく下げながらしゃがみます。もう一方の子どもたちは、パラバルーンを持つ手を勢いよく上に上げます。 
③2回目の合図で、しゃがんでいた子たちは立って手を上げ、立っていた子たちは手をしゃがんで腕を降ろします。 
④②③をリズムよく繰り返すと、パラバルーンがシーソーのように左右に上げ下げされます。 

ポイント 

この技を行う場合は、事前に子どもたちを半円ずつでグループ分けしておくといいでしょう。また、合図があったときに、どちらのグループが先にしゃがむのか、順番を決めておくと混乱しにくいですよ。初めは両サイドに先生が何人か入って、サポートしてあげてもいいですね。 
 
半円の境目あたりに居る子たちは、もしできたら「右手は下、左手は上」のように左右のバランスを取る役目ができると完成度が上がりますよ。 

⑥クラッカー(花火) 

パラバルーンのクラッカー

対象年齢 

4歳/5歳 

遊び方 

①パラバルーンの周りに立ち、縁を両手で持ちます。布は少したるませておきます。 
②パラバルーンの中心に、先生がペットボトルのキャップにビニールテープを巻いたものを投げ入れます。 
③先生の合図で、パラバルーンを一気に上に持ち上げ、一気に降ろします。 
④パラバルーンの上でクラッカーがはじけるようにペットボトルのキャップが打ちあがります。 

ポイント 

クラッカーのキラキラを表現するための道具は、小さめのポンポンを作ったり、ペットボトルのキャップを2個組み合わせてビニールテープを巻いて作ったりするのがおすすめです。軽すぎても重すぎても思うように跳ばないことがあるので、いろいろと試してみるといいでしょう。 
 
パラバルーンの布から上手くキラキラがはじけるには、みんなでタイミングを合わせて布を一気に引っ張り上げ、下げることが重要です。少し難しいですが成功するととっても感動する技なので、是非楽しみながら挑戦してみてください。 

⑦ポップコーン 

対象年齢 

4歳/5歳 

遊び方 

①パラバルーンの周りに立ち、縁を両手で持ちます。 
②パラバルーンで「大波」をします。 
③先生がパラバルーンの上にカラーボールを沢山投げ込みます。ポップコーンのようにカラーボールがはじけます。
 

ポイント 

パラバルーンの波に強弱があることで、カラーボールがより弾みます。先生が合図を出して、大波、小波を交互に繰り返してみるといいでしょう。 

⑧あさがお(花) 

対象年齢 

3歳/4歳/5歳 

遊び方 

①子どもたちはパラバルーンの周りにしゃがみ、縁を両手で持ちます。先生(代表の1人)が、パラバルーンの中央に乗り、しゃがみます。 
②先生の合図で、パラバルーンを持つ手を高く持ち上げます。同時に中央に居る先生も両手を上げて立ちます。すると花びらが開いたような形になります。 

ポイント 

発展形として、②の状態のまま右回り(もしくは左回り)に円を描くように歩くと、よりきれいなあさがおに見えます。このとき、中央に立っている先生の足に布が巻き付かないように、子どもたちとタイミングを合わせて足踏みをするといいでしょう。 

⑨気球(ロケット/パラシュート) 

パラバルーンの気球

対象年齢 

4歳後半/5歳 

遊び方 

①パラバルーンの周りに立ち、縁を両手で持ちます。 
②先生の合図で勢いよく腕を上げ、パラバルーンを高く上に持ち上げます。 
③腕を上げたまま、中央に向かって走ります。 
④中央に空気が入ることで、パラバルーンがふわっと縦長に膨らみます。 

ポイント 

立体的で大きな動きのあるこの技は、運動会などで披露するととっても大きな歓声が上がりますよ。曲のサビや最後に披露する大技として行う園も多いですね。初めに布をピンと張っておいて、空気を入れるときにはみんなで息を合わせて同じスピードで中心に駆け寄るのが成功のポイントです。曲に合わせるときは、「腕を上に上げる」「中心に走り出す」「外側に向かって戻る」それぞれのタイミングを決めて置けるといいでしょう。 
 
また、夢中になりすぎて転んでしまったり、中心に集まったときにお友だち同士でぶつかったりしないように注意して行いましょう。 

⑩きのこ(おうち/お饅頭) 

対象年齢 

4歳後半/5歳 

遊び方 

①パラバルーンの周りに立ち、縁を両手で持ちます。 
②両手を勢いよく上へ持ち上げ、少しずつ中心に向かって集まります。 
③パラバルーンが空中に浮いている間に、全員が左右の手を持ち換えて、外側を向きます。 
④先生の合図で空気を入れて膨らませながら一斉にパラバルーンを降ろし、内側に入ります。 
⑤空気が抜けないように内側でパラバルーンの縁を押さえると、丸いきのこのような形が出来上がります! 

