2月の0歳児はどんな時期?
生活リズムが揺れやすい時期
2月の0歳児は、寒さや気温差の影響を受けやすく、生活リズムが揺れやすい時期です。体調を崩すと機嫌にも直結するため、保育者との関わりや安心できる環境が安定の鍵になります。人やおもちゃへの興味が深まり、ハイハイやつかまり立ちで探索範囲が広がる一方、疲れがたまると甘えが強く出ることもあります。今月は、
- 環境や体調の変化に敏感な時期
- 「安心できる大人」を求めやすい時期
- 探索意欲が高まりやすい時期
0歳児におすすめ2月の絵本
①『おにのパンツ』

長谷川義史 絵
フレーベル館 2021年
内容(あらすじ)
ページをめくるごとに、ユーモラスで大きなタッチのイラストが躍動感を持って描かれます。色や形の変化が楽しく、歌を知らなくてもページを追うだけでテンポよく楽しめる構成です。子どもと一緒に歌ったり真似したりしながら、絵本の世界に引き込まれます。2月におすすめの理由
2月は節分で“鬼”が話題になりますが、0歳児は恐怖心が強く出やすい時期です。『おにのパンツ』なら、鬼を怖い存在ではなく、リズムにのせて「おもしろく・親しみやすく」触れられるため、安心して経験できます。また、冬は筋緊張が高まり、体を大きく動かす機会が減りがちです。この絵本は「パンツをはく」「腰を動かす」「ポーズを真似る」といった動きを自然に引き出し、触れ合い遊びや体遊びへ発展しやすい点も魅力です。
読み聞かせのコツ
声は“大きすぎず、リズムを優先に歌のテンポが楽しい絵本ですが、0歳児は急な大声や強い声に驚きやすい時期です。まずは落ち着いた声量でリズムを強調して読んでみてください。慣れてきたら少しテンポを上げると、体が揺れやすくなります。
活動につながるポイント
節分の行事や制作に“優しい導入”になる>鬼の見た目を怖がりやすい0歳児でも、絵本が先の経験になることで、鬼の虎がらパンツ製作・角の飾りなどに違和感なくつなげられます。
②『いろいろいちご』

山岡ひかる 作
くもん出版 2012年
内容(あらすじ)
やさしい色づかいで描かれたいちごの絵が並び、0歳児が見て楽しめるシンプルさがあります。いちごを指差したり、色を一緒に呼んだりして、読み聞かせを通してやりとりを広げられる1冊です。2月におすすめの理由
バレンタインの“赤・ピンク・甘さ”を安心して楽しめるバレンタインは「赤・ピンク・ハート・甘いもの」がテーマになりますが、0歳児にはまだチョコは食べられません。この絵本なら、食べられないものを無理に扱わず、色や形で季節感を共有できます。
読み聞かせのコツ
いちごが“変わる”瞬間を一緒に楽しもう!声に抑揚をつけたり、保育者の表情を大きく変えたりして、「どんなかたちかな?」「あれ、変わった?」と、いちごの変化に気づくきっかけをつくりましょう。
「ぱくっ」の言葉に合わせて食べるジェスチャーをゆっくり見せると、0歳児も“甘い・おいしい”というイメージや食への興味につながります。
活動につながるポイント
バレンタイン製作のヒントにつながるいちごの“赤・丸い・甘い”イメージは、ハート・赤い紙・丸い素材を使った簡単な製作へ発展しやすいテーマです。
シール貼りや指スタンプなど、触れるだけの工程でも成立するため、0歳児でも無理なく「バレンタイン=うれしい・すき」の経験につなげられます。
③『おどります』

高畠純 作
絵本館 2005年
内容(あらすじ)
いろいろな動物たちが、からだをゆらして、ぴょんと跳ねて、「おどります」。くり返しのことばと、シンプルな絵が心地よく、赤ちゃんもいっしょにからだを動かしたくなる絵本です。2月におすすめの理由
