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砂遊び・泥遊びのアイデア6選【遊び方・ねらい解説】【イラストあり】

砂遊び・泥んこ遊び
保育園や幼稚園、認定こども園で日々の活動に欠かせない“遊び”の時間。毎日「今日はどんな遊びを用意しよう…」と頭を悩ませる保育者の皆さんも多いのではないでしょうか。そんなときに役立つアイデアをご紹介します。>>「外遊び・室内遊び」の連載一覧はこちら

砂遊び・泥遊びのアイデア6選 

外遊びの定番である砂遊び・泥遊びは、自然の素材に触れることで子どもたちの手先の感覚を育むことができるので、積極的に取り入れたい遊びですよね。水を加えると感触が変わったり形を自由に変形することができる砂は、子どもたちも大好きな素材なのではないでしょうか。 
 
今回は、子どもたちが大好きな「砂遊び・泥遊びのアイデア 」を6種類ご紹介します。保育に砂遊びを取り入れる際の注意点や、年齢別のオススメの遊び方もご紹介していますので、ご自身のクラスに合った遊び方を参考にしてみてくださいね。 

遊びのねらい 

保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。 
 
【0~2歳(低年齢児)向け】 
  • (0歳児)さらさらの砂や水を含んだ砂の感触を味わう 
  • 保育者や友だちと一緒に砂や泥に触れて楽しむ 
  • 水、泥、砂などいろいろな感触や形の変化を楽しむ 
【3~5歳(幼児)向け】 
  • 保育者や友だちと関わりながら砂遊びを楽しむ 
  • 友だちとイメージを共有しながら作ることを楽しむ 
  • 砂の感触を味わい、性質の違いに気付く 

砂遊び・泥遊びをする際の注意点・配慮 

砂遊び、泥遊びを使った遊びをする際の注意点や、事前に保育士がしておきたい配慮をご紹介します。 

汚れても問題ない服装で遊ぶ 

砂遊びをすると、当然服が汚れます。汚れを気にせず子どもたちが夢中になれるよう、砂遊びをする日は、事前に保護者におたよりや連絡帳でお知らせをし、汚れてもよい服で来てもらうようにしましょう。また、着替えを持ってきてもらうようにお願いをしておきましょう。事前につたえておくことで、余裕を持って準備できるように配慮できるといいですね。 

砂を口に入れないように保育者が見守る 

特に0~2歳の低年齢児クラスで遊ぶ際には、子どもたちが砂をなめたり口に入れたりするといけないので、子どもたちから目を離さないようにしましょう。また、万が一口に入ってしまった場合は、すぐに洗い流します。子どもたちにも、前もって「砂(砂を触った手)を口にいれないようにしようね」と伝えておきましょう。 

公園の砂場で遊ぶ際は安全の確認をする  

園庭で遊ぶ場合には管理がされていますが、お散歩で行く公園の砂場はいろいろな方が利用するため注意が必要です。瓶や缶などのゴミやガラスの破片、動物のフンなどが無いか事前に確認し取り除きましょう。動物のフンが見つかった場合は、フンを取り除くことに加え、その周りにエタノールを吹きかけるなどで消毒しましょう。 

遊び終わったら必ず手を洗うようにする 

砂遊びを終えたら、必ず手を洗うように習慣づけを行うことが大切です。砂には特に雑菌などが多いため、子どもたちが砂を触った手を誤って口に入れてしまうことがないようにする必要があります。室内に戻るタイミングだけではなく、砂遊びから他の外遊びに切り替えるタイミングなども、一度手を洗うように声かけをするといいですね。 

お友だちに砂をかけないように約束する 

低年齢児クラスでは、お友だちに小石を投げたり砂をかけたりする可能性があります。小石が当たったり砂が目に入ると危険なので、あらかじめ「お友だちに向かってかけない」と約束をしておき、保育者は注意して見守るようにしましょう。 



【年齢別】おすすめの遊び方 

まずは、年齢や発達に合わせた砂遊びの遊び方をご紹介します。 

0歳 

0歳児さんが砂遊びをする際には、まずは保育者が遊んでいるところを見せることが重要です。砂を握ったり、さらさらと落としたり、穴を掘ったり、カップに入れる遊びなどを見せます。子どもたちがそれらに興味を持っている様子があれば一緒にやってみましょう。砂遊びの楽しさを知ることができるよう、あくまで興味を持っていた動作をやってみるようにするのがポイントです。その上で、砂や泥の感触を体験できるようにしましょう。砂場にお尻をつけて座ってみたり、手のひらに砂を乗せ、小さめのシャベルや型ぬきを持ってみるなど興味が持てるようにしていくのがおすすめです。 

