東京都内の保育園事情
都道府県別の給与ランキングで1位の東京都。それでは、東京23区内での給与にはどんな相違があるのでしょうか。今回は、ほいくis編集部お仕事探し担当が、複数の保育士転職エージェントから比較・応募できる「ほいくisお仕事探し」で、実際に掲載されている求人の給与をもとに23区別「給料ランキング」を作成しました。まず、東京都内の保育園事情を見ていきましょう。
東京都内の保育園数
東京都内には、令和6年4月1日時点で認可保育所・認証保育所合わせて4,035箇所の保育園があります。定員数は合わせて33万4,235人です。認可保育所は年々増加している一方で、認証保育所は年々減少傾向にあります。また、全体の定員数が拡大されたことにより、待機児童数は減少しています。
しかし、東京都内でも地域により偏りがあるのが現状です。23区内は保育需要が高いことから保育園数が多く待機児童数が少ないのに対し、23区外では地域によっては保育園数が少なく、待機児童が多い場所も存在しています。
参考:保育サービス利用児童数の状況|東京都 >>詳細はこちら
東京都の平均給与
東京都の保育士の平均給与は、以下の通りです。| 決まって支給する現金給与額 | 315,800円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 745,100円 |
| 年収 | 4,535,000円 |
※出典:令和5年度賃金構造基本統計調査/e-Stat >>詳細はこちら
リアルな東京23区の保育士の給与ランキング
東京都の平均給与を見て「自分の給与と違う!」と思われた方も多いのではないでしょうか。あくまでも統計的な平均のため、多くの保育者には当てはまらない数値かもしれません。では、実際の保育士求人の世界では、どのくらいの給与の求人が紹介されているのでしょうか? ほいくisの姉妹サイト「ほいくisお仕事探し」で実際に掲載されている月給の下限の平均を23区別にランキング形式でご紹介します。
※正社員、保育園、保育士資格あり、大手転職サイトで募集している最低月給の平均(2024年9月)。諸手当を含む。賞与(ボーナス)、住宅手当などは含まない。
正社員の給与ランキング
| 区名 | 平均最低月給 | |
|---|---|---|
| 1位 | 品川区 | 240,351円 |
| 2位 | 台東区 | 237,839円 |
| 3位 | 中央区 | 237,688円 |
| 4位 | 新宿区 | 237,420円 |
| 5位 | 文京区 | 235,966円 |
| 6位 | 港区 | 235,175円 |
| 7位 | 墨田区 | 234,969円 |
| 8位 | 江東区 | 234,514円 |
| 9位 | 千代田区 | 233,896円 |
| 10位 | 荒川区 | 233,333円 |
| 11位 | 豊島区 | 233,328円 |
| 12位 | 練馬区 | 232,678円 |
| 13位 | 杉並区 | 232,349円 |
| 14位 | 中野区 | 231,142円 |
| 15位 | 目黒区 | 230,811円 |
| 16位 | 渋谷区 | 230,702円 |
| 17位 | 足立区 | 230,626円 |
| 18位 | 江戸川区 | 230,566円 |
| 19位 | 大田区 | 230,210円 |
| 20位 | 板橋区 | 229,275円 |
| 21位 | 北区 | 228,567円 |
| 22位 | 世田谷区 | 225,897円 |
| 23位 | 葛飾区 | 222,795円 |
そのほか、給与に影響を及ぼす要因の一つが「保育士の需要と供給のバランス」です。たとえば、子育て世帯に人気があり保育施設が増加傾向にある地域では、保育士の求人数も増加します。このような地域の保育園では、人材を確保し保育士の定着を図るために給与水準が高めに設定されている場合があります。
契約社員やパートと比較すると
東京都の契約社員やパート・アルバイトの場合の平均月収・平均時給は以下の通りです。| 雇用形態 | 平均月収 | 平均時給 |
|---|---|---|
| 契約社員 | 220,000円 | 1,229円 |
| パート・アルバイト | 210,000円 | 1,277円 |
契約社員とは、雇用期間の定めを設けて雇用契約を結んだ労働者を指します。フルタイムでの勤務が一般的であり、正社員同様の仕事を任される場合も多いでしょう。
一方、パート・アルバイトは短期間、短時間での勤務も可能な場合が多く、時給制が一般的です。雇用形態や働く時間によって、平均月収には差が出ると考えられます。
参考:ほいくisお仕事探し >>詳細はこちら
給与が高い区と低い区の比較

給与の差の理由
地域による給与の差には以下の3つの理由が関係していると考えられます。- 地域差
- 保育需要
- 自治体の支援制度
地域ごとの保育需要も関係しています。共働きの家庭が多く保育ニーズが高まっている自治体では保育施設の数も多い傾向にあります。よって、保育士の需要も高まっているため、人材を確保し、施設で働き続けてもらうために給与が高めに設定される傾向にあるのです。
さらに、自治体による支援制度の有無も給与に影響を及ぼします。保育士を確保するため、独自の手当や支援制度を設けている区では、実質的な給与は高くなるでしょう。
勤務条件の違い
そもそもの地域差もありますが、どのような勤務条件で働くかによっても給与差が生まれます。働く施設の財政状況はもちろん、労働時間なども関係しているでしょう。たとえば、住宅手当や通勤手当などの福利厚生面が手厚い場合、基本給は変わらなくても手取り額は多くなることが考えられます。
保育士の給与に影響を与える要因
保育士の給与はさまざまな要因によって決められています。個人や勤務先によって異なる場合が多く、そこには複数の要素が絡み合っているのです。 ここでは、保育士の給与に影響を与える主な要因について詳しく見ていきましょう。経験年数・役職
