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保育実習日誌の書き方を解説|目的・コツ・注意点・例文

指導を受けている保育実習生
保育所実習は学生にとって、理論と実践を結び付ける貴重な機会。一日の終わりには実習日誌を記録し、学びを深めていきましょう。しかし、どう書けば良いか分からないという方もいると思います。そこで今回は、保育実習日誌の目的や書き方のコツなどを解説します。

保育実習日誌とは

ノートにメモを取っている学生
保育実習日誌は、実習中の出来事や考察を書き入れる保育記録です。個人的な感想を書く日記とは異なり、学んだことを記入するためのものです。

まずは、実習日誌を書く目的について見てみましょう。

実習日誌の目的

保育実習日誌を書く目的には、次のようなものが挙げられます。
  • 保育学生:実習での経験を記録し、振り返る。理論と実践を結び付けて思考する力を養う
  • 実習先の指導者・養成校の教員:記録を読み、学生を評価する
実習日誌を書くことで、実習での体験を客観的に振り返ることができます。養成校で学んだ理論と結び付けて考察すれば、専門的な視点での思考力が育まれていきます。

実際に保育園で働くようになれば、保育日誌を書く業務もあります。実習日誌を記録する経験を通じて、要点をまとめて書く力も身に付けていきたいですね。

また多くの場合、実習日誌を通じて実習生の評価が行われます。学んだことがしっかりと伝わるような日誌を作成しましょう。

実習日誌はいつ作成する?

「?」と書かれた積み木と時計
保育実習日誌は、その日の実習が終わってから書きます。自宅で書く場合が多いですが、実習園によっては日誌を書く時間が設けられている場合もあります。

日誌の構成は養成校によって異なりますが、一般的に1日あたり1〜2ページ程度の記入が必要です。実習中にとったメモや記憶を整理しながら、日誌にまとめます。

たくさん書けば良いというものでもなく、決められた枠の中に収める意識も必要です。要点を押さえて、読みやすくまとめましょう。

 項目別の解説と書き方

ここからは、保育実習日誌の項目と、具体的な書き方について見ていきましょう。

基本項目

「BASIC」と書かれた積み木
日付、天候、クラス、担任、園児数など、基本的な情報を項目に従って記入します。

【書き方の例】
  • 日付:2024年10月1日(月)
  • 天候: 晴れ
  • クラス:きりん組(3歳児)
  • 担任:佐藤先生
  • 園児数:20名(出席17名)

目標/ねらい

その日の実習の目標やねらいを記入します。園によっては、前日分の日誌を提出する際に、当日の目標を記入しておく場合もあるので、事前に実習担当の職員に確認しておくと良いでしょう。

【書き方の例】
  • コミュニケーションを図りながら、3歳児の言葉の発達過程を理解する
  • 子どもたちの遊びの様子を見守り、発達に応じた言葉かけや支援の在り方を学ぶ

実習内容

時系列に沿って、以下の項目を記入します。
  • 子どもの活動
  • 環境構成
  • 保育者の動き
  • 実習生の動き
※項目名は日誌のフォーマットによって異なります。

【書き方の例】
保育実習日誌「実習内容」の書き方例
簡潔に、箇条書きで記入します。環境構成は、配置図を書き加えると分かりやすいですね。

日案やデイリープログラムを参考にしつつ、実際の様子を記録しましょう。

感想・反省・考察

目をつぶって考察をしている女性
1日を通しての感想や考察を記入します。その日にあった印象的な出来事を2つ程ピックアップして書くと良いでしょう。

【書き方の例】
3歳児が積み木遊びをしていると、玩具の取り合いによるトラブルが見られた。私は仲介しようとしたが、どちらの意見を優先させたら良いのかわからず困ってしまった。A先生が来て、「うん、うん」「そうだったんだね」と双方の気持ちに耳を傾ける姿が見られた。子どもたちは自分の気持ちをわかってもらえたことに安心し、再び一緒に遊び始めた。トラブルを解決しようとするよりも、子どもの気持ちに寄り添うことの方が大切だと感じた。
日誌の最後には、担任保育士や実習担当の職員がフィードバックを書く欄があります。コメントを読んで、次の実習に活かしましょう。
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書き方のポイントと注意点

最後に、実習日誌を書く上でのポイントと注意点を紹介します。

事前準備のポイント

実習日誌を書くためには、事前準備が必要です。まずは実習が始まる前に、可能なら日案やデイリープログラムを見せてもらい、1日の流れを把握しておきましょう。

実習が始まったら、次のことをメモします。
  • 疑問に感じたこと
  • 子どもや保育士の姿で印象的な場面
  • 当日の目標を意識した視点での気付き
疑問に感じたことは、タイミングを見計らって保育士に質問してみましょう。保育士の回答に自分の考察を加えた上で、日誌に記録します。

子どもの姿や保育士の支援の在り方など、印象的な場面はメモにとっておきましょう。その上で「今日の実習日誌は、コレとコレについて書こう」と事前に決めておけば、スムーズに書き進めることができます。

書く際の注意点

「注意」と書かれた付箋とノート
実習日誌はさまざまな人が目を通す記録です。適切な言葉で、誰が読んでも分かりやすい日誌を心がけます。

手書きの場合は、一文字ずつ丁寧に書きます。漢字が分からなければ、調べて書いた方が良いですね。

会話では使用する言葉でも、文章には適していない場合もあります。正しい保育用語で記入しましょう。

例えば、「トントンする」は「入眠を促す」、「おしっこ」は「排尿」となります。なお、会話のやりとりを記入する際には、口語体のまま記入します。

保育実習日誌で学びを深めよう

保育実習の様子
保育実習日誌は、実習で経験したことをまとめ、学びを深めるためのツールです。記録することを意識しながら実習に臨めば、実際に記入する時にも迷うことなく書き進めることができるでしょう。

これから実習が始まる方は、参考にしてみてください。

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佐野 きこ(さの きこ)

この記事を書いた人

佐野 きこ(さの きこ)

現役保育士。
現在は子どもだけでなく、保育士や保護者など、子どもに関わる人をサポートする仕事がメイン。子どもも保護者も保育士も、みんなが笑顔になれる保育を目指している。
座右の銘は「保育士は、保育のプロである」
保育の専門家として、わかりやすく保育を語れるよう奮闘中。
家庭では、2人の息子のお母さん。

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