加配保育士とは
加配保育士とは、障がいを持っていたり発達に遅れが見られることから支援を必要とする子どもの援助を行う保育士のこと。各自治体で基準やルールは異なりますが、通常の保育士の配置基準にプラスで配置されるためよりじっくりと特定の子どもと向き合い、支援をしていくことができます。特別な資格は必要ないため、保育士として勤務している人であれば加配保育士として働くことになる可能性は誰にでもあると言えます。
加配保育士の仕事内容
加配保育士は、どのような役割を担っているのでしょうか。園での仕事内容を見ていきましょう。子どもの生活支援・見守り
担当している子どもの生活支援が主な役割になるでしょう。例えば身体障がい児の場合は、排せつや食事、着替えなど、子どもにとって必要な場面で支援をしていきます。また、自閉症やADHD(注意欠陥・多動性障害)の子どもに対しては、子どもの気持ちを汲み取って声かけをしたり、他児とのコミュニケーションの架け橋になることもあります。落ち着きがない、どこかへ行ってしまうなどの様子が見られる場合には、加配保育士が必要とされるケースも多いようです。
集団での活動が難しい場合は、そばで見守りながらその子に合ったペースで活動を進めていくサポートをすることが大切です。
療育機関との連携
保育園とは別に、療育機関に通っている子もいます。そのときは、療育機関のスタッフとの連携も大切な役割のひとつ。保育園での様子、施設での様子を共有したり、子どもの発達状況を知る機会になります。個別カリキュラム作成
0歳~2歳児の指導案の中には、個別カリキュラムも含まれますよね。これと同様、障がいなどにより支援が必要な子どもにも個別カリキュラムは必須です。その子に合ったねらいや内容を立てて、適切なペースで活動を進めていけるようにしましょう。保護者との連携
保護者の中には、不安を抱えている方も少なくありません。そんな保護者の気持ちを汲み取り寄り添い、支えていくのも重要な役割です。コミュニケーションを密に取り、一緒に見守っていきましょう。加配保育士が悩むこと
加配保育士は、特定の子どもと深く関わりを持つからこそ悩むこともあります。- 子どもの気持ちが安定しないとき、叩かれたりすることがある
- 子どもが癇癪を起こすことがある
- 信頼関係ができるまで関わりを拒絶されることがある
- 対応に悩み、気持ちが疲れてしまう
このようなときの対応に悩み、気持ちが疲れてしまうというのは加配保育士によく見られる悩みのようです。
悩むのは、子どもとまっすぐに向き合っている証拠。「この子は自分が担当しているのだから」と気負いすぎず、悩んだときは先輩や同僚などに相談するようにしましょう。また、以前その子についていた先生や加配を経験したことがある先生がいるときは、どうしていたのかアドバイスをもらうのもいいでしょう。
ひとりで抱え込まず、園全体で子どもの成長を見守っていくことが大切です。
必要なスキルとは
加配保育士には、どのようなスキルが必要なのでしょうか。障がいの知識
担当する子どもが持つ障がいについての知識は必須です。どのような症状が見られるのかや、どのようなときに支援が必要なのかなど基本的な情報は頭に入れておきましょう。また本やインターネット上に書かれた知識が全てではなく、子どもによってその症状もさまざまです。目の前の子どもの様子を見ながら、その子の特徴をしっかり見極める力が求められます。
子どもに向き合う気持ち
特定の子どもと接する時間が長くなるため、相手の気持ちに向き合い受け止めることが必要です。今何を求めているのか、何に困っているのかなど、子どもの様子から汲み取っていかなくてはなりません。時間がかかるかもしれませんが、焦らずゆっくりと向き合っていきましょう。落ち着いた対応
子どもが困っているときや気持ちが高ぶっているとき、走りだしたり泣き出す子もいるかもしれません。そのようなとき、保育士は子どもの気持ちに寄り添い落ち着かせることが必要です。自分自身が冷静に対応をしなくてはいけないので、どのような場面でも状況判断をして落ち着いた対応ができることも重要です。子どもの一番の理解者に
加配保育士は、サポートしている子どもの「一番の理解者」ともいえる存在になっていきます。信頼関係を築きながら、子どもが安心して過ごせる環境を整えていけると良いですね。【関連記事】