進級発表会のヒントにしてみよう2月は進級を見据え、簡単なポーズ模倣やリズム遊びを取り入れたい時期です。『おどります』は、動物の動きをまねるだけで成立するため、0歳児でも「見て→まねる→一緒に動く」という小さな成功体験が積み重なります。
読み聞かせのコツ
声は短く・テンポよく、子どもたちと楽しもう!言葉が短い絵本なので、リズムをつけた読み方が心地よく響きます。声に抑揚をつけたり、一定のテンポで読んだりと、さまざまな楽しみ方を見つけることができます。
また、ページに出てくる動物の動きを、保育者がゆっくり大きく示すことで、0歳児が模倣しやすくなります。まずは視線を引き寄せ、「見る→まねる」の順番で誘いましょう。「できたね!」と受けとめる声かけが、次の模倣意欲を支えます。
絵本から広がる2月の活動アイデア

2月は、節分やバレンタインなどの行事を楽しみながら、進級に向けた活動も少しずつ意識していく時期でもあります。子どもたちといっしょに味わった絵本から、触れ合い遊び・素材遊び・簡単な制作などへ展開しやすく、無理なく季節や成長を感じられる保育につながります。
2月の製作あそび
アイデア①節分:鬼の製作
鬼:鬼の頭に両面テープを貼っておき、子どもたちが花紙で丸めてくっつけるとらの毛皮のパンツ:黒の絵の具とビー玉を準備して、ビー玉コロコロで作っていく。パンツの形は保育士がハサミでカットする
アイデア②いちごの製作
いちごのヘタ:緑色の絵の具で手のひらを塗り、手形を取る。手形をヘタに見立てるいちご:赤色の画用紙をいちご型にカットしておき、大小さまざまなサイズの丸シールを使って作成する
アイデア③バレンタイン製作
『おどります』の絵本に出てくる動物を選びます。白色などの画用紙をハートの形にカットしておく。子どもたちにクレヨンで自由にお絵描きして、その後に、赤色や桃色の絵の具を使って作成していく。(はじき絵)2月のごっこあそび
アイデア①お買い物ごっこ
保育者が店員、子どもたちがお客さんになりきり、いちご・ケーキ・チョコレート・クッキーなどを並べてやり取りを楽しみます。見る・指差す・手を伸ばすだけでも参加でき、「選ぶ・受け取る・渡す」というやり取りの芽生えにつながります。
アイデア②動物になりきって踊る
絵本に登場する動物のお面(形を貼るだけの簡単なもの)を用意し、子どもたちが動物になりきって一緒に踊る時間を楽しみます。まねっこができなくても、お面を触る・かぶる・見て笑うだけで参加でき、体を動かす心地よさや、表現する楽しさへ自然につながります。
アイデア③鬼退治ごっこ
節分にちなんで、「こわい」ではなく「楽しい」鬼との出会いをつくります。保育者が優しい表情の鬼になり、子どもはボールや新聞紙をポイッと転がすだけで参加でも大丈夫です。投げなくても、鬼を見て笑う・近づく・タッチするだけで成功体験になります。「安心して関われる“節分の入り口”」として取り入れられます。
2月の自然あそび

アイデア①『おにのパンツ』×自然遊び
落ち葉の「おにのツノ」を見つけてみよう形や大きさの異なる枯れ葉を拾い、おにのツノに見立てる遊びを楽しみます。拾う・触れる・見比べるだけでも十分で、自然物に触れながら季節の変化を感じる経験につながります。
アイデア②『いろいろいちご』×自然遊び
「赤いもの」を一緒に探してみよう園庭や散歩の中で、看板・車・旗・実など、赤い色を見つけるだけの遊びです。また、園庭に落ちている小石・実・どんぐりなどの丸さに目を向け、自然物を集める楽しさも感じられるでしょう。
アイデア③『おどります』×自然遊び