1歳

1歳児さんは、プリンカップで砂の型抜きをし、それを上から落として崩してを繰り返す、のように興味を持った動作を繰り返し楽しむ様子が見られます。好きな動作を見つけられるように、砂場遊びで使う道具を幅広く用意しておくと良いでしょう。また、集中して取り組める動作を見つけたら、保育者は声をかけすぎないように見守れるといいですね。 
 
一方でまだひとりでは遊びが続かない時期でもあるので、砂遊びの発展を保育者が助けてあげられると良いですね。落ち葉や花びらなど、砂遊びが広がる自然アイテムを入れるのもいいかもしれません。 

2~3歳 

2~3歳児さんは、お友だちとの関わりも生まれてきて、遊びの幅が広がってくる頃です。1歳児さん同様、道具はたくさん用意しておきましょう。道具を使ってアイス屋さんやジュースさんなどのおままごと遊びに繋がり、遊びの中にコミュニケーションが生まれていきますよ。 

4~5歳 

4~5歳児さんは、今までの遊びを総合して、さらに新しい遊びを生み出すことができるようになります。お山やお城を作って高さに挑戦したり、工夫して形を付けたりと想像しながら楽しみます。「山の上から水を流してみよう!」「ここに川をつくってみよう!」と自分たちで遊びを発展させていくので、子どもたちがやりたいことを実現できるように、保育者が環境を整えられるといいですね。 

①宝探し(芋掘りごっこ) 

砂場で宝探しをする子ども

対象年齢 

2歳/3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • 宝になるもの(シャベル、プリンカップ、バケツ、スーパーボール・貝殻など) 

遊び方 

①保育者が砂場の中に隠す物を用意します。 
②砂場の中に宝物を埋めます。 
③「よーい、どん!」で子どもたちは砂場の中を探します。 
④宝物を一番たくさん見つけた子が勝ちです! 

ポイント 

宝物を探すときに、隠しているものが手足に当たってケガをしないように、注意をしましょう。一度に探す子を3~4人までにして人数を調節するのがおすすめです。また、4~5歳児はスーパーボールなど小さいものを隠し、難易度を上げると楽しいですよ。 

②どろんこのお山(お城)作り・トンネル掘り 

砂山を作る子どもたち

対象年齢 

3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • スコップ 

遊び方 

①砂場の砂を1か所に積み上げて、高くしていきます。(さらさらと流れてしまう場合は、ジョウロなどで少しずつ砂を湿らせて作ると崩れにくくなります。) 
②お山になった砂を手でぎゅっと抑えて、固めていきます。※ここまででお山は完成です! 
③お山のふもとの1か所から、手やスコップを使ってトンネルを掘っていきます。 
④反対側からも同じようにトンネルを掘り、トンネルを貫通させたら完成です! 

ポイント 

トンネルを掘る時には、勢いよく掘ってしまうとお山が崩れてしまうので、優しく慎重に行うことがポイントです。初めはお友だちがわざとお山を踏んで崩してしまったり、トンネルを掘る場所でケンカをしたりすることもありますが、協力して遊ぶことで社会性を学ぶきっかけになりますよ。 
 
小さい山なら2歳さん頃から、保育者(大人)と一緒に作ることができるでしょう。5歳さんになると、保護者の手を借りずにお友だち同士で大きなお山を作ったり、お山の両側からトンネルを掘り、手を繋ぐようにしてトンネル作りをすることも出来るようになりますよ。 

③お店屋さんごっこ 

対象年齢 

2歳/3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • プリンカップ 
  • スコップ 
  • ジョウロ 
  • バケツ 
  • 木の実や枝 
  • コップ 
  • 水 
  • おままごとに使えそうなおもちゃ 

遊び方 

①プリンカップで砂を固めてケーキを作ってケーキ屋さんごっこをしたり、コップに泥水を入れてジュース屋さんごっこをしたりと、自由にごっこ遊びを楽しみます。 
 

ポイント 

いろいろな種類の道具を用意しておくのに加え、せっかくの外遊びなので、葉っぱや木の実、小石など、自然の素材も使って遊べるといいですね。子どもたちの想像に任せて楽しみましょう。 

