保育園看護師とは

看護師の配置の実態については、2000年の全国調査(施設数のうち17.7%が看護師を配置)以降は都道府県での単発の統計しかなく、正確には分かっていない点も多くあります。また看護師不足や園での位置付け・役割などの明確化などの課題もあります。
しかし2009年(平成21年)4月より適用された保育所保育指針で看護職の果たす役割が明確に盛り込まれたこともあり、配置への機運は高まっています。また自治体によっては、看護師配置に対して独自の加算をするところもあり、保育園看護師の重要性に対する認識は今後ますます広がっていくと考えられます。
役割と仕事内容
まずは保育園看護師の役割と仕事内容について見ていきましょう。お伝えした通り、保育士の配置人数の一人としてカウントすることが出来るため、保育のサポートも行います。園の規模や看護師の配置人数などから異なる部分もありますが、具体的な内容について確認していきましょう。子どもの健康管理

保護者対応

※医療的ケア児とは 医療的ケア児とは、医学の進歩を背景としてNICU(新生児特定集中治療室)などに長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養(チューブを使用し栄養を注入する方法)など医療的ケアが日常的に必要な児童のこと。 出典:厚生労働省の資料より |
園外活動
遠足など園外保育への同行もあります。その際は、体調不良やケガなどに備え、持ち出し用の救急セットの確認や準備を行います。普段と異なる環境で子どもは気分が高揚し、予想しない行動を起こすこともあります。保育のサポートに入り、ケガなどに注意しながら子どもが安心して楽しめるよう支援します。衛生管理

園での感染症対策への取り組みにも、看護師の専門性が求められます。例えば、どのような場面で手袋やガウンの装着が必要なのかの判断について伝えていく役割もあります。筆者の場合、より園全体での学びや共通認識を深めるため、感染症対策に特化した感染管理認定看護師を病院から招いて勉強会を行うこともありました。
保育士・職員との連携

他にも離乳食やアレルギー対策、感染対応における食器の取り扱いなどを栄養士に相談し対応することがあります。実際どのような環境で食事作りが行なわれているのか、どこまで感染対応が可能かなど給食補助に入りながら対策を検討することもあります。どのような職種間でもお互いの仕事を理解していくことが重要であると言えます。
保育園看護師のやりがい

夏祭りや運動会などの行事を通して、季節の移り変わりを感じながら子どもの成長を見届けることが出来るのも魅力の一つです。また保育のプロである保育士から得られる学びは大きく、身近な物を用いた遊びや製作の展開、切り替えの難しい子どもへの声掛けなど、個々に合わせた関わりに触れることで新たな視点を発見し、自己成長にも繋がります。
子どもの成長に寄り添う魅力的な仕事
保育園看護師の仕事は子どもたちの体調管理だけでなく、保健指導や保育のサポートなど多岐に渡ります。子どもの成長に寄り添いながら、保育の視点を学ぶことで培った知識を現場で生かすことができる、とても魅力のあるお仕事です。興味のある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。【関連記事】