自分の影と踊る2月は冬の日差しで影がはっきり出る時期です。子ども自身の影が伸びたり揺れたりするのを、一緒に見て揺れたり、いろんなかたちに変化するのを楽しみましょう。
2月のことばあそび
アイデア①『おにのパンツ』×ことばあそび
節分のフレーズ「おにはそと」「ふくはうち」を使って、リズムあそびや声あそびを楽しみます。言葉を区切ってゆっくり言ったり、手拍子をつけてテンポよく言ったり、声の大きさを変えてみたりすると、子どもたちがことばの響きを面白がって参加できます。遊びながら自然と季節の言葉に親しめる活動です。アイデア②『いろいろいちご』×ことばあそび
子ども自身が絵本に手を伸ばして「いちご、あむ!」としてみたり、保育者が「いちご、ちょーだい」と伝えてみると、「どーぞ」と会話のやり取りが生まれます。また、月齢が高い子どもは絵本から派生して、「いちごいくつ?」「いちごちょうだい!」など語感を楽しむことに発展します。
アイデア③『おどります』×ことばあそび
絵本に出てくる動きやリズムをまねしながら、言葉遊びを楽しみます。また、「ふりふり」「ぴょんぴょん」「くねくね」など、響きが楽しい言葉を声に出し、体を使って表現しながら遊びます。2月の生活のねらいにつなげる活動
アイデア①節分の行事を楽しむ
『おにのパンツ』では、歌や言葉あそびを通して節分を明るくとらえ、「鬼=怖いだけの存在」から「楽しさや挑戦心につながる存在」へとイメージを広げます。豆まきや鬼退治ごっこを取り入れることで、季節行事を体験しながら、ことば・身体表現・友だちとの関わりが生まれます。
イデア②バレンタインの行事を楽しむ
『いろいろいちご』では、いちごの色やかたち・味の想像を楽しみながら、いちごの製作や“いちご屋さんごっこ”などを通し、相手を思い、届けたい気持ちをかたちにする経験へと展開できます。季節行事=「覚える」ではなく、感じる・つくる・伝えるの体験型の活動として展開できます。
アイデア③体の使い方を覚え、「できた!」の嬉しさにつなげる
『おどります』では、動物の動きをまねして踊ることで、自然と体を動かしながら表現遊びやリズム感を育てていきます。また、進級や発表の時期に向けて、「人前で動きを表現してみる」気持ちを支える経験にもなります。友だちと一緒に体を動かす楽しさを味わう中で、「できた!」という自信や満足感につながっていきます。
2月の行事・園生活で意識したい視点

そのときは、安心できる関わりや、ゆっくり過ごす時間を増やし、心の揺れを受け止めたい時期です。また、友だちとの遊びが盛んになり、やりとり・主張・模倣が増えることで、トラブルも起こりやすい時期です。それは、社会性が育っているサインとして捉え、保育者が子どもの気持ちも代弁したり、クールダウンできる環境を整えたりすることも効果的です。
2月の行事
室内中心になり、期待と疲れが出やすい時期
寒さで外遊びが減る2月は、発散がうまくいかず、行事のドキドキと合わせて要求が強くなる、泣きが増えるといったゆらぎも見られます。短時間でもゆったり体を動かす時間が安心につながります。また、抱っこやふれあい遊びなどでスキンシップをとり、子どもたちの心の安定につながる行動も必要です。
年齢別で注意したい子どもの姿
気持ちの揺れを受け止め、安心できる場をつくる
節分が近づくと、鬼の話題で盛り上がる一方、「怖い」「イヤだな」という不安が強く出る子どももいます。泣かないことより、不安を表現できたことを大切に受け止めましょう。節分前日は、あえてゆっくりできる活動やスキンシップの時間を設けることで、心が息抜きできる場づくりにつながります。
保育士の関わり方のポイント
着替え・外気浴は「予告を伝えて」安心をつくる
