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子どもがパニックを起こした時の対応はどうする?【保育者の関わり講座】

パニックを起こしている子どものイラスト
言語聴覚士として長年児童発達支援に携わってきた原 哲也さんのコラムです。保育士であれば知っておきたい「気になる子」への関わり方について解説していきます。今回のテーマは、パニックを起こした子どもへの対応についてです。
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今回のケースは「パニック」

今月は、加配保育士のお困りごとアンケートから「子どもが一度パニックになると、そこからなかなか平常に戻れない」ケースを取り上げます。

パニックとは、混乱や不安などによって起こる「泣く、叫ぶ、暴れる」などの行動を言います。どこかへ行ってしまう、固まってしまうなどの形であることもあります。
               
パニックを起こしている子どものイラスト
パニックは、心身ともに子どもを消耗させます。また、パニックのときは脳が危機モードになるので、新しいことや人に興味関心が向きにくくなります。

パニックは、子どもの発達を妨げるのです。

また、パニックが重なると、周りから「うるさい子」「暴力をふるう子」と思われてしまい、他児や周囲との関係が損われる可能性もあります。

ですから、パニックを起こさせないようにする、起きてしまったパニックに適切に対応する、ことはとても大事なのです。

子どもがパニックを起こしたら?

まずパニックについては、
  1. なぜパニックになるか、原因を明らかにする
  2. 原因に応じて対策を考え、パニックを起こさせないようにする
  3. それでもパニックになった時はどう対応するか考えておくようにします。

今回は、「1 パニックの原因」について、具体例とともにみていくことにします。

パニックの原因とは?

パニックの原因には、主に5つがあります。
  1. 状況事象の影響
  2. 感覚過敏
  3. こだわり
  4. 予定の変更、予測がつかない状態
  5. 複数作業、過負担

パニックの原因1、状況事象の影響 

<千春ちゃんのケース>
千春ちゃんは、最近は「おもちゃを貸してあげる」ことができるようになってきました。しかし、ここ数日は、おもちゃを目がけて他の子が近づいてきただけで、大声で泣き出します。
そのことを保護者に伝えると、ここ数日、近くの道路の夜間工事の音が気になって、眠れていないとのことでした。
「状況事象」とは、「困った行動」に影響を及ぼす要因のことでした。

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原 哲也(はら てつや)

この記事を書いた人

原 哲也(はら てつや)

言語聴覚士・社会福祉士 一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN代表理事。児童発達支援事業所「WAKUWAKUすたじお」代表。1966年生まれ、千葉県出身。大学卒業後にカナダの障害者グループホーム勤務、東京の障害者施設職員勤務を経て、29歳から小児障害児リハビリテーション専門職として、長野県の病院や市区町で発達相談や障害児の巡回相談業務に携わる。『発達障害児の家族を幸せにする』を志に、全国を駆け回り、乳幼児期から青年期までの発達障害児と家族の応援をおこなっている
<WAKUWAKUすたじおHP>
http://www.waku-project.com/

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