子どもの『試し行動』とは

保育園でよく見られる試し行動には、次のようなものがあります。
- 「いや」と抵抗する
- 泣いて要求を通そうとする
- 騒いだり、走り回ったりする
- わざとルールを破ったり、失敗したりする
- 叩く、壊すなど攻撃的な行動をとる
- 集団活動に参加しない
試し行動の原因は?
試し行動の原因は、子どもによってさまざま。複合的な要因が関連している場合も多く、原因を一つに特定することは難しいでしょう。以下で説明する要因を頭の中に置きながら子どもの様子を観察し、原因を探ってみましょう。発達の過程

1歳頃には、「物を落とす」という行動が多く見られるのではないでしょうか。保育士が手渡してもまた落とす、というやりとりを繰り返す場合も。これは、自分の行動が大人にどのような影響を与えるのか、試している姿です。
2歳頃のイヤイヤ期は、自分の意志に気付き、表現できるようになる時期です。「イヤ」と言うことで、大人がどのような反応をするか、試すようにもなります。
このように、発達の過程で必要な成長を遂げるために、試し行動をする場合があります。
情緒の安定

不安や緊張を感じている時には、「自分の方を見てほしい」という一心で、保育士が振り向くような行動をとる場合があります。危険なことや嫌がられることなど、注意されるような行動で試すことも少なくありません。
家庭における親・保護者との関係性の中で不安を抱えている時や、園生活で気持ちが落ち着かない時などに、保育士の注目を集めることで安心感を得ようとする姿が見られます。
関係性の模索

特に、新年度の始まりや、担任の代替として保育に入った時に見られることが多いでしょう。子どもが「この先生はどこまで自分の行動を受け入れてくれるのか」と試しているのです。保育士の反応を見ながら、距離感や行動の範囲などを決めていきます。
関わりが深まり、関係性が構築されてくると、試し行動は落ち着いてくる場合が多いです。
試し行動の対応方法
子どもの試し行動が続く時こそ、保育士は冷静さを保って適切な対応を行っていきたいですね。ここからは、試し行動の対応方法を紹介します。安全の確保をする

また高いところに上ったり、自傷行為をしたりする場合もあるため、まずは危険が無いように環境を整えましょう。突発的な危険行動に対しては、静かな声で毅然と制止する姿勢が大切です。
過剰な反応を避ける
子どもの試し行動に対しては、過剰な反応をしないようにしましょう。保育士の反応を得られたことで、試し行動がエスカレートする場合もあります。危険が伴わない時には、見ていないフリをしたり、見ていても反応しないように意識しましょう。子ども自身を無視する訳ではなく、試し行動に反応しないようにすることがポイントです。
認める言葉がけを意識する

試し行動をしていない時に、意識して声をかけましょう。望ましい行動をした時はもちろん、当たり前のことでも「座り方、かっこいいね」「朝の準備、完璧だね」などと認める言葉をかけていけば、「見てもらえている」と実感できることが増えていきます。
そうして安心感を感じられるようになれば、試し行動は減っていくことでしょう。
試し行動には根気強く対応しよう
子どもの試し行動に対しては、冷静さと根気強さが求められます。保育士との安定した関わりの中で、子どもが安心して自分らしさを発揮できる環境を作っていきましょう。子どもの試し行動に悩んでいる方は参考にしてみてください。
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