経験年数が増えるほど、給与額は上がる傾向にあります。経験を積むことで保育の質が向上し、よりきめ細やかな保育ができるようになるからです。多くの保育施設では勤務年数に応じて昇給する仕組みが採用されています。主任保育士や園長といった役職につくと、さらに手当が加算されます。しかし、主任保育士の平均勤続年数は21年と言われており、一般保育士が主任保育士になるまでには長い時間がかかります。
そこで、新たに設けられたのがキャリアアップ研修です。「保育士等キャリアアップ研修」を受け専門性を向上させると、「副主任保育士」や「専門リーダー」、「職務分野別リーダー」といった役職に就けるため、一般保育士でも給与アップが望めます。
参考 保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ|厚生労働省 >>詳細はこちら
保有資格
持っている資格によっても給与額は異なります。たとえば、保育士資格にくわえ、幼稚園教諭免許状を持っていると給与面で優遇されることがあるでしょう。さらに、食育や特別支援に関する資格を持っていれば、資格手当が付く場合もあります。これらの資格は給与面でプラスになるだけでなく、就職・転職の際にも有利に働く可能性があります。
雇用形態
雇用形態も給与額に大きな影響を及ぼす要因の一つです。正社員の場合、月給制で安定した収入が得られ、賞与や各種手当も充実しています。昇給や昇進の機会があり、長期的に見て給与は上がりやすいでしょう。一方、パート・アルバイトの場合には、時給制が一般的で勤務時間に応じた給与額となります。契約社員の場合は月給制が多いようです。また、賞与の有無や各種手当は施設によって異なり、正社員とは大きな差が出る場合があります。
勤務地
一般的に東京都や神奈川県、大阪府などの大都市圏では保育士の給与が高く設定されています。これはその地域の家賃相場や物価水準などに影響されるものです。また、保育需要が高く、保育士の人材確保のために給与が高く設定されている場合もあります。施設の種類
保育施設の種類も給与に影響を与える一因です。公立保育園と私立保育園では、給与形態が大きく異なり、一般的には公立保育園の方が給与水準が高い傾向にあります。働き始めた頃は大きく変わらないものの、年数を重ねるごとにその差は大きくなっていきます。また、認可保育園と認可外保育園でも給与に差があり、認可園の方が給与が高い傾向にあります。これには国や自治体からの補助金が多く、安定した運営が行われていることが影響していると考えられるでしょう。しかし、これも一概には言えず、認可外保育園でも運営元によっては高い給与水準を設定している園も存在しています。
給与を上げるためのアドバイス
保育士として働く上で、やりがいや職場の環境ももちろん大切ではありますが、給与額も重要なポイントです。 ここでは、給与を上げるためにできることを4つ紹介します。資格取得の重要性
保育士の待遇向上と専門性の強化を目的として「処遇改善等加算」が2015年に導入されました。処遇改善等加算はⅠからⅢに分かれており、中でもキャリアアップを促進し、若手・中堅保育士の給与アップを図っているのが「処遇改善等加算Ⅱ」です。具体的な内容としては、「保育士等キャリアアップ研修」を受けることで、「副主任保育士」や「専門リーダー」、「職務分野別リーダー」といった役職に就くことができることから、給与アップが望めるというものです。
これまで役職といえば「主任保育士」、「園長」のみで、これらの役職に就くには長く保育士として勤め続けなければならず、給与アップは望めない環境でした。しかし、一般保育士と主任保育士までの間に、副主任保育士などの役職が設けられたことにより、一般保育士が役職に就ける可能性が大幅に上がったのです。
この制度を利用することで、給与アップに繋がるだけでなく、保育士としてのスキルアップにも繋がるでしょう。
経験による加算制度
経験や学歴などにより、給与に加算される制度が導入されている場合は、給与アップに繋がります。たとえば、以下のような加算ポイントがあります。- 経験者
- 役職
- 学歴
- 地域
学歴によっても給与額は異なり、短大・専門学校卒と四大・大学院卒の場合では、四大・大学院卒の方がそもそもの基本給が高いことがほとんどです。また、都心部であればあるほど保育の需要は高まるため、給与が高くなるのが一般的でしょう。
保育士宿舎借り上げ支援事業による補助
保育士の確保や定着を目的とした制度である「保育士宿舎借り上げ支援事業」の補助も給与に影響します。保育施設が借り上げた宿舎の家賃を補助するもので、家賃負担が軽減されます。東京都では、自治体によっては独自の上乗せ補助を行っている場合もあり、一人暮らしをする保育士にとってはありがたい補助でしょう。ただし、自治体や施設ごとに利用条件などが異なるため、詳細は確認が必要です。
転職を考えるタイミング
給与を上げるのに、最も確実で早い方法は勤務する施設を変えることです。施設によって、そもそもの基本給のほか、昇給のタイミングや福利厚生などが異なります。同じ施設で働き続けるよりも、そもそもの基本給が高い施設や昇給が望める施設で働く方が良いでしょう。認可保育園や公立保育園、または給与水準の高い都市部の保育園へ転職すれば、今よりも高い給与で働ける可能性が高まります。
まとめ
東京23区の保育士の給料は、区によって違いがあります。これには、場所による物価や保育需要の違いのほか、各自治体の政策などが関係していると考えられます。給与アップを狙うには、「保育スキルを磨きながら年数を重ねる」か「キャリアアップ研修を受け役職に就く」の2択になります。しかし、他の園に目を向けると今よりも良い条件で働ける園が見つかるかもしれません。転職を視野に入れることで、より早く給料アップが叶うでしょう。
自分の市場価値を知り自分らしい働き方を
保育士の給与は都道府県別で異なりますが、実際の求人応募からわかるリアルな月給や手当の違いを知ることで、将来のキャリア選択がより明確になるでしょう。まずは、自分の市場価値を把握して、より良い条件で働くための一歩を踏み出してみてくださいね。
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