MENU

お泊まり保育とは?ねらい・保育士の準備・おすすめレク・注意点

1
3人の女の子が寝ているところ
6月頃から各園で行われる行事のひとつがお泊まり保育。子どもたちを一晩預かるいつもとは異なる行事なので、どんな準備をしたら良いかドキドキする保育士さんもいると思います。今回は、お泊まり保育の流れや準備すること、レクリエーションの内容、注意点などをご紹介します。

お泊まり保育のねらい

歯磨きをする子どもたち
保育園や施設に子どもたちと一緒に宿泊する一大行事「お泊まり保育」。年長クラスで行われることが多く、子どもたちにとっても保護者にとっても、そして保育士の皆さんにとってもドキドキワクワクが詰まった行事のひとつです。まずは、そのねらいを考えていきましょう。
  • 行事を通して他児や保育者との親睦を深める
  • 他児と協力して物事に取り組み、協調性を育む
  • 保護者のもとを離れて過ごすことで自立した生活を送り、自信をつける。
  • 規則正しい生活を習慣づける。
行事そのものだけでなく、その中で行われるレクリエーションなどを通してもさまざまなねらいが考えられます。

1日の流れ

壁に立てかけられた時計
お泊まり保育の流れは園ごとに異なるため、自分が勤務している園のスケジュールを確認しましょう。今回は一例として園内に宿泊する際の流れをご紹介します。

1日目

15:00  登園
15:30~ 活動
17:00~ 夕食
19:00~ 入浴
20:00~ 活動
21:00  就寝

1日目は午後から登園し、活動が始める園が多いようです。それに合わせて担当の保育士も出勤することになります。近隣の銭湯に出向いて入浴したり、子どもたちと一緒にカレー作りを楽しんだりと楽しみが詰まった1日です。

2日目

6:00  起床
6:30~ 体操
7:00~ 朝食
8:00~ 朝の活動
9:00~ 解散式
9:30  解散、降園

2日目は朝に解散になるため、土曜日にあてている園も多いようです。楽しみだけでなく、緊張や不安などさまざまな感情を抱えながら頑張った子どもたちを笑顔で見送りたいですね。
article_19

お泊まり保育の準備

お泊まり保育は子どもたちが1泊2日で保育園などに宿泊するので、いつも以上にしっかりとした準備が必要です。

計画を立てる

お泊まり保育をするクラス担任だけでなく、保育をサポートする職員や保健師、栄養士など、園全体で役割分担を決めて計画を立てていきましょう。
 
【主な計画】
  • お泊まり保育のねらいと活動内容
  • 当日までのスケジュール
  • 保護者への連絡
  • 緊急時の連絡先
  • 各職員の役割 など
大きな行事ですので、なるべく早めに計画していくことが大切です。

保護者への連絡・相談

お泊まり保育は保護者にとってもドキドキの行事です。日時や活動内容、持ち物などのお知らせを保護者になるべく早めに伝えて、見通しを持ってもらいましょう。
  • 親から離れて1人で寝られるのか?
  • 夜泣きなどしないか?
  • おねしょは大丈夫か?
保護者はいろいろな不安を抱えているので個別にしっかりと聞き取り、子どもたちに適切なサポートができるようにしたいですね。

子どもたちの心の準備

お泊まり保育は楽しいことですが、保護者から離れて宿泊するのは初めてな子も多いので、子どもたちはドキドキした気持ちを抱えています。

子どもたちの不安な気持ちに寄り添ったり、お泊まり保育ではどんな楽しいことがあるかを伝えるなどして、子どもたちの「ドキドキ」より「ワクワクする気持ち」を大きくさせたいですね!

おすすめのレクリエーション

園内でのお泊まり保育では、夕方や夜の活動時間にゲームなどのレクリエーションタイムを用意することが多いと思います。そこで、子どもたちがみんなで楽しめるアイデアをご紹介します。

宝探し

宝探しゲームのイメージ
園内を使った大がかりな宝探しゲームです。さまざまな場所にお宝を隠し、子どもたちに探してもらいましょう。普段なかなかする機会のない園全体を使った遊びなので、子どもたちもお泊まり保育ならではの特別感にワクワクします。
お友だちと協力することで、協調性や団結力も高まりそうですね。一斉に探し始めるのではなく、グループごとに探す場所を決めておくなどしてみんなが見つける楽しみを感じられる工夫をしておきましょう。

スタンプラリー

各場所でクイズやゲームをして、クリア出来たらスタンプを押してもらえるスタンプラリーもおすすめです。全部クリアできたら、プレゼントやメダルを用意しておくのも良いですね。

