3月の4歳児の製作
年中組として過ごす最後の1カ月、いよいよ来月の4月からは年長組に進級しますね。3月のお別れ会や卒園式では、年中組の子どもたちが中心となり、お別れ会のプレゼントや飾りの準備が進められる園も多いのではないでしょうか。ハサミやのりを使って、できることが増えた4歳児の子どもたちだからこそ取り組める製作を紹介します。環境の変化が多い時期ですので、一人ひとりが、安心できる環境作りを心がけていきましょう。
3月の4歳児の発達
冬の寒さが少しずつ落ちつき、春の暖かさを感じられるようになってくる季節です。つくしやたんぽぽなど、春の草花が顔を出しはじめる3月がやってきました。体も大きく成長し、外遊びでは、鬼ごっこやリレーなどで元気に体を動かして遊ぶ姿がみられます。また、相手の気持ちを感じたり、自分の気持ちを伝えたり友だちとの関わりにも変化がでてくる時期です。子どもたちが安心して生活できるように、環境作りや言葉かけ、家庭との連携を大切にしていきましょう。
4歳児クラスの3月の製作のねらい
4歳児クラスの3月の製作のねらいとしては、以下のものがあげられるでしょう。- 素材から、自分のイメージしたものを自由に形に表現し楽しむ
- 製作などの活動に集中して取り組む
- 個々のペースを大切にしながら、フォークやスプーンからお箸への移行を進めていく
- 相手の思いを感じながら、自分の気持ちを伝える経験をする
- 進級へ向けて自分で身の回りの事ができるようになる
- 春の自然を感じながら、のびのびと体を動かし新しい発見を楽しむ
①花紙とモールの花束
春の卒園式にぴったりな、在園の子どもたちから、感謝の気持ちをこめて作る卒園プレゼント製作を紹介します。似顔絵などと一緒にプレゼントするのもおすすめです。
用意するもの
- 花紙
- モール(緑)
- ラッピング
作り方のポイント
難易度(★★☆☆☆)卒園児さんに感謝の気持ちを伝えたいけど、どんなものが喜んでくれるかな、と悩まれる時期ですよね。こちらの花束は、花紙を3枚から5枚ほど重ね、ジャバラ折りにします。花紙は重ねる色を変える事で、明るいお花の印象になりますよ。
ジャバラ折りにできた子から先生が、ホチキスで花紙を止めましょう。お花の花びらを破らないように、丁寧に一枚ずつ開いて、形を整えて完成です。たんぽぽなどの季節のお花をポイントとして一緒に入れても可愛くなりますよ。
②ちぎり絵と綿棒で作る春の菜の花とつくし
菜の花の花言葉は「小さな幸せ」、つくしには「努力・向上心」という花言葉があります。3月の製作にぴったりな、春の菜の花とつくしを使った製作を紹介します。
用意するもの
- 折り紙
- 画用紙
- 綿棒
- 絵の具
作り方のポイント
難易度(★★☆☆☆)菜の花は、折り紙をハサミで切ったり指先を使ってちぎったりしながら、花びらをイメージして、貼っていきましょう。2種類ほど切って、画用紙に貼ることで、菜の花の鮮やかさが際立ちますよ。春になると土から顔をだし、まっすぐ上に伸びるつくしの製作は、綿棒に絵の具を付けて、模様を自由に描いていくのがポイントです。
活動に入る前に、春の歌やつくしの手遊びをして、春の製作の楽しみを広げて、活動を始めるのも楽しそうですね。
③花紙と折り紙を使ったコサージュ
薄くて柔らかな素材の花紙を使って作るコサージュは、手作りの温かみを感じさせてくれます。コサージュは、卒園式当日にも使えるため、4歳の3月の製作におすすめです。
用意するもの
- 厚紙
- ホチキス
- おりがみ
- 花紙
- 安全ピン
- テープ
作り方のポイント
難易度(★★★☆☆)子どもたちには、折り紙を切って、ジャバラ折りから円形に貼り合わせてもらう作業と花紙を開く作業を製作活動に取り入れるのがおすすめです。厚紙にリボンを付け土台を作る部分は、事前に準備することで、活動がスムーズにすすみます。花紙の色や折り紙の柄を工夫することで、華やかでオリジナルのコサージュが完成します。
年長さんとの思い出を振り返り、楽しみながら作ってみてください。安全ピンは取り扱いに気をつけて、先生の方で管理してください。
④紙皿と花紙でつくるおひなさま
紙皿1枚と、花紙を使ったおひなさま製作は、立体的な形で、飾ることもできるため、4歳の子どもたちにおすすめのおひなさま製作です。
用意するもの
- 紙皿
- 花紙(ピンク3枚、青3枚)
- 画用紙
- カラーペン
- 折り紙
花紙を1枚ずつ開き、花紙を立たせるように作ることで着物にボリュームが出て、ふっくらした、めびなとおびなの着物を作ることができます。
製作のポイント
難易度(★★★☆☆)ピンクと青の花紙をホチキスで止めて、カーブを下書きした花紙を子どもたちに配りましょう。花紙の先端を下書きに沿って、ハサミで切ると着物に丸みが出て柔らかな印象に変わりますよ。顔に表情を描いて、花紙で作った着物を貼り合わせたら完成です。
土台の紙皿は、事前に切り込みを入れたものを配り、色を塗ったり、ちぎった折り紙を貼ったり、子どもたちの感性を大切に作っていくのが、おすすめですよ。製作前には、本物のおひなさまを見たり、お話しを聞いたりしてイメージを膨らませ作っていきましょう。
⑤紙コップを回すと着物の模様が変わるおひなさま
重ねた紙コップをくるくる回すと、めびなと、おびなの着物の模様が変わり、毎日着せ替えできる、かわいいおひなさまを紹介します。
用意するもの
- 紙コップ4個(おびな2個、めびな2個)
- 画用紙
- マスキングテープや丸シール
- 絵の具
- カラーペン
製作のポイント
難易度(★★★☆☆)2個の紙コップに三角を下描きしハサミで切り、赤と青の絵の具で色を付けて乾燥させましょう。残り2個の紙コップに、着物の柄になるようマスキングテープや丸シール、切った折り紙を貼っていくのがポイントです。
完成したら、紙コップをくるくる回転させて、着物の柄の変化を楽しんでください。製作前には、おひなさまのイメージがもてるように、おひなさまの絵本や紙芝居を読んでから製作をはじめるのもおすすめです。
⑥トイレットペーパーの芯で作るかわいいおひなさま
紙皿に貼った花紙がひな祭りらしいやわらかい雰囲気を出してくれます。子どもたちと、めびなとおびなには、どんな柄の着物が似合うかなど話しながら楽しく作れる制作です。
用意するもの
- 紙皿
- トイレットペーパーの芯2個
- 和紙の折り紙2枚(おびなとめびなの着物)
- 画用紙
- 花紙(桃色1枚)
- のり
- リボン
製作のポイント
難易度(★★★★☆)折り紙を、三角に折り、先端を少し折り曲げ、おひなさまの着物を作っていきましょう。トイレットペーパーの芯に、着物を貼り合わせ、扇、えぼしなど各パーツの位置を、ゆっくり説明しながら、貼り合わせていきます。ピンクの花紙をハサミで切り、土台の紙皿に隙間が出ないように貼り合わせていくと見た目が華やかになります。
製作前に紙皿や、トイレットペーパーの芯を使って、どんな製作ができるか自由に想像してアイディアを膨らませていきましょう。
3月の行事や草花に触れた製作を楽しもう
3月の4歳児の子どもたちにおすすめの作品を紹介しました。廃材を使った製作では、4歳の3月だからこそ身近な廃材を、工夫し自由に表現できることの楽しさも知ってほしいと思い取り入れてみました。心も大きく成長し、4月には年長組に進級する子どもたち。「自分でやってみたい。挑戦してみたい。でもできるか不安…」という気持ちを持っている姿を保育の中で見かけることもあると思います。そんな時は、「大丈夫だよ」と声をかけて寄り添い、時には見守ってあげることも大切ですね。
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