まだ見通しが持てない0歳児は、急な移動・着替え・気温差で泣きが増えます。保育者は子どもに対して「いま脱ぐよ」「手が出るよ」「抱っこするね」と短い言葉でプロセスを伝える習慣が、情緒の安定に役立ちます。保護者支援につながる視点
体調管理に気を付けよう
朝の冷え込みで動きがゆっくりになり、登園が遅れがちな時期です。「ゆっくりで大丈夫です」「焦らなくていいですよ」と、時間より安心を優先できる声かけが保護者の負担を和らげます。また、体温調節が未熟な0歳児は、咳・鼻水が出やすい頃でもあるため、体調の変化やお迎えの希望ラインを保護者と共有しながら子どもを安全にお預かりしましょう。
2月の0歳児の育ちのチェックリスト
2月は寒さが続き、室内で過ごす時間が多くなる時期です。暖かい環境でゆったり過ごしながら、保育者の声掛けや手遊び、絵本を通して子どもが保育者と目を合わせたり、笑顔を返してくれる姿が見られるか確かめていきましょう。また、はいはいや伝い歩きなど動きが活発になる子どももいれば、寝返りやお座りをじっくり進めている子どももいます。それぞれの段階を受け止め、床の素材や玩具の配置を工夫し、「自分でやってみる」姿が見られるかを観察しましょう。
おもちゃを片手からもう片方へ渡そうとする動きや、口へ運んで確かめる様子、保育者の名前を呼ぶと振り向くかなど、興味や反応の広がりも大切な視点です。
2月によく見られる姿
- 友だちとの関わりがふえ、トラブルが起きる
- 興味のあるものへ手を伸ばす、口に入れて確かめる
- 眠い・寒いなどの不快感が泣きで表れ、抱っこで安心を求める
- 食事の進み方にムラが出やすい
発達が進んでいるサイン
- 手を伸ばす・触る・なめるなど、素材に向かう動きが見られる
- 「欲しい・いや」など、意思が泣き声の変化や体の動きで示せる
- 一人遊び→大人の顔を見る→再開、と安心の往復ができる
- 模倣が増え、保育者の動き(拍手・バイバイなど)を真似しようとする
気になる時の関わり
- 体調トラブル(鼻水・咳)が増えた時は、無理せず短時間で遊びを切り上げ、抱っこで安心を優先する
- 友だちとの関わりがうまくいかず玩具を奪う・泣く場合は、手を添えて代弁し、物のやり取りをゆっくり支える
- 寒さで外遊びが難しい日は、室内で体を温める小さな運動(ハイハイ競争・ボール転がし)に切り替える
クラス運営のヒント
- 体調管理を最優先にし、鼻水・咳・発熱が増える時期は、保護者へ“登園判断”や“服装の工夫”について園と家庭で情報共有できる仕組みをつくる
- ハイハイ、つかまり立ち、伝い歩きなど発達の段階ごとに、遊具配置を変えて探索が安全にできるようにする
- 外気浴・散歩は天候で柔軟に判断し、短時間で切り上げる選択肢を常に持つ
- 節分行事は「音・仮装・雰囲気」に敏感な子どものため、静かなスペースを確保する
- 年度末に向けて、児の写真・記録・発達の見立てを整理し、保護者面談にむけた準備を進める
行事やイベントのつながりを意識した絵本選びをしよう
節分・バレンタイン・進級準備など、2月の園の流れをふまえて絵本を選ぶと、活動との連動がスムーズになります。リズム・表現・模倣が盛り上がる絵本は、発表会・進級にむけたチャレンジ経験につながり、絵本から自然遊び・制作・ごっこ遊びへ展開すると、行事が「体験」として残りやすいです。
活動への橋渡しができる絵本は、保護者にも紹介しやすく、家庭の遊びにもつながります。ご紹介した本を参考に、ぜひ保育にたくさん絵本を取り入れてみてくださいね。
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