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食事中の誤嚥事故防止対策とは?最新の調査研究を解説

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フォークを持って食事をしている園児
乳幼児は口腔機能が発達途上のため、誤嚥を防ぐための対策や見守りが欠かせません。必要な知識を得て、子どもが安全に食事を楽しめる環境を整えていきたいですね。今回は、保育現場用に作成された誤嚥防止の啓発資料について解説します。

調査研究の概要

「ガイドライン」と書かれた積み木
2023年(令和5年)5月16日、愛媛県新居浜市内の認可保育所で、刻みりんごの誤嚥により、当時0歳8カ月の男児が意識不明の重体となる事故がありました。またその他にも教育・保育施設では毎年死亡事故が発生しており、相次ぐ誤嚥窒息事故が問題となっています。

国の方ではもともと2016年(平成28年)3月に「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」 を策定し、この中には食事中の誤嚥についても含まれていました。しかし、引き続き事故が発生している現状を受け、有識者会議ではさらなる対策の必要性について意見が出されました。

そこで、こども家庭庁は、2024年(令和6年)に「教育・保育施設等における食事中の誤嚥事故防止対策に関する調査研究事業」を実施。​​調査研究の実施主体である「MS&ADインターリスク総研株式会社」は、報告書と合わせて教育・保育現場で活用できる啓発資料を作成しました。

この資料では、食材の選び方から保育者の配慮事項、窒息時の対応など、項目ごとに情報が整理されており、イラストを活用した分かりやすい内容となっています。今回は、この啓発資料を実際に見ながら解説していきます。

出典:調査研究報告書/こども家庭庁 >>詳細はこちら
出典:令和6年度 子ども・子育て支援調査研究事業 教育・保育施設等における食事中の誤嚥事故防止対策に関する調査研究事業 報告書/​​MS&ADインターリスク総研株式会社​​ >>詳細はこちら

教育・保育施設における誤嚥事故防止対策

笑顔で食事をしている男の子
まずは、誤嚥事故防止の基本となる啓発資料から見ていきましょう。

誤嚥事故防止のための食材整理表

こども家庭庁の資料「教育・保育施設等における誤嚥防止のための食材整理表」
引用:啓発資料(教育・保育施設等における誤嚥事故防止のための食材整理表等)/こども家庭庁 >>詳細はこちら
資料の1ページ目は誤嚥事故を防ぐための食材整理表で、「使用を避ける食材」や「調理を工夫する食材」を示しています。また、これらの食材を使用する際の留意点や代用食材なども記載されています。

保育園では、口腔機能の発達状況に合わせた形状や大きさの食材を提供することが重要です。誤嚥を防ぐためには、献立作成の段階で乳幼児に適さない食材を避け、咀嚼や嚥下機能を考慮に入れた調理法を考えておくことが大切です。

食事提供のポイント

こども家庭庁の資料「教育・保育施設等における誤嚥防止のための食事提供のポイント」
引用:啓発資料(教育・保育施設等における誤嚥事故防止のための食材整理表等)/こども家庭庁 >>詳細はこちら
資料の2ページ目は、誤嚥事故を防ぐための食事提供のポイントを示しています。保育者が子どもの食事支援や見守りを行う際に、知っておきたい内容が記載されています。

乳幼児は誤嚥の危険性を理解したり、自ら回避したりする力が未熟です。そのため、保育者は誤嚥に繋がるケースに対する認識を深め、事故を防ぐための環境作りをしておくことが重要です。

情報共有のポイント

こども家庭庁の資料「教育・保育施設等における誤嚥防止のための情報共有のポイント」
引用:啓発資料(教育・保育施設等における誤嚥事故防止のための食材整理表等)/こども家庭庁 >>詳細はこちら
資料の3ページ目は、誤嚥事故防止のための情報共有のポイントを示しています。保護者との情報共有における面談の内容や、共有する情報の項目について記載しています。

また、職員間や関係業者との情報共有の方法も段階的に示されています。子どもは日々変化していくため、発達に合った食べ物の提供や食事の支援を行うためには、関係者間で定期的に情報共有を行うことが重要です。

窒息事故発生時の対応フロー

こども家庭庁の資料「教育・保育施設等における窒息事故発生時の対応フロー」
引用:啓発資料(教育・保育施設等における誤嚥事故防止のための食材整理表等)/こども家庭庁 >>詳細はこちら
資料の4ページ目は、窒息事故発生時の対応フローが示されています。子どもが窒息を起こした時には、迅速かつ適切な対応が命を守るため、食事支援を行う職員は必ず把握しておきたい内容です。

窒息の兆候を発見したら、他の職員に119番通報を依頼した上で異物除去法を行います。腹部突き上げ法は1歳以上のみとなっているので、年齢に合わせた異物除去法を確認しておきたいですね。
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おやつや行事食の注意点

おやつを配膳する保育士の手元
ここからは、おやつや行事食の注意点を記載している啓発資料を見ていきましょう。

おやつの選び方の注意点

資料の1ページ目は、おやつの選び方の注意点が示されています。おやつも食事と同様に、食材の選び方や支援の仕方に配慮した上で誤嚥を防ぐことが大切です。
こども家庭庁の資料「おやつの選び方・注意点」
引用:啓発資料(おやつの選び方注意点/行事やイベント食の注意点)/こども家庭庁 >>詳細はこちら
子どもに与えることを避けたい食材や、与える上での注意点は食事と同じです。「おやつは少量だし、子どもが喜んで食べるから」と油断することなく、誤嚥を防ぐための対策と見守りが欠かせません。

行事やイベント食の注意点

資料の2ページ目は、行事やイベントで提供される食事に対する注意点が示されています。節分やお月見、餅つきなどの行事では、乳幼児に適していない食材が伝統的に使用されているため、保育園では誤嚥を防ぐための配慮が必要です。
こども家庭庁の資料「行事やイベント食の注意点」
引用:啓発資料(おやつの選び方注意点/行事やイベント食の注意点)/こども家庭庁 >>詳細はこちら
また、野菜などの栽培を行っている園では、子どもが自己判断で口にする可能性も視野に入れておきましょう。保育園では、乳幼児の特性をよく理解した上で、安全に食育活動を実施していきたいですね。

安全に食事を楽しめる環境を作ろう

保育園では、子ども一人ひとりに応じた食事の対応が重要です。職員間で必要な連携を図りつつ、子どもが安全に食事を楽しめる環境を整えていきたいですね。

食事中の誤嚥事故防止について知りたい方は、参考にしてみてください。

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佐野 きこ(さの きこ)

この記事を書いた人

佐野 きこ(さの きこ)

現役保育士。
現在は子どもだけでなく、保育士や保護者など、子どもに関わる人をサポートする仕事がメイン。子どもも保護者も保育士も、みんなが笑顔になれる保育を目指している。
座右の銘は「保育士は、保育のプロである」
保育の専門家として、わかりやすく保育を語れるよう奮闘中。
家庭では、2人の息子のお母さん。

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