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保育に取り入れたい!冬の雪遊び9選【遊び方・ねらい解説】【イラスト解説】

雪遊び
保育園や幼稚園、認定こども園で日々の活動に欠かせない“遊び”の時間。毎日「今日はどんな遊びを用意しよう…」と頭を悩ませる保育者の皆さんも多いのではないでしょうか。そんなときに役立つアイデアをご紹介します。>>「外遊び・室内遊び」の連載一覧はこちら

雪遊び 

冬の時期にしかできない遊びと言えば、雪遊び! 初めて雪を見る子どもは、ふわふわと振ってくる雪を観察したり、手で直接触れたりするだけでも特別な体験になりそうですよね。 
 
しかしせっかく雪遊びができるからこそ、「さまざまな遊び方ができるように環境を整えたい」と考える保育士さんも多いのではないでしょうか。 
 
今回は、そんなときに役立つ雪を使った遊びのアイデアを全部で9種類紹介します。雪遊びをする際のねらいや注意点もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。 

雪遊びの注意点・配慮 

雪遊びをする際は、普段の戸外活動とは少し違う視点での配慮が必要になります。事前に確認をしておきましょう。 

保護者への事前連絡を行う 

雪が降る予報が出たら、「明日は外で雪遊びをするかもしれません。手袋やマフラー、長靴などを着用し、動きやすくて暖かい恰好で登園をお願いします。」などと事前に保護者に伝えて、防寒具を用意してもらいましょう。防寒・防水対策が万全の服装で遊べるように、保護者と連携をとれると良いですね。 

雪を食べないようにする 

雪は白くてかき氷のようにふわふわでおいしそうに見えますが、実はとても汚れています。子どもたちが誤って食べてしまうと体調を崩す危険があるので、あらかじめ「雪は口の中に入れてはいけない」というお約束をしておきましょう。 

危険箇所に注意する 

路面が凍結していて滑って転んでしまう危険がある場所や、落雪の危険がある場所には注意が必要です。遊ぶ前に保育者が安全確認を行い、危険個所は囲いなどを作り子どもが近づかないようにしましょう。また、子どもたちにも「この場所には近づかないようにしてね」と事前に伝えておくことが大切です。 

雪の日の外遊びの目安は30分程度 

雪の中で目いっぱい動いていると、体がポカポカして寒さを感じにくいかもしれません。しかし手袋や洋服が濡れたまま長時間遊んでいると、気づかないうちに体温が下がり、風邪をひいてしまう可能性があります。子どもたちの体調管理のことを考え、雪の日の外遊びの時間は30分程度で留めておくことをおすすめします。また、こまめに子どもたちの様子を確認し、身体が冷えていないかを確認しましょう。 

雪遊びのねらい 

保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。 
 
【未満児】 
  • 雪に触れて冷たさを感じる 
  • 雪を触ったり踏んだりして感触を知る 
  • 雪遊びならではの身体の動きや表現を楽しむ 
【幼児】 
  • 冬の自然に触れ、体を十分動かす遊びを楽しむ。 
  • 雪や氷など自然に興味を持ち、実際に触れて楽しむ。 
 

①感触遊び 

雪の触れ合い遊び

対象年齢 

0歳/1歳/2歳/3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • なし 

遊び方 

①雪の上を歩いてみたり、座ってみたり、直接手で触ってみたりして雪の冷たさや雪ならではの触り心地を楽しみます。 
②雪が綺麗に積もっているところに、手のひらを置いて手形をつくってみたり、足型をつけたり、寝転がって人型を取ってみたりしても楽しいです。 

ポイント 

まずは、雪そのものとの触れ合いを存分に楽しみましょう。道具を何も使わなくても、ふわふわとした感触や、触ると冷たい、溶ける、濡れるなどの不思議な雪の性質を体験することができそうですね。 
 
乳児さん~1歳児さんくらいまでは、体温調節の関係で雪の日に園庭に出て遊ぶことが難しいかもしれません。その場合は、抱っこして窓から雪を見せてあげたり、桶などの大きめの容器に雪を入れて保育室内でちょっとした触れ合いをしたりするのがおすすめです。 

