4月の1歳児はどんな時期?
新しい環境に慣れながら、安心できる関係を求める時期
4月の1歳児は、クラスや保育者、生活の流れなど周囲の環境が大きく変わる時期です。新しい場所や人に戸惑い、不安で泣いたり、甘えが強く出たりする姿も見られます。一方で、安心できる関わりの中では、好きな遊びをくり返し楽しめるようになっていきます。今月は、
- 新しい環境に少しずつ慣れていく時期
- 安心できる大人との関係を築いていく時期
- 好きな遊びを通して気持ちが安定していく時期
1歳児におすすめ4月の絵本
①『いいおへんじできるかな』

作:きむらゆういち
偕成社 1992年
内容(あらすじ)
動物たちが名前を呼ばれると、元気よくお返事します。ゆうちゃんも上手にお返事できるかな?4月におすすめの理由
名前を呼ばれたらお返事する、というのが自然と理解できます。絵本の世界観の延長で名前を呼ばれたりお返事をしたりすることで、新しい担任や友だちにも少しずつ親しみをもてるようになるでしょう。読み聞かせのコツ
登場人物になりきって楽しそうにお返事してみましょう。読み聞かせの後の名前呼びでは、声が出なくても、うなずく・手を動かすなどの反応を丁寧に受け止めてあげてくださいね。活動につながるポイント
- 朝の会での名前呼びにつなげる
②『はるかぜさんぽ』

作:えがしらみちこ
講談社 2017年
内容(あらすじ)
お気に入りの服と靴を用意して散歩に出発すると、桜やたんぽぽ、ダンゴムシなど春の動植物に出会います。ちょんちょん、ひらひら、くるくるるん。一緒に遊んで自然と触れ合いながらお散歩を楽しみます。4月におすすめの理由
春といえば…で連想される花や虫が出てきて、自分たちも知ってる!見つけたい!と意欲へつなげやすい絵本です。読み聞かせのコツ
綺麗で春らしい色合いの絵をたっぷり見せてイメージをふくらませましょう。一つひとつの場面で絵を見せながらじっくりとやり取りして楽しんでみてください。活動につながるポイント
- 園庭や散歩に出かけるきっかけ作りに
- 同じ花や虫を見つけて遊ぶ
③『いちご』

作:平山和子
福音館書店 1989年
内容(あらすじ)
赤く実ったいちごが、花から実になるまでの様子を、やさしく丁寧な絵で描いた絵本です。4月におすすめの理由
春に身近ないちごを題材にした絵本は、季節を感じながら楽しめます。写真のような絵にじっくり見入ることで、落ち着いて過ごす時間をつくれます。読み聞かせのコツ
「さあ どうぞ」に合わせていちごを摘む真似をしたり、器に盛られたいちごを子どもたちの口元へ運んであげると食べる仕草をしたりして楽しめます。「おいしい?」「甘い?」などのやり取りもできますよ。活動につながるポイント
- いちごの製作(種のシール貼り・指スタンプ、紙を丸める)
- 食べるまねをきっかけに、ごっこあそびへつなげる
- 言葉でのやり取りを楽しむ「ぱっくん」「おいしいね」「ごちそうさま」など
④『だるまさんが』

作:かがくいひろし
ブロンズ新社 2008年
内容(あらすじ)
だるまさんが、ページをめくるたびに「どてっ」「びろーん」など、さまざまな動きを見せます。3月におすすめの理由
くり返しの言葉と分かりやすい展開で、だるまさんの動きに自然と引き込まれていきます。新しい環境に慣れていく4月は、なじみのあるお話を一緒に楽しむ経験が園生活への安心感につながりますよ。読み聞かせのコツ
読みながら一緒に体を揺らしたり、ポーズをとったりして楽しみましょう。保育者や友だちと同じ動きを共有する楽しい空気感を大切にしてくださいね。活動につながるポイント
- まねっこあそび
- 手遊びや体操の代わりに「だるまさんが~」と始めても◎
⑤『がたん ごとん がたん ごとん』

