3月の3歳児の製作
3月は仲春(ちゅうしゅん)と呼ばれ、朝晩の気温差が激しい中でも3月20日(21日の年も)の春分の日を境にして少しずつ、冬の寒さが和らぎ、春の暖かさが感じられるようになってくる時期です。春の暖かさと同時に、子どもたちの1年の成長もぐっと感じられますね。3月は、ひな祭りや卒園式、お別れ遠足など、節目となるイベントが多く控えている時期でもあります。春の草花や虫、イベントなど子どもたちと楽しみながら、1年間の子どもの成長を実感できる特別な時期ですね。
3月の3歳児の発達
3月頃の3歳の子どもたちの発達には、言葉や運動面、コミュニケーション力など、まだまだ個人差が大きく感じられる時期です。走ったり、ジャンプをしたり体を動かすのが好きな子もいれば、ハサミや粘土など手先を使った遊びが好きな子もいます。トイレトレーニングは、膀胱に尿をためられる子どもも増えてきますが、失敗を繰り返しながら、少しずつ成功するようになってきますので、個々のペースを大切にしながら焦らず見守っていきましょう。
3歳児クラスの3月の製作のねらい
3歳児クラスの2月の製作のねらいとしては、以下のものがあげられるでしょう。- 製作活動を通して3月の日本の伝統行事を知る
- 春の草花や虫に触れることで、季節を楽しみながら、新しい発見や経験を重ねていく
- 安心した環境の中で、先生やお友だちに自分の思いを伝えたり、思いを受け入れたりする経験を少しずつしていく
①おりがみで作るチューリップ
可憐な色とりどりのチューリップは色によって、赤であれば「愛の告白」、黄色であれば「正直」などさまざまな花言葉を持っています。3月の卒園式に向けた在園時からのプレゼントにもおすすめですよ。
用意するもの
- おりがみ(赤・緑)
- セロハンテープ
作り方のポイント
難易度(★★☆☆☆)三角に2回折り、中心を軸にし角を斜め上に向かって、花びらを折り上げます。チューリップの角を少し折り、バランスを整え完成です。葉の部分は、三角に半分に折ってから開き、中心に向かって角を折り目に合わせ折っていきましょう。全体を半分に折り畳み、太い方を3分の1ほど折り上げて完成です。花と葉を貼り合わせチューリップの完成です。
シンプルな折り方のため、手先を使って製作を行う3歳児の子どもにぴったりです。
②はり絵で作る菜の花製作
3月の春のお散歩で菜の花を見つけたことはありませんか?黄色の色が鮮やかで、春の香りがしてきそうな、菜の花畑をはり絵で作っていきましょう。
用意するもの
- おりがみ(みどり・きいろ)
- 画用紙
- のり
作り方のポイント
難易度(★★★☆☆)黄色と緑のおりがみを、子どもたちにちぎってもらい、バラバラにならないように小さめの箱に入れましょう。のりを使って、菜の花を貼って作っていきます。事前に菜の花を下書きしておくと貼りやすいですよ。
子どもが、自分でちぎった大小さまざまな形のおりがみを使うことで、表情の違う、春の菜の花が完成します。製作前に春の草花の絵本を読んであげることで、より季節の草花の知識を深めることができおすすめです。
③トイレットペーパーの芯を使った春のたんぽぽと綿毛
丸くて可愛らしいお花のたんぽぽ。春の虫たちにとって、甘い蜜を出してくれる人気の春の草花です。息を吹きかけると飛んでくふわふわの綿毛も魅力がありますよね。
用意するもの
- 画用紙
- トイレットペーパー
- ハサミ
- 絵の具
- パレット
作り方のポイント
難易度(★★★☆☆)トイレットペーパーの芯の先端一周をハサミで縦にカットしていきましょう。カットした先端を外側に開き、スタンプの形を作ります。パレットに、少し多めに水と絵の具を混ぜて色を作ります。画用紙にポンポンとスタンプをして、綿毛やたんぽぽを作っていきましょう。
絵の具は、キッチンペーパーなどで吸わせながら使うと、適量が付きやすくなります。製作前に、たんぽぽの歌を歌ったり、たんぽぽクイズなどを取り入れてから活動に入ると、たんぽぽへの興味がより深まりそうですね。
④折り紙で作るおひなさま
ちよ紙や和紙の柄の折り紙を準備して作ることで、おびなとめびなが華やかになり、ひな祭りの雰囲気が、とても感じられる作品になります。
用意するもの
- ちよ紙
- 和紙の折り紙
- ペン
作り方のポイント
難易度(★★☆☆☆)3歳の子どもたちに、ぴったりな折り紙製作です。折り紙を、半分に折って開いたら、全体の3分の1を折っていきましょう。縦に向きを変え、さらに3分の1折ったら、表情をペンで描いて、お釈や屏風をのりで貼り付けて、おひなさまの完成です。
折り紙に見立てた画用紙を使って、折り方の見本を見せながら折ることで、子どもたちにも折り方の説明が伝わりやすくなると思います。ひな祭りの、歌や手遊びをしてから、製作活動に入るのがおすすめですよ。
⑤紙皿とポンポンを使ったおひなさま
紙皿は、丸めたり折ったりできる柔軟性が高い素材です。3歳の子どもたちの制作にも大活躍です。素材の形や柔らかさを感じながら、楽しく取り組んでいきましょう。
用意するもの
- 紙皿
- 綿
- カラフルなポンポン
- 画用紙
- 接着剤
- のり
作り方のポイント
難易度(★★★☆☆)紙皿に接着剤を塗って、綿の感触を楽しみながら、紙皿に貼り付けていきましょう。各パーツを、のりを使って、貼り合わせていきます。おひなさまに、ペンを使って目や口など表情を描くことは、自分の顔のパーツを知ることにもつながりますね。ひなあられをイメージしたポンポンを貼って完成です。
事前に各パーツは、切って準備しておくことがおすすめです。製作前に、ひなまつりの由来や意味を、絵本で伝えることで、ひなまつりを深く知るきっかけにもなると思いますよ。
⑥セロハンを使ったリースの形のおひなさま
ステンドグラスのような透明感がポイントの美しい3月のひな祭り製作を作ってみましょう。つるし飾りとして飾ると、光に反射するセロハンの色も楽しむことができますよ。
用意するもの
- セロハン
- 画用紙
- ちよ折り紙
- のり
- カラーペン
- クリアファイル
作り方のポイント
難易度(★★★★☆)指先を使って光沢のあるセロハンの素材を貼り、楽しみながら、のりの使い方を練習していきましょう。セロハンを通して見える色の世界は子どもたちにとって新しい発見がたくさん見つかると思います。セロハンははみ出すくらい貼っても大丈夫です。
顔に表情を描き、折り紙を着物の形に折っていきましょう。完成したパーツを土台に貼りあわせたらひな祭り製作の完成です。製作前にはひな祭りの由来や意味をパネルシアターなどで、伝えてから始めるのがおすすめですよ。
製作を通して3月の行事や草花を知ろう!
3歳の子どもたちにぴったりな、3月の春の息吹を感じられる製作を紹介しました。この時期は手先が器用になり、指先を使ってのりを使ったり、おままごと遊びでは、お鍋から野菜をこぼさず注意しながら混ぜたり、ができるようになってきます。生活の中では、ご飯も自分で食べられるようになり、自分の思いを言葉で伝えられるようになってくるのもこの時期です。
いろいろな経験や遊びを集団生活を通して、たくさんさせてあげましょう。
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