②雪の上にお絵かき 

雪の上にお絵描き

対象年齢 

1歳/2歳/3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • マヨネーズやケチャップの容器 
  • プリンカップ 
  • ペットボトル ※キャップにきりで穴を開けておく 
  • 食紅 
  • 水 

遊び方 

①水に食紅で好みの色を付けて色水を作り、マヨネーズやケチャップの容器に入れます。 
②雪の上に色水を垂らして、雪に色を付けて遊びます。 

ポイント 

雪の上に色水を振りまくと、真っ白な雪のキャンバスの上にカラフルな色がついてとっても綺麗に。子どもたちも大喜びなアイデアです。雪をカップなどの容器に入れて色を付ければ、まるでかき氷のように! おままごとにもつなげられますよ。他にも雪だるまやハートなど、好きな形を作ってから色を付けても楽しいですね。 
 
色水は絵の具を溶かした水でも代用できますが、低年齢児クラスで遊ぶ場合は誤飲の危険性があるため、万が一飲んでしまっても身体に影響がない食紅を使用するのがおすすめです。 

③雪だるま作り 

雪だるま作り

対象年齢 

2歳/3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • 木の枝 
  • 小石 

遊び方 

①雪を手のひらでぎゅっと丸めたらそれを雪の上で転がしていき、だんだんと大きな円を作ります。 
②同じくらいの大きさのものを、もう一つ作ります。 
③2つを比べて、小さい方を、大きい方の上に乗せます。 
④落ちている枝や石で顔や手を作ると、雪だるまの完成です! 

ポイント 

手のひらでぎゅっと土台を固めて、上手に転がさないと綺麗に丸めることができないので、そのようなコツを子どもたちが掴めるように、保育者が見守り、サポートできるといいですね。雪質によっても崩れやすいことがあるので、一緒に試行錯誤してみると良いでしょう。 
 
雪があまり積もっていない場合は、雪だるまよりも小さいサイズで簡単な雪うさぎを作るのもおすすめです。手のひらサイズの雪を楕円型に丸めて、葉っぱや木の実でひげなどを付けて顔を作ったら完成です。雪うさぎなら一人でも作れるので、まだみんなで協力して遊ぶことが難しい低年齢児さんにもおすすめですよ。 
 
もちろん、子どもたちの自由な発想で、雪だるまや雪うさぎ以外の形や動物を作ってみてもいいですね。 

④型抜き遊び(見立て遊び) 

対象年齢 

2歳/3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • いろいろな大きさの容器(ボウル、バケツ、プリンカップ、桶など) 

遊び方 

①バケツなどの容器に、雪を入れてぎゅっと押し付けます。 
②ひっくり返してバケツを外すと、バケツの形に固まった雪が出てきます。 
③ケーキに見立ててケーキ屋さんごっこをしたり、いくつも重ねてタワーを作ったりと、見立て遊びを楽しみましょう。 

ポイント 

雪を触るとふわふわなのに、ぎゅっと固めると丈夫な塊になる、そんな雪の特徴に気付ける遊びです。雪を使っていろいろな形をつくって、おままごとのように遊ぶのもおすすめですよ。いろいろな大きさの容器を用意して、子どもたちが興味に合わせて道具を選びながら遊べるように環境を整えておくのがポイントです。 

⑤かまくら作り 

対象年齢 

3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • スコップ ※なくても作れます 

遊び方 

①雪を1か所に集めて、雪の山を作ります。手やスコップでパンパンと叩き固めながら形を作っていきます。 
②好みの大きさまで山ができたら、山のふもと部分1か所から穴を掘りはじめます。※砂場遊びで行うトンネル作りのようなイメージです。 
③穴をどんどん大きくしていきます。スコップで削り、中の雪をかき出していきます。 
④中に人が入れるくらいの空洞を作って形を整えれば、完成です! 

