普段どんな保育活動をしていますか?
いつも保育園やこども園へ伺うと、先生方が工夫を凝らした保育活動を一生懸命に子どもたちへ提供している姿を見かけることが多くあります。しかし、先生方が工夫を凝らせば凝らすほど複雑な活動になり、子どもたちに伝わりにくかったり、当初計画の時に想定していたような子どもたちの姿は見られなかったり…。 思うようにいかないことも多いようです。
保育者の計画と子どもの反応のギャップ
計画をしている段階では、子どもたちが喜んでくれるかな…楽しんでくれるかな…と、子どもたちの顔を思い浮かべながら計画を立て、準備をしていることでしょう。でも、複雑な活動になるほど、子どもたちの食いつきが悪く、集中させることに一苦労。 「これは、こうやって」
「ここは、ああやって…」
そんな風に一生懸命“楽しみ方”を説明し、話が長くなってしまい、ますます子どもは飽きてしまう。
挙げ句の果てに「いつになったらあそんでいいの?」と聞かれてしまう始末。 こんな経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか?
私自身も一生懸命に用意した活動が子どもたちには響かずに、
「こんなはずじゃなかったのにな〜」
という経験をたくさんしてきました。保育者が手をかければかけるほど、子どもが面白いと思うものとはかけ離れてしまうような気がしています。
「自然の中での保育」で見つけたこと
自然の中で保育をしていると、子どもたちが夢中になることは、とても‟シンプルなもの”であることが多くあります。- いも虫や蝶などの生き物を捕まえること
- 色とりどりの葉っぱや花びらを拾い集めること
- どんぐりを集めたり、転がしたり、穴に落としたりすること
- 坂を駆け上がり、駆け降りる
- 土手をよじ登り、滑り降りる
- 大きな枯れ木を転がす、運ぶ
シンプルな素材がもたらす可能性
シンプルな素材は、子どものアイデア次第でいろいろな遊びへと変化していく可能性の塊なのです。子どもの中で‟イメージ”があれば、アイデアが湧いてきます。試行錯誤することで‟クリエイティブ”な力が発揮されていきます。
こうしたクリエイティブな遊びこそ、子どもを夢中にさせるものです。 このような活動は、自然の中だけで行われる訳ではありません。
子どもの力で変化が加えられる素材であれば、子ども一人ひとりがイメージを持って、遊びを作り出すことができます。
例えば、
- ダンボール、包装紙、梱包材として入っている紙や新聞紙などの紙類
- 木の板や角材、コルク、木の枝など
- 小石、松ぼっくり、どんぐりなどの自然素材
- 同じ形状の単純な積み木
- 絵の具や粘土など
大人のイメージや固定概念の枠から子どもたちの遊びをはみ出させることで、「子どもって面白いな〜」と感じることが増えることと思います。
「子どもはみな生まれながらにