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保育者注目の映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』の見どころとは?

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映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』の1シーン
モンテッソーリ教師・ゆかり先生のコラム連載。今回は番外編として、2025年3月28日(金)から公開される映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』の試写レポートをお届けします。保育者の皆さんも注目の本作品。その見どころとは?

モンテッソーリ教育創始者の人生を描いた注目の作品

こんにちは!“モンテッソーリほいくのたね”、ゆかり先生です。いつも、コラム「モンテッソーリ教育のアイデア」をご覧いただき、ありがとうございます。

私とモンテッソーリ教育の出会いは、転職した園が導入していたからという偶然から始まりました。初めてこの教育について学んだ日から、すっかりその魅力にはまり、今では一人でも多くの保育士さんに知って欲しいという思いで、モンテッソーリ教育導入・実践支援を中心に、SNSやオンラインサロンの中でお伝えしています。

さて、今回は映画のご紹介です。
映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』の1シーン
『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』は、モンテッソーリ教育の創始者“マリア・モンテッソーリ”という、一人の女性の人生を描いた映画です。モンテッソーリ教育を学ぶ者としては、ぜひとも見たい映画の一つで、私も日本での公開を心待ちにしていました。

フランス映画らしい情緒的な表現や直接的な訴えかけも多く、普段分かりやすい映画しか見ない私には、若干の難しさも感じつつ、マリア・モンテッソーリが人生の全てをかけてこの教育法を生み出したことを改めて知ることができ、とても感動しました。

彼女の功績は、今や世界中の教育者が知るところではありますが、そこに至るまでの苦悩の時間を知ることができたことは、私にとっても収穫になりました。

もちろん感じ方は人それぞれだとは思いますが、今回はゆかり先生的おすすめポイントを3つご紹介します。

モンテッソーリ教師の視点から【ポイント①】

映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』の1シーン
今、私たちがモンテッソーリ教育を実践する上で大事にしている考え方の全ては、目の前にいる子どもたちと向き合い、その姿や変化から生み出されたもの。映画の中の至る所に、その場面が描かれていました。

モンテッソーリ教育を学ぶ者としては、「それが大事だよね!」と確認できるのもポイントかもしれません。私の好きな言葉に、「子どもが先生」という言葉あります。モンテッソーリ教育が確立されたのは、もちろんマリアの努力と情熱からではありますが、彼女と共に過ごしてくれた多くの子どもたちのおかげであって、私自身も目の前の子どもたちに感謝してお仕事していきたいなと思いました。
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保育者の視点から【ポイント②】

映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』の1シーン
この映画には、間違った子どもの見方が多々出てきます。時代的な背景や異国文化を描いているということもありますが、これを見て気になる方もいると思います。私も何度か「おいっ」と思う場面がありました(笑)。でも、それは私たち保育者が子どもを一人の人格を持った存在として認識し、日々大事に接しているからだと思うんです。自分が子どもという存在に対してどう感じているのかを確認するきっかけにもなるかもしれませんね。

台詞の中に、「優先させるのは教師の意志」という言葉がありました。子ども主体という言葉が当たり前になり、子どもの自主性に任せることが良いことで、無理にさせてはいけないという保育・育児になっている今の日本。でも、時に私たちは、子どもと向き合うことから逃げない強さが必要だと感じました。
映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』の1シーン
子どもと関わるマリア・モンテッソーリと教師たちの姿をぜひ観察してみてください。そして、主人公の一人である9歳のティナの成長を目の当たりにし、適切な環境と大人の関り方がどれだけ大事なのかが分かるでしょう。

女性として、母としての生き方【ポイント③】

映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』の1シーン
この映画は、モンテッソーリメソッドが確立するまでの、マリア・モンテッソーリという一人の女性の人生を描いています。

女性というだけで評価されない時代、子どもを産むこと、育てることにも今の常識が通用しないような時代背景の中で、マリアが強い意志を持って言った「教育に革命を起こすつもり!」という言葉に痺れました。私自身、保育士として新たな働き方を模索している立場であり、このマリアの強さに刺激を受けました。

まとめ

映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』の1シーン
子どもの人生に大きな影響を与える、私たちの保育という仕事。教育に革命を起こすほどのことはできませんが、私たちと関わる子どもたちが、一人でも多く良い人生を送れるように、それを助けられる大人になりたいなと思いました。

皆さんは、この作品を通してどのようなことを感じるでしょうか? おすすめの作品ですので、ぜひ映画館に足を運んでみてくださいね。

作品紹介

映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』の1シーン
子どもの権利のために闘う
それが私の運命


Amazon創業者ジェフ・ベゾス、Google創業者ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、シンガー・ソングライターのテイラー・スウィフト、将棋の藤井聡太などが受けたことでも注目されるモンテッソーリ教育。その生みの親であり、イタリア初の女性医師、そして未婚の母でもあったマリア・モンテッソーリ(1870-1952)。彼女が自らの教育実践の場として1907年「子どもの家」を開設するまでの試練と歩みの7年間を描く。それは、心の自律を信じ、勇気をもって新しい時代を切り開いた、ひとりの女性の宿命の物語。

ストーリー

20世紀初頭のローマで、マリア・モンテッソーリ(ジャスミン・トリンカ)は、ある「成功者」と出会う.。フランスの有名なクルチザンヌ(高級娼婦)であるリリ・ダレンジ(レイラ・ベクティ)だ。リリは娘の学習障がいが明るみに出そうになったとき、自分の名声を守るためにパリから逃亡してきたのだ。マリアはこの時期すでに画期的な新しい教育法の基礎を築いていた。リリはマリアを通して、娘はただの障がいのある女の子ではなく、強い意志と才能を持った人として、ありのままの娘を知るようになる。マリアに共鳴したリリは、男性中心社会の中でもがくマリアの野望の実現に手を貸す。
出演:ジャスミン・トリンカ レイラ・ベクティ ラファエル・ソンヌヴィル=キャビー
ラファエレ・エスポジト ピエトロ・ラグーザ アガト・ボニゼール セバスティアン・プドゥル ラウラ・ボレッリ
ナンシー・ヒューストン

監督・脚本:レア・トドロフ 脚本:カトリーヌ・バイエ 撮影:セバスティアン・ゲプフェール 照明:エティエンヌ・ルシュール 編集:エステル・ロウ 音楽:メル・ボニス プロデユーサー:グレゴワール・デベイリー、カルロ・クレスト・ディナ、ヴァレリア・ジャモンテ、イラリア・マラグッティ、マヌエラ・メリッサーノ

2023年/フランス・イタリア/イタリア語・フランス語/99分/1:1.85/5.1ch/字幕:杉本あり/原題:Maria Montessori (La Nouvelle Femme)/© Geko Films – Tempesta - 2023
配給:オンリー・ハーツ
協力:国際モンテッソーリ協会(AMI)
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
イタリア大使館/イタリア文化会館

2025年3月28日(金)より シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋、UPLINK吉祥寺 他 全国順次ロードショー
映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』のリーフレット
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