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なぜ日案作成にテンプレートが通用しないのか?【日案先生コラム】

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「×」マークのプラカードを上げている保育士
インスタグラムで日案のノウハウと保育の楽しさ・奥深さを発信している「日案先生」の連載コラム。今回のテーマは、日案作成で使われがちなテンプレートや定型文について。それらが通用しない理由と、日案の本来の目的について解説します。

なぜ日案作成にテンプレートや定型文が通用しないのか

同じ型が等間隔で並べられたところ
保育現場において日案作成が求められる理由は、保育を多角的に捉え、保育者の丁寧なかかわりや援助、環境構成を学び、子どもたちの真の姿を引き出すことができるようにするためです。

その観点から言うと、日案を作成する際に定型文やテンプレートに頼ることは、保育の質を落としてしまう可能性があります。なぜなら、保育現場には一つとして同じ状況はないからです。保育方針や園の環境、職員の人員配置や子どもの人数、個別の援助や配慮を要する子、さらには保護者のニーズなど、保育園ごとに大きな違いがあります。

例えば、設備や人員に余裕があり、個別対応がしやすいA園に対し、B園では保育士一人が複数の役割を担う環境にあることもあります。また、子どもたち一人ひとりの性格や発達段階、これまでの経験も異なり、日々の行動や感情の表れも千差万別です。

そのため、画一的な定型文で対応することは難しく、むしろ現場ごとの柔軟で個別的な対応が求められるのです。
屋外活動をしている子どもたちと先生
日案はあくまでも現場に即した具体的な内容であるべきです。テンプレートに頼るのではなく、現場の状況に合わせた柔軟な計画を反映していくスキルが必要なのです。

テンプレートが使えない理由とその背景

テンプレートや定型文が通用しない背景には、園ごとに異なる保育方針や環境、職員の配置状況があります。

例えば、「園庭あそびは全体の様子を把握しながら、子どもたちと遊ぶよう心掛ける」という定型文があったとします。
大型遊具で遊んでいる子どもたち
この留意点が成り立つためには、園庭が見渡しやすく、職員が配置しやすい環境であることが前提になります。しかし、多くの園では園庭の作りが異なり、遊具の位置や種類、死角となる場所が存在することも少なくありません。遊具の陰や死角に職員を配置していないと危険な場合もあるため、定型文の内容が現場の実態にそぐわないことがあります。

そのため、このケースでの具体的な留意点としては「園庭あそびでは、大型遊具の死角やジャングルジムなど落下の危険がある場所には、職員間で声を掛け合い、子どもの様子を把握するよう心掛ける」といった、園特有の状況に合わせた内容にすることが必要です。

また、保育方針が異なる場合も同様です。当然、日案における保育者の対応が変わります。このことからも、テンプレートに頼ることが適切でないことが分かります。
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日案作成に必要なこと

日案作成において大切なことは、保育理念や保育の本質を理解し、子どもたち一人ひとりに適したかかわりを考えることです。具体的には、以下のような視点が必要です。

視点①

「FLEXIBLE」と書かれた積み木
まず、保育理念に基づき、子どもの発達や特性を捉えることが求められます。子どもたちは一人ひとり異なる成長段階にあり、興味や関心も異なるため、全体への声掛けや配慮だけではなく、個々の思いを汲み取る視点が欠かせません。また、日案通りに進めることが目標ではなく、現場での子どもの反応や様子に応じて柔軟に対応する力も重要です。

視点②

遊んでいる園児を笑顔で見守る保育士
日案は保育者自身の「引き出し」を増やす機会でもあります。計画通りに保育が進まない場合でも、さまざまな援助やかかわりができるよう、経験を積み重ねて対応力を養うことが求められます。子どもたちがどんな姿や行動を見せても、受け止め、適切に応じることで心の成長を支えることができます。

このように、日案は単に活動やタイムスケジュールを記すものではなく、保育者の対応力や柔軟性を育むためのものであると捉えましょう。園に合わせた、そして子ども一人ひとりに合わせた保育を実践するためには、常に「保育の本質」を考え続ける姿勢が必要です。

まとめ

矢印が書かれた積み木がいろいろな方向を向いているところ
日案作成において、テンプレートに頼らず園の実情に即した柔軟な内容が求められる理由をご理解いただけたと思います。保育は一人ひとりの子どもに対する最適な支援を目指すものであり、日案もその一環として重要な役割を担っています。

テンプレートに頼るのではなく、各園の保育方針や環境、子どもたちの状況に応じた内容を丁寧に作成することで、保育の質が向上し、子どもたちのより豊かな成長に繋がります。

これから日案作成を得意とするために、日々の保育活動を通じて保育の本質に迫る姿勢を大切にしていきましょう。
次回は、日案作成が苦手な人と得意な人、それぞれの特徴や違いに迫ります。自分の強みや課題を見つめ直し、保育の本質を再確認するきっかけとなる内容をお届けします。
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日案先生(にちあんせんせい)

この記事を書いた人

日案先生(にちあんせんせい)

現役保育士として“現場に寄り添う日案の作成方法”をInstagramにて発信。参考書には載っていない独自の視点から、保育指導案の作成や実習日誌の添削ポイントを解説。保育のさまざまな見方・保育者の強い味方、2つのミカタから全国の保育者を全力応援!

<Instagram>
https://www.instagram.com/hoiku_nichian.sensei/

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