④泥団子づくり 

泥団子を作っている子ども

対象年齢 

3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • 砂(土) 
  • 水 
  • ふるい 
  • 目の細かい布かストッキング(お団子を磨くため) 

遊び方 

①砂をふるいにかけて、さらさらにします。ゴミや大きな石は取り除きます。 
②ふるった砂に水をかけながら固めて、丸くしていきます。 
③サラサラの濡れていない砂をお団子にかけながら、形を綺麗に整えていきます。 
④砂をかけながら親指でお団子を擦り、磨いていきます。砂が付きにくくなるまで、3~40分ほど続けます。 
⑤1時間ほどお団子を日陰で休ませます。その間に、中の水分が浮き上がってきます。 
⑥④⑤を2~3回繰り返します。 
⑦サラサラの砂をかけながら、ストッキングでお団子を磨いていきます。 
⑧表面が変化していき、ピカピカになったら完成です! 

ポイント 

今回は、ピカピカの泥団子の作り方をご紹介しました。普通の泥団子を作るなら、3歳さん頃から楽しめます。泥団子をピカピカに極めるなら、4~5歳児さんと行うのがおすすめです。 
 
途中、乾燥をさせ過ぎるとお団子が割れてしまうので、注意しましょう。乾燥しすぎないように、ビニール袋に入れて寝かせるのもおすすめです。また、磨きをかける際も力を入れすぎると欠けや割れの原因となります。初めは失敗してしまうこともあると思いますが、子どもたちと一緒に何度も工夫してみると、楽しいですよ。 
泥団子

⑤どろんこの川・池づくり 

砂場で水遊びをする子ども

対象年齢 

4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • 水(ホースの水があると良い) 
  • スコップ 
  • バケツ 
  • ジョウロ 

遊び方 

①砂場にお山や道を作り、水が通れるような形にします。 
②作った場所に水を流し、水が流れていく様子や流れた先に溜まっていく様子を観察して楽しみます。 

ポイント 

泥の感触をめいっぱい体験できる、特に夏の時期にオススメの遊びアイデアです。「お山の高いところから水をかけたほうが流れるよ!」「川はもっと深く掘ったほうがいいよ!」と遊びながら砂や水の性質に気付くことができるでしょう。 
 
水を汲みに行く子、川掘り進める子など自然に役割分担をして...とみんなで協力して楽しめる遊びなので、4~5歳児さんにオススメです。3歳児さんは、あらかじめ先生が川や池を用意してあげると楽しむことができますよ。 

⑥山崩しゲーム (棒倒し)

山崩しゲームをする子どもたち

対象年齢 

4歳/5歳 

用意する物・道具 

  • 枝(細長くて立てられるものならOK) 

遊び方 

①初めに砂山を作り、頂点に木の枝を刺して立てます。 
②じゃんけんをして、順番を決めます。 
③決めた順番に、砂山の周りの砂を取って山を崩していきます。 
④砂山から砂を取ったときに、棒が倒れてしまった子の負けです。 

ポイント 

ルールを理解して、どのくらい砂を取れるか予想しながら遊ぶことができるようになる4~5歳さん向けの遊びです。3歳さん頃でもできますが、始めはすぐに棒を倒してしまうかもしれません。 
 
保育者が一緒に行う際は、始めはたくさん取って徐々に量を減らしていく等、駆け引きを楽しめるように促すと良いでしょう。 
 
 
※掲載イラストや記事内容の 無断転載・二次利用、配布・加工は禁止とさせていただきます。 
 
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杉本綾子(すぎもと あやこ)

この記事を書いた人

杉本綾子(すぎもと あやこ)

特定非営利活動法人 芸術と遊び創造協会 所属
長年の保育現場勤務を活かし保育園の園長を経て、現在、現場で頑張っている人同士がともに学び、「心の栄養補給」ができる人材を育てるために講座などを企画・運営している。
『幼稚園教諭二種免許・保育士』『おもちゃコンサルタント』『絵画指導スペシャリスト』『保育ナチュラリスト』『保育 あそび発達サポーター』などの資格を取得。多様な視点から、園での遊びや保育に役立つヒントを届ける。

<芸術と遊びらぼ>
https://artplaylab.jp/
<芸術と遊び創造協会>
https://art-play.or.jp/

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