MENU

保育園看護師の役割を解説|仕事内容・保育士との連携

子どもの体調を確認する保育園看護師
保育園看護師とは、保育園に常駐で勤務する看護師のこと。その役割は子どもたちの健康管理や看護業務以外にも、保育士のサポートなど多岐にわたります。今回は、保育園看護師の役割や保育士との連携についてご紹介します。

保育園看護師とは

女性の保育園看護師
「保育園看護師」は、文字通り保育園で勤務する看護師のことを指します。しかし、保育所設置に関わる児童福祉法には看護師等の配置基準がなく義務化もされていないため、全ての園に看護師が配置されているとは限りません。現在の制度では、乳児が4人以上いる保育園については、「保健師又は看護師を、1人に限って、保育士とみなすことができる」という保育士数の算定ルールとなっていましたが、2015年(平成27年)からは准看護師も対象として加わりました。

看護師の配置の実態については、2000年の全国調査(施設数のうち17.7%が看護師を配置)以降は都道府県での単発の統計しかなく、正確には分かっていない点も多くあります。また看護師不足や園での位置付け・役割などの明確化などの課題もあります。

しかし2009年(平成21年)4月より適用された保育所保育指針で看護職の果たす役割が明確に盛り込まれたこともあり、配置への機運は高まっています。また自治体によっては、看護師配置に対して独自の加算をするところもあり、保育園看護師の重要性に対する認識は今後ますます広がっていくと考えられます。

役割と仕事内容

まずは保育園看護師の役割と仕事内容について見ていきましょう。お伝えした通り、保育士の配置人数の一人としてカウントすることが出来るため、保育のサポートも行います。園の規模や看護師の配置人数などから異なる部分もありますが、具体的な内容について確認していきましょう。

子どもの健康管理

保育園の救急セットの中身
看護師は少人数の配置が多く、1名体制の園も少なくありません。子どもの突然の発熱や嘔吐の他に、痙攣など緊急時の対応も求められるため、日頃からの必要物品の点検や緊急時マニュアルの整備も仕事の一つとなります。また日々の健康管理以外にも、嘱託医の健康診断や歯科健診に伴う健診の補助や準備を行います。

保護者対応

保護者対応をする保育園看護師
保護者とのコミュニケーションも重要な役割の一つです。園で子どもたちを見守る一員として、丁寧な対応に努め信頼関係を築いていくことが求められます。また保健だよりの発行を通し、園で流行している感染症や季節性の病気などの情報発信を行います。園によっては医療的ケア児(※)を受け入れている場合もあるため、ケアの方法などについて保護者との情報交換は欠かせません。
※医療的ケア児とは
医療的ケア児とは、医学の進歩を背景としてNICU(新生児特定集中治療室)などに長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養(チューブを使用し栄養を注入する方法)など医療的ケアが日常的に必要な児童のこと。
出典:厚生労働省の資料より

園外活動

遠足など園外保育への同行もあります。その際は、体調不良やケガなどに備え、持ち出し用の救急セットの確認や準備を行います。普段と異なる環境で子どもは気分が高揚し、予想しない行動を起こすこともあります。保育のサポートに入り、ケガなどに注意しながら子どもが安心して楽しめるよう支援します。

衛生管理

子ども向けの手洗いの啓発ポスター
生活習慣に関わる清潔な衛生環境の確保の観点から、個々の発達への配慮しながら、手洗いや歯磨きなどのポスター掲示や、紙芝居を用いて説明・指導することがあります。筆者が実際に手洗いについての紙芝居を実演したときは、子どもたちは集中して聞き入り、実際の手洗の場面でも、その必要性を理解した行動に繋げることが出来ました。

園での感染症対策への取り組みにも、看護師の専門性が求められます。例えば、どのような場面で手袋やガウンの装着が必要なのかの判断について伝えていく役割もあります。筆者の場合、より園全体での学びや共通認識を深めるため、感染症対策に特化した感染管理認定看護師を病院から招いて勉強会を行うこともありました。

保育士・職員との連携

子どもの体調をチェックする保育園看護師
子どもと関わる上で保育士との連携は欠かせません。保育のプロである保育士の視点から、子どもの発達に合わせた声掛けや活動など、幅広い視野を培い相互間での信頼関係を築くことが大切です。

他にも離乳食やアレルギー対策、感染対応における食器の取り扱いなどを栄養士に相談し対応することがあります。実際どのような環境で食事作りが行なわれているのか、どこまで感染対応が可能かなど給食補助に入りながら対策を検討することもあります。どのような職種間でもお互いの仕事を理解していくことが重要であると言えます。

離乳食の進め方やアレルギー対応については、こちらの動画でも解説しています。あわせてチェックしてみてください。
article_07

保育園看護師のやりがい

女の子の体調を確認する保育園看護師
医療的な知識が必要な場面では経験を活かし、園に貢献できる実感があります。子どもたちの命を預かる立場として緊張感や責任も伴いますが、その分やりがいがあります。

夏祭りや運動会などの行事を通して、季節の移り変わりを感じながら子どもの成長を見届けることが出来るのも魅力の一つです。また保育のプロである保育士から得られる学びは大きく、身近な物を用いた遊びや製作の展開、切り替えの難しい子どもへの声掛けなど、個々に合わせた関わりに触れることで新たな視点を発見し、自己成長にも繋がります。

子どもの成長に寄り添う魅力的な仕事

保育園看護師の仕事は子どもたちの体調管理だけでなく、保健指導や保育のサポートなど多岐に渡ります。子どもの成長に寄り添いながら、保育の視点を学ぶことで培った知識を現場で生かすことができる、とても魅力のあるお仕事です。興味のある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

【関連記事】
ほいくisメンバー登録はこちらから


article_05
ほいくisメンバーに登録(無料)