作:安西水丸
福音館書店 1987年
内容(あらすじ)
汽車が走っていると、コップとスプーン、哺乳瓶、りんごとバナナが次々と「のせてくださーい」とやってきます。終点に着いたらみんなで食事を楽しみますよ。4月におすすめの理由
どれも身近でなじみのある物が出てきて、繰り返しの言い回しが新しいクラスに不安を持つ子も安心して見れます。シンプルな内容なので、アレンジをしながら読み聞かせができます。読み聞かせのコツ
「今度は誰かな?」と子どもたちの言葉を引き出しましょう。「のせてくださーい」の後に「いいよ」や「ありがとう」などを足して読むことで、言葉のやり取りを知らせられます。活動につながるポイント
- 遊びの中で「○○してくださーい」「いいよ」のやり取りのきっかけづくり
- 電車ごっこ
- 食事の導入に
絵本から広がる4月の活動アイデア

4月の製作あそび
- 春の花製作(なぐり描き、スタンプなど)
- ちょうちょ、てんとう虫(シール貼り、手形・指スタンプなど)
- いちご製作(丸める、指スタンプなど)
4月のごっこあそび
- いちごを使ったごっこ遊び(いちご狩りごっこ、ままごとや食べるまねなど)
- だるまさんごっこ(だるまさんシリーズの動きを真似て遊ぶ)
- 電車ごっこ
4月の自然あそび
- 戸外遊びで、暖かい日ざしを感じながら遊ぶ
- だんごむし・ちょうちょなど虫探し
- 桜の花びら集め、たんぽぽつみ
4月の言葉あそび
- 名前よび・お返事
- 簡単なあいさつを動作を添えながら言ってみよう
- 自分の気持ちを言ってみよう「かして」「いいよ」「あとで」など
4月の生活のねらいにつなげる活動
- 新しいクラスの生活リズムに慣れる
- スプーンを使って食事を楽しむ
- ズボンの着脱をしようとする
4月の行事・園生活で意識したい視点

4月の行事(季節イベント)
春の始まりを感じる行事に親しむ
入園・進級を迎え、園生活のスタートとなる4月。春らしい歌や製作、散歩などを通して、季節の雰囲気を感じられるようにしましょう。無理に活動を広げず、安心できる範囲で関われることが大切です。
年齢別で注意したい子どもの姿
環境の変化に不安が出やすい時期
新しい場所や人に慣れず、泣いたり甘えが強く出たりする姿が見られます。一方で、安心できる大人との関わりの中では、好きな遊びをくり返し楽しみ、少しずつ落ち着いて過ごせるようになります。保育士の関わりのポイント
安心できる関係づくりを大切に
一人ひとりの気持ちを受け止め、決まった保育者が丁寧に関わることで安心感につながります。生活の流れをゆったりと伝え、「ここは安心できる場所」と感じられるよう関わっていきましょう。保護者支援につながる視点
新生活への不安を共有する
家庭でも不安や疲れが出やすい時期です。園での様子をこまめに伝え、少しずつ慣れている姿を共有することで、保護者の安心にもつながります。4月の1歳児の育ちのチェックリスト
4月は環境の変化が大きく、不安や戸惑いを感じやすい時期です。泣いたり甘えたりする姿が増える一方で、安心できる関わりの中では少しずつ落ち着いて過ごせるようになります。新年度にみられやすい育ちの様子を整理してみましょう。4月によく見られる姿
- 新しいクラスや保育者に戸惑い、泣いたり甘えが強く出たりする
- 安心できる大人のそばで、好きな遊びをくり返し楽しもうとする
- 生活の流れが分からず、不安定になりやすい
発達が進んでいるサイン
- 特定の保育者を求め、安心できる相手を見つけようとする
- 気になる遊びや物に自分から手を伸ばす姿が見られる
- 簡単な言葉やしぐさで思いを伝えようとする
1歳児の気になるときの関わり
- 泣いて離れられない→ 無理に切り替えさせず、安心できる関わりを優先する
- 新しい遊びや環境を嫌がる→ これまで好きだった遊びを取り入れ、少しずつ広げていく
- 甘えが強くなる→ 応答的に関わり、「受け止めてもらえた」経験を重ねる
クラス運営のヒント
- 一日の流れをできるだけ一定にし、安心できる環境を整える
- 子ども一人ひとりの「落ち着く関わり」を職員間で共有する
- 比較せず、その子なりのペースを大切にする雰囲気をつくる
行事やイベントのつながりを意識した絵本選びをしよう
4月の1歳児は、新しい環境に戸惑いながら、安心できる関わりを求める時期です。 好きな遊びや繰り返し楽しめる絵本を通して、気持ちを落ち着かせ、「ここは安心できる場所」という感覚を育てていきましょう。絵本が毎日の生活に寄り添う存在になります。□■この記事を読んだあなたにおすすめ■□












