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食育に取り入れたい冬が旬の食材|知識と伝え方

冬が旬の野菜
「旬」とは、食材が最もおいしく栄養価も高い時期のこと。野菜や果物、海産物など、食材にはそれぞれ旬の時期があります。旬を知ることで、自然のめぐみや四季の変化を知ることにも繋がります。近年は食育に力を入れている園も増えており、保育の中で「旬の食材」について取り上げることもあるでしょう。今回は、12〜3月の冬が旬の食材について詳しく紹介します。

冬はどんな季節?

ニンジンの収穫

冬は、日が沈むのが早くなり、一年で最も寒い季節。地方によってはあたり一面真っ白な銀世界を見渡せる地域もあるでしょう。寒さは厳しくなりますが、クリスマスやお正月など楽しい行事が目白押しで、大人も子どももどこか浮足立つ季節でもあります。行事に向けてさまざまな活動を計画している保育園も多いかもしれませんね。冬を思い切り楽しむためにも、栄養たっぷりの旬の食材をとり、健康に過ごしましょう。
ここからは、冬に旬を迎える食材の特徴について紹介します。

園での食育活動については、こちらのセミナーでも詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください。


冬が旬の食材の特徴

根菜の煮物
冬に旬を迎える食材は、風邪予防に役立つビタミンCが豊富な野菜や果物が多いのが特徴。子どもたちにも人気の冬の定番フルーツ、ミカンに含まれているビタミンCは免疫力を高める効果があるので、ぜひ積極的に摂取していきたいですね。

また冬野菜には寒さで凍ってしまわないよう細胞に糖をたくさん蓄積するため、食べたときに甘くておいしいものが多いです。レンコン、ニンジンなどの根菜類は血行を促進し、冷えの解消につながる効果も。冬の魚介類はタラやアンコウなど子どもも食べやすい低脂質でたんぱくなものが豊富です。
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冬の行事食

七草がゆ
食育の一環として、季節のイベントごとに行事食を取り入れている園も多いでしょう。行事食には、伝統に親しめるだけでなく、旬の食材を味わえるといったメリットもあります。

ここでは、冬の行事食の例を紹介します

行事 行事食 由来
冬至(12月) かぼちゃ(なんきん) 栄養価が高く風邪予防になるため。「ん」が2つく食べ物は「運」を呼び込むとされているため
クリスマス(12月) チキン 西洋では七面鳥を食べるが、日本では手に入りやすいチキンを食べる文化が根付いたため
人日の節句(1月) 七草がゆ お正月のご馳走に疲れた胃を休め、1年の無病息災を祈るため
節分(2月) いわし(鰯)、豆 いわしは体の中の邪気を追い払うため。豆は邪気を払い、健康と幸せを願うため
行事食の由来については、大人でも知らないものが多いかもしれません。行事食の日には、絵本やペープサートなども活用しながら、行事食の由来や旬の食材について子どもたちに伝えたいですね。

冬が旬の食材

冬が旬の食材にはどんなものがあるのか、またそれぞれの特徴について、「果物・野菜」「海産物・その他」に分けてまとめました。保育者さんが旬の食材について詳しく知っていれば、給食の時間や食育活動の中で子どもたちに伝えられます。ぜひ参考にしてくださいね。

