コーナー保育とは

従来からある、子どもたちがまとまって同じ課題や活動に取り組む保育(一斉保育/設定保育)の場合は、部屋全体を一つのスペースとして使うことが多くあります。一方、コーナー保育の場合は、保育室内を棚やパーテーションなどで区切り、コーナーごとで異なる活動ができる場所を設けています。
【コーナーの例】
- 絵本コーナー
- ままごとコーナー
- 製作コーナー
- ブロックコーナー
- 運動遊びコーナー
- 構成遊びコーナー
コーナー保育のメリットと課題

また、コーナー遊びを通じて、子ども同士の自然な交流や協力が生まれ、コミュニケーション能力や社会性の発達も期待できます。
保育士は、主体的に遊ぶ姿を観察することにより、子どもの興味関心や発達を把握しやすくなります。このことにより遊びの環境を改善する際に、より子どもの発達に合った遊びを選ぶことができるでしょう。
一方で、次のような不安の声が聞かれることも。
- 「特定のコーナーにこだわり、経験の幅が狭くなるのでは…」
- 「棚などを置くことで死角ができるのでは…」
- 「集団活動ができない子どもたちになるのでは…」
コーナー保育は、子どもが主体的に遊ぶことでさまざまな力を育むための保育方法です。その趣旨をよく理解した上で、一度設置したコーナーにこだわらず、子どもの様子に合わせて見直しや改善を行っていきたいですね。
コーナー設定・レイアウトのコツ
コーナーを作る上で意識したいポイントを3つご紹介します。①子どもの興味や発達に合わせる

また、季節や行事に合わせてコーナーに変化を加えていくことで、子どもの体験の幅を広げていくことができます。例えば、夏には水遊びコーナー、秋には落ち葉を使った製作コーナーなどを設けるのも良いでしょう。
遊ぶ様子をよく観察し、子どもの好奇心や意欲を生み出す環境を作ることが大切です。
②安全で使いやすい配置にする
コーナーを作る際には、安全が一番大切です。子どもたちがケガをしないよう、家具やおもちゃの置き方に気を付けましょう。おもちゃは、飲み込んだりケガをしたりしない物を選びます。また、子どもたちが自分でおもちゃを出し入れできるような低い収納棚があると良いでしょう。
コーナーを清潔に保つことも大切です。掃除や消毒がしやすいように、物の配置を工夫しましょう。例えば、床に直接おもちゃを置くのではなく、かごやトレイを使用するのも一案です。
③多様性と柔軟性を意識する

また、一人や少人数で集中できる静かな空間(例:絵本コーナー)と、グループ活動に適した広めのエリア(例:ブロックコーナー)を両立させることも重要です。
可動式の棚やパーテーションを活用し、活動内容や子どもの人数に応じて柔軟に空間を調整できるよう工夫しましょう。
見守る際のポイント
続いては、保育者が子どもを見守る上で意識したいポイントを3つご紹介します。①子どもの様子を観察する

また、特定のコーナーに子どもが偏っている時は、他のコーナーを見直してみましょう。子どもが多様な体験ができているか確認するために、遊んでいる様子を記録しておくと良いでしょう。
②安全を確保する

コーナー保育では、家具などにより死角が発生する場合も考えられます。なるべく低い棚にしたり、網目状のパーテーションを用いたりするなどの工夫をすれば、見渡しやすくなります。
建物の構造による死角など、環境を変えられない場合は、保育士の立ち位置を調整しましょう。
③必要な個別支援を行う

一人ひとりの様子に気を配り、必要があれば個別に支援を行います。また、子ども同士で助け合ったり、アイデアを出し合ったりできるよう働きかけることも大切です。
コーナー保育で主体性を育もう
コーナー保育は、子どもが主体的に遊びを選択できる保育方法です。遊びを通してさまざまな力を身に付けられるよう、子どもの姿に合った保育環境を設定していきたいですね。コーナー保育の取り組みについて考えている方は、参考にしてみてくださいね。
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