MENU

新人保育士の指導と育成方法を解説|原因・事例・フォロー策

4
新人保育士たちと話をする先輩保育士
春は、新人保育士が入職してくる季節。最初は分からないことも多く、悩みを抱えてしまう新人さんも少なくありません。自信を持って保育ができるように、指導やフォローを丁寧に行っていきたいですね。今回は、新人保育士の指導方法からフォロー策、育成方法までを解説します。

新人保育士のフォローとは

「FOLLOW」と書かれた積み木
新年度の始まりは、多くの保育園が新人保育士を迎えます。新入園児の受け入れや進級に伴う慌ただしさの中で、新人の皆さんは期待と不安を胸に保育の現場に立つことでしょう。

1年目は、保育士としての土台を形成する重要な時期です。この時期における先輩保育士の関わりは、新人の保育観や社会人としての振る舞いに大きな影響を与えます。

適切なサポートが不足すれば、新人保育士の意欲は低下し、最悪の場合は早期退職といった結果を招く可能性もあります。園の将来を担う人材を育成するためにも、計画的にフォロー体制を作っていきたいですね。

新人保育士の悩み・心境

新人保育士が陥りやすい心境を知っておくことで、悩んでいることに気付きやすくなります。最初に、若手保育士が抱えがちな悩みについて見ていきましょう。

業務の悩み

「?」マークの吹き出し
さまざまな業務への対応に、難しさを感じる新人保育士は少なくありません。保育士には、子どもたちの保育だけでなく、事務仕事や環境整備、行事準備など、覚えなくてはならない仕事がたくさんあります。

どのように書いたら良いのか分からず、書類作成に時間がかかることもあります。また、業務の優先順位を付けることも難しく、何から手を付けたら良いか迷ってしまうこともあるでしょう。

対処の仕方が分からないまま残業や持ち帰りの仕事が増えてしまえば、休む時間も十分に取れず、心身共に疲弊してしまうことが考えられます。

スキルの悩み

子どもとの関わり方や、保育者としてのスキル不足に悩む新人保育士も少なくありません。ケンカの仲裁や集団活動の進行など、保育の実践を行う上で必要なスキルに自信が持てないこともあるでしょう。

発達過程や個性に応じた支援は、子どもを知らなければできません。臨機応変な対応が必要な場合も多く、現場経験が少ない新人保育士にとっては難しさを感じることも多いです。

養成校で教わってきた対応の仕方では上手くいかない場合も多く、理想と現実のギャップに苦しむこともあるでしょう。

人間関係の悩み

思い悩んでいる新人保育士
多くの新人保育士は、社会人としても一年目である場合がほとんどです。年上の保育士や歳の離れた職員との関わり方に不安を感じる新人保育士も多いでしょう。

また、保護者と信頼関係を構築していく上でも戸惑いを感じる場合があります。送迎時のやりとりや、保護者からの質問への返答など、自信を持って対応できないケースもあるでしょう。

このような対人関係での不安が、仕事に対するストレスへ繋がっていくことも少なくありません。
article_19

新人保育士のフォロー策

新人保育士が安心して保育に向き合えるよう、園全体で支えていきたいですね。ここからは、新人のフォロー策について見ていきましょう。

フォロー体制を作る

手を重ねているところ
新人保育士の育成は、園全体で取り組みましょう。

まずは、新人一人ひとりの指導保育士を決めます。日々の業務やメンタルに関するサポートがメインとなるため、同じクラスの先輩保育士が適しています。

重要なのは、指導保育士に任せきりにするのではなく、リーダーや主任なども一緒にサポートしていく体制を築くこと。そうすることで指導保育士への負担を軽減することができるだけでなく、さまざまな視点からのフォローが可能になります。