ここでもみんなで一緒に考えたり、力を合わせて何かをやり遂げることを体験することができます。

花火

夏の風物詩といえば花火。せっかくなので季節を感じられる遊びを取り入れてみるのも良いでしょう。お友だちや先生と一緒にする花火はきっと子どもたちの思い出に残ります。

火を取り扱うので、事前に注意事項をしっかりと話しておきましょう。また終わった後の始末にも注意して、安全に楽しんでくださいね。

お買い物体験

買い物で小銭を払う子ども
実際にお店に出向いてお買い物体験をしてみてはいかがでしょうか。いくつかのグループに分け、夕飯に必要なものを買い出しに行くのも良いですね。自分でお金を持ってお店に行き、そのお金で何かを購入するという体験は子どもたちの自信に繋がりますよ。

料理

夕飯は調理スタッフさんのおいしいご飯も良いですが、余裕があれば子どもたちと一緒に作ってみるのも良いかもしれません。一から全てやっていると時間がかかってしまうので、子どもたちに任せるところを決めておき、ある程度準備をしておきましょう。

お米の研ぎ方や包丁の使い方だけでなく、手洗いや器具の除菌などの衛生面にもしっかりと気をつけて取り組んでくださいね。

お泊まり保育の6つの注意点

「!」と書かれた吹き出し
お泊まり保育を実施するにあたって注意しておきたいことをまとめました。

①子どものケガ

お泊まり保育はいつもと環境が異なるので、子どもたちは楽しい気持ちが大きくなり興奮しやすい状態です。気持ちが抑えられなくて、部屋の中を走ったり友だちとふざけたりして、転倒や衝突、ケンカなどでケガをしやすくなります。

気持ちが落ち着くような活動をしたり、子どもたちに「部屋の中では歩こうね」などと事前に声かけをするなどして、ケガをしないような環境を整えていきましょう。

②アレルギー対応

お泊まり保育の食事のアレルギー対応も確認が必要ですが、特に注意すべきなのは配膳。配膳ミスによる誤食は「いつもと異なる環境」で起こりやすいからです。

保護者とアレルギー対応について事前に確認するだけでなく、食事に関わる職員で当日のアレルギー対応の流れをシュミレーションしておくことが大切です。

③持ち物への記名

お泊まり保育ではパジャマや歯ブラシなど、普段使わないような物も家から子どもたちが持ってきます。

記名が無いと誰の物かすぐにわからなくなってしまうので、持ち物には名前を必ず書くことを保護者に知らせましょう。

④歯ブラシの危険性を把握する

歯磨きをしている間に走り回ったりふざけていると、歯ブラシが喉に刺さるなど危険なことにつながりかねません。

お泊まり保育は普段とは異なる状況ですので、子どもたちも気持ちが盛り上がってふざけてしまうこともあります。歯磨き中はふざけないことを事前に伝え、保育士がしっかりと見守ることが大切です。

⑤お風呂の入り方を確認

銭湯などの施設を利用してお風呂に入る場合は、入浴時間の保育士の動きをしっかり考えておきましょう。園によって一緒にお風呂に入るところ、Tシャツなどを着て付き添いをするところなどさまざまです。複数人の子どもがいるので、事故やケガがないよう目が行き届く体制にしておきましょう。

また、中には銭湯の営業時間内に行くこともあります。そのときは他にお客さんがいるかもしれないことを子どもたちに事前に説明し、公共の場でのマナーを一緒に考えておきましょう。

⑥持病は医師とも連携を

普段とは違う雰囲気に緊張や興奮をして、持病の症状が出る可能性があります。服薬などをしている子どもの対応は、事前に保護者だけでなく医師とも連携を取っておくと安心です。緊急時の対応や連絡先などは参加する職員全員が把握するようにしておきましょう。

園生活の思い出に

お泊まり保育は年長クラスで行うことが多く、園生活最後の1年の行事のひとつですよね。協調性や自立心などさまざまな面を育てながら、素敵な思い出になるように工夫してみてくださいね。

【関連記事】
ほいくis会員登録はこちらから
article_10
ほいくis(ほいくいず)編集部

この記事を書いた人

ほいくis(ほいくいず)編集部

保育・幼児教育のプロフェッショナルで構成された編集部のライティングチームが、質の高い保育を日々提供していくために必要な知識・ノウハウを発信。専門知識から保育ネタ、保育士試験関連情報、保育学生さん向けの情報まで、あらゆる分野を網羅していきます。

<公式Instagram>
https://www.instagram.com/hoiku_is/

<公式YouTubeチャンネル>
https://youtube.com/@hoiku-is

行事ネタ・知識関連記事
ほいくisメンバーに登録(無料)