ポイント 

「お山」の、子どもたちがバルーンの中に入るバージョンです。運動会などで技の1つとして行う場合、さまざまな技がある中で唯一バルーンの内側でお友だちみんなの顔が見られる場面なので、子どもたちはきっととても喜んでくれますよ。また、フワフワと浮かぶパラバルーンの中に入る体験はとても面白いです。 
 
初めは左右の手を持ち替えるところが特に難しく、風に煽られて手を離してしまい、バルーンが飛んで行ってしまうかもしれません。手の持ち替え方だけを一度みんなでやってみたり、慣れるまではゆっくりと手順を確認しながら行ってみたりと、少しずつ練習してみましょう。先生だけでお手本を見せてあげてもいいですね。 

⑪クラゲ 

対象年齢 

4歳後半/5歳 

遊び方 

①パラバルーンの周りに立ち、縁を両手で持ちます。 
②両手を勢いよく上へ持ち上げ、少しずつ中心に向かって集まります。 
③パラバルーンが空中に浮いている間に、全員が左右の手を持ち換えて、外側を向きます。 
④先生の合図で空気を入れて膨らませながら一斉にパラバルーンを降ろし、内側に入ります。 
⑤空気が抜けないように内側でパラバルーンの縁を押さえます。※ここまでで「きのこ」を作ります。 
⑥縁を手で押さえながら、座り、地面とパラバルーンの間から外側に足を伸ばして出します。 
⑦先生の合図で、足をバタバタと動かします。先生は、バルーンの中から外に向かって中心付近を手でつつきます。フワフワと海に浮かぶクラゲのような動きができます!
 

ポイント 

手順が少し多く難しいので、「きのこ」をマスターしてから挑戦するのがおすすめです。また、内側から足を出すのが難しい場合には、「帽子」の状態からパラバルーンの上に寝転がり足をバタバタさせて「クラゲ」に見せることもできますよ。 

⑫ちょうちょ 

対象年齢 

4歳後半/5歳 

遊び方 

①あらかじめ、くぼみを作る子ども2人と、羽根の先を持つ2人を決めておきます。(対角線同士に立つようにします。 
②パラバルーンの周りに立ち、縁を持ちます。布はピンと張るようにします。 
③先生の合図で、くぼみを作る2人が中央に向かって集まります。羽根の先を持つ2人は動かないようにして、それ以外の子はパラバルーンの動きに合わせて、ちょうちょの形をつくっていきます。 
④くぼみを作る2人以外は全員しゃがみ、タイミングを合わせて上下にパラバルーンを動かします。ちょうちょが羽ばたくような動きになります。
 

ポイント 

くぼみを作る子はしっかりと中央に集まり、羽根の先を持つ子はその場から動かないようにすることで、綺麗な形になります。また、羽根の部分を上下に動かすときには、みんなが息を合わせて同じタイミングで動かすことが重要です。「1・2・1・2…」と声を合わせてカウントをしたり、曲のリズムに合わせたりするのがおすすめですよ。 

⑬フィニッシュ 

対象年齢 

4歳後半/5歳 

遊び方 

①パラバルーンの周りに立ち、縁を持ちます。 
②両手を勢いよく上へ持ち上げ、少しずつ中心に向かって集まります。 
③パラバルーンが空中に浮いている間に、全員が左右の手を持ち換えて、外側を向きます。 
④先生の合図で空気を入れて膨らませながら一斉にパラバルーンを降ろし、内側に入ります。 
⑤空気が抜けないように内側でパラバルーンの縁を押さえます。※ここまでで「きのこ」を作ります。 
⑥先生の合図で、子どもたちは一斉にパラバルーンから手を離して立ち上がり、両手を上に高く広げてポーズをします。 
⑦先生は「きのこ」の外側から一気にバルーンを引っ張って巻き取ります。 

ポイント 

パラバルーンの中から子どもたちが飛び出すように見える、運動会の競技として行うなら最後にピッタリの大技です。大人が思いっきりパラバルーンを引っ張るので、手を離すのが遅れて転んでしまう子どもが出ないように、しっかりとタイミングを合わせることが重要ですよ。 
 
先生がパラバルーンを引っ張るときには、くるくると布を巻き取ってコンパクトに畳むことができると、見栄えが綺麗になります。 

パラバルーンを保育に取り入れて楽しもう 

パラバルーンは、子どもたちみんなで心を一つにして取り組むことでさまざまな技を表現できる遊びです。保育に取り入れることで、子どもたちは集団で1つの事に取り組む楽しさや、大きな技ができるようになる達成感を味わうことができますよ。 
 
子どもたちが楽しんで取り組むことができる工夫をして、是非保育に取り入れてみてくださいね。 
 
※掲載イラストや記事内容の 無断転載・二次利用、配布・加工は禁止とさせていただきます。
 
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杉本綾子(すぎもと あやこ)

この記事を書いた人

杉本綾子(すぎもと あやこ)

特定非営利活動法人 芸術と遊び創造協会 所属
長年の保育現場勤務を活かし保育園の園長を経て、現在、現場で頑張っている人同士がともに学び、「心の栄養補給」ができる人材を育てるために講座などを企画・運営している。
『幼稚園教諭二種免許・保育士』『おもちゃコンサルタント』『絵画指導スペシャリスト』『保育ナチュラリスト』『保育 あそび発達サポーター』などの資格を取得。多様な視点から、園での遊びや保育に役立つヒントを届ける。

<芸術と遊びらぼ>
https://artplaylab.jp/
<芸術と遊び創造協会>
https://art-play.or.jp/

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