フォローを行う側は話しやすい雰囲気を作り、コミュニケーションの機会を意図的に作っていきましょう。

育成計画を立てる

「人材育成」と書かれた積み木
新人指導は、計画的に行いましょう。

まずは、具体的な目標設定を行います。例えば、「基本的な業務内容を把握する」「保護者対応の基本を身に付ける」といった内容が挙げられます。

具体的な目標を設けることで、新人が仕事に対して意欲を持ったり、成長を実感したりすることに繋がります。

また、基本的な業務や社会人としてのマナーを教える新人研修も行いたいですね。研修で学んだことが実行できているか振り返るために、フォローアップ研修も計画しましょう。

定期的に面談を行う

面談を受けている女性
新人保育士の成長を支えるために、定期的に面談を行いましょう。

月1回程度の面談を行い、困っていることや悩みなどを聞き取ります。普段は口にし辛いことでも、個別面談の場では言える場合もあります。

新人の思いに寄り添い、できている点を具体的に褒めることで、自信に繋げていきましょう。

同時に、目標の達成状況も確認しながら、必要に応じて計画の見直しや助言を行うことも重要です。

新人保育士との接し方

新人保育士と関わる上で、先輩保育士はどのようなことに気を付けたら良いのでしょうか。
具体的な関わり方について見ていきましょう。

指示や指導は具体的に伝える

「見て覚えて」という指示は避け、具体的な言葉で伝えるよう心掛けましょう。新人保育士はまだ経験が少ないため、何を見て、どう学べば良いのか分からない状態です。

「子どもの様子を見てて」といった曖昧な言葉ではなく、「ケガに繋がると感じる行動は止めてね」というような具体的な指示が必要です。また、指導案などの書き方に関しても、具体例として過去の書類を提示しながら、説明を行いましょう。

指示だけでなく、「なぜその行動が必要なのか」という理由を添えることで、より理解が深まります。行動の意図が分かるようになれば、徐々に自分で考えて行動できるようになります。

新人の成長を支える言葉かけを意識する

双葉が木に成長していくイメージ
新人保育士の良いところや、できるようになったことを見付け、それを認める言葉かけをしていきましょう。

新人が「失敗した」と感じている場合でも、「すぐに報告できたことは、素晴らしいです」「子どもの姿をイメージしながら準備していたことは十分伝わってきましたよ」など、できていた部分を褒めましょう。

その上で、感情的にならず、冷静に改善点を伝えます。失敗を活かして成長していけるような言葉かけを意識したいですね。

コミュニケーションを大切にする

コミュニケーションを取り合う保育士
新人保育士への指導は一方的にならないように気を付けましょう。新人の考えや思いにも耳を傾けることが重要です。

「子どもの姿を見て感じたことを教えてくれる?」「保護者対応で困っていることはない?」など、積極的に新人の意見や考えを聞く機会を作りましょう。

また、普段から相談しやすい雰囲気を作ることも大切です。何気ない会話や挨拶を日々積み重ねていくことが、信頼関係に結び付いていきます。

先輩保育士の方から積極的に笑顔で話しかけていきたいですね。

丁寧なフォローを成長に繋げよう

園庭に立っている新人保育士
1年目に学んだ保育に対する姿勢や保育観は、その後の成長に大きく関わってきます。共に成長し合い、質の高い保育を行っていくためにも、計画的に丁寧なフォローを行っていきたいですね。

新人保育士を迎える園の方は、参考にしてみてください。

【関連記事】
ほいくisメンバー登録はこちらから
article_03
佐野 きこ(さの きこ)

この記事を書いた人

佐野 きこ(さの きこ)

現役保育士。
現在は子どもだけでなく、保育士や保護者など、子どもに関わる人をサポートする仕事がメイン。子どもも保護者も保育士も、みんなが笑顔になれる保育を目指している。
座右の銘は「保育士は、保育のプロである」
保育の専門家として、わかりやすく保育を語れるよう奮闘中。
家庭では、2人の息子のお母さん。

3分でわかる保育知識関連記事
ほいくisメンバーに登録(無料)