果物・野菜

ミカンの写真
まずは秋が旬の果物・野菜を紹介します。
食材 旬の時期と特徴
ホウレンソウ 11〜3月が旬。鉄やビタミン、亜鉛などさまざまな栄養が含まれており、寒くなると甘みと栄養分が増す
ハクサイ(白菜) 旬の季節は11月〜2月。水分が95%ですが、カリウム、カルシウム、ビタミンCなどの栄養素が含まれている
ダイコン(大根) 秋から冬にかけて旬を迎える、ビタミンやミネラルが豊富な食材。葉にも栄養が豊富で、β-カロテンカルシウム、鉄分などが含まれる
レンコン(蓮根) 秋の終わりから冬に出回るものは晩秋レンコンと呼ばれる。ビタミンCやカリウム、ポリフェノールなど栄養も豊富。縁起がよい食材なので、おせち料理にも使用される
サトイモ(里芋) 秋から冬が旬の野菜で、12月に流通量が多くなる。ねばねばした部分には食物繊維の一種「ガラクタン」という栄養素が含まれている
ニンジン(人参) 冬ニンジンは甘みがあり栄養価が高いのが特徴。お節料理に使われる金時ニンジンは11月〜2月が旬。β-カロテン、ビタミンC、葉酸などが豊富
ブロッコリー 11月〜3月が旬の食材。ビタミンやミネラルを多く含んでおり、特にβ-カロテンとビタミンCが豊富
ミカン(温州ミカン) 皮がやわらかい温州ミカンは冬を代表する果物。出荷数は12月が最も多い。風邪予防に役立つビタミンCが豊富
キンカン(金柑) 旬の季節は11月〜3月。皮ごと食べられるため、ビタミンC、P、E、カルシウムなどの栄養素を効率よく摂取できる。キンカンの甘露煮はおせち料理の定番
レモン 国産レモンは12月〜3月が旬。ビタミンCのほかにもクエン酸、ベータカロチン、カリウムなど様々な栄養素が含まれており、疲労回復が期待できる
冬の野菜や果物に含まれているビタミンCは免疫力アップや風邪予防に効果的。感染症が流行りやすい冬は積極的に摂っていきたいですね。ビタミンCは熱に弱いという特徴があるため、そのまま食べられるミカンはビタミンCの補給にぴったりです。

海産物・その他

ワカサギ釣り
次に、冬が旬の海産物・その他を紹介します。
食材 旬の時期と特徴
アンコウ 11月〜3月が旬。低脂質でコラーゲンが豊富。骨以外はすべて食べることが可能。アンコウの吊るし切りは冬の風物詩とも言われる
タラ(鱈) 魚に冬という文字通り、12月〜2月が旬の魚で鍋料理の定番。低脂質で高タンパクなヘルシー食材で、離乳食にも使われる
ブリ(鰤) 12月〜1月の「寒ブリ」は脂が乗って特においしいと言われている。疲労回復効果が期待できるタウリンやビタミンB1、B2、E、Dなど栄養が豊富
ワカサギ 10月~3月が旬の魚。北海道や東北では湖の氷上で行うワカサギ釣りも人気がある。骨ごと食べられるので、カルシウム補給に最適。カリウム、ビタミン類、鉄分も豊富
カニ(蟹) カニの旬は11月~3月。種類によって旬の時期が異なる。低脂質で高タンパクで、ビタミン、ミネラルも豊富なヘルシー食材。縁起がよい食材と言われ、おせち料理にも使用される
アズキ(小豆) 旬の季節は10月~2月。小豆の赤色には厄除けになると言われ、古くからお祝いや行事の料理に使用されてきた。低カロリーでビタミンB群、ポリフェノールなど栄養も豊富なため、近年では健康や美容に役立つ食材として注目されている
コンニャク 11月~1月が旬。コンニャク芋の球茎から作られる加工食品。コンニャク芋はそのままでは食べられないくらいのエグミがある。主成分は食物繊維。栄養豊富で低カロリー
冬にはアンコウやタラなど低脂質で高たんぱくな魚が旬を迎えます。特にタラはあっさりとして食べやすく、どんな味にも合うので魚の青臭さが苦手な子どもにもおすすめですよ。

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冬が旬の食材のペープサート
こちらのページで紹介した「冬が旬の食材」のペープサート用イラストを用意しました。果物と野菜は裏返すと切り口の様子が分かります。海産物の裏面には料理のイラストが! 子どもたちに説明するときに利用してください。「ほいくisメンバー」への登録をすれば、無料でダウンロードすることができます。
イラストのダウンロードはこちら


冬の食材について知ろう

今回は冬が旬の食材について紹介しました。おいしく栄養たっぷりの旬の食材をとることは、季節感を味わうだけでなく、心身の健康にも繋がります。ぜひ紹介した内容を参考に、冬の食育計画や食育活動を考えてみてくださいね。

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