ポイント 

雪がたくさん降る地域でおすすめの遊び方です。雪遊びの定番とも言えますよね。子どもたちだけでも、友だち同士で協力ができれば、子ども1人~2人入るくらいの大きさなら作る事ができそうです。 
 
少し手間はかかりますが、完成すると達成感がとても大きいので、是非挑戦してみてください。また新雪の場合、山を作る際になかなか固まらない可能性があります。その場合は、バケツで水を少しずつかけて、スコップや手で叩いて固めていくといいでしょう。 

⑥雪合戦 

対象年齢 

3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • なし 

遊び方 

①2チームに分かれます。 
②「よーいどん!」で周りの雪を集めて玉を作り、相手チームに向かって投げます。 
③雪玉が当たったらアウト!最後まで雪玉に当たらずに残っている子が多いチームの勝ちです。 

ポイント 

雪が少ない地域の場合、すぐに雪が凍って堅くなり危ない場合があります。保育者が、雪質によって遊んでも問題ないかどうか判断するようにしましょう。 
 
雪が柔らかくてもお友だちに投げるのは避けたい、という場合には、雪を手で固めずにふわっと掛け合うなどにしてもいいかもしれません。 

⑦的当て/壁当て 

対象年齢 

3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • 壁などの的になるもの 

遊び方 

①雪を両手で丸めて、ボールを作ります。 
②的に向かって、雪玉を投げて楽しみます。 
③的に当たった回数や、的に得点を書いて得点で競うゲームにしてもOKです。 

ポイント 

雪合戦のように雪を投げて遊びたくても、安全面の配慮のためにそれが難しいこともありますよね。特に雪が少ない地域は気温によってすぐに雪が溶けて硬くなり、人に向かって投げるのは危険なことも。そんな時は、壁など雪玉が当たっても問題ない場所を的にして遊ぶのがおすすめですよ。ビニールシートにペンで的を書いたり、ダンボールで的を作って雪の上に刺したりしてもいいでしょう。「お友だちに向かって雪玉を投げない」というお約束は事前に子どもたちに伝えておきましょうね。 

⑧雪のすべり台 

対象年齢 

3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • スコップ 

遊び方 

①すべり台を作りたい場所に、雪を集めて山を作ります。 
②山の上に上り、お尻をつけてそーっと滑ります。 
③雪の上を滑り降りて楽しみます。 

ポイント 

雪かきをして自然にできた山を、すべり台に応用することも可能です。あまり傾斜を急にしてしまうと危ないので、傾斜は緩やかに、高さも高すぎずを意識して保育者が用意するといいでしょう。通常のすべり台同様、複数人で一気に滑ったり、逆走したりすると他のお友だちとぶつかって危険です。一人ずつ、順番を守って滑るようにしましょう。 
 
ソリ遊びをしたことがある子は、「お尻に敷くものがあれば、もっと速く滑れるかも…!」と遊びを通して気付きを経験することもあるかもしれません。子どもにリクエストされたときのために、ダンボールなどを用意しておくのもおすすめですよ。もちろん、ソリを用意しておくのもいいでしょう。 

⑨雪のキャッチボール 

雪のキャッチボール

対象年齢 

5歳 

用意する物・道具 

  • なし 

遊び方 

①雪をぎゅっと丸めて、ボールを作ります。 
②雪のボールを使って、お友だちとキャッチボールをします。 
③ボールをキャッチしたときに、崩れてしまったら負けです。
 

ポイント 

普通のボールと同じようにキャッチボールをすると、雪で作ったボールはすぐに崩れてしまいます。投げる方がふわっと山なりに投げたり、キャッチする方が包み込むように優しく触れたりと、崩れないようにする加減を楽しむ遊びです。崩さずに何回キャッチボールを続けられるか、協力して記録に挑戦してみるのもよさそうですね。 
 
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杉本綾子(すぎもと あやこ)

この記事を書いた人

杉本綾子(すぎもと あやこ)

特定非営利活動法人 芸術と遊び創造協会 所属
長年の保育現場勤務を活かし保育園の園長を経て、現在、現場で頑張っている人同士がともに学び、「心の栄養補給」ができる人材を育てるために講座などを企画・運営している。
『幼稚園教諭二種免許・保育士』『おもちゃコンサルタント』『絵画指導スペシャリスト』『保育ナチュラリスト』『保育 あそび発達サポーター』などの資格を取得。多様な視点から、園での遊びや保育に役立つヒントを届ける。

<芸術と遊びらぼ>
https://artplaylab.jp/
<芸術と遊び創造協会>
https://art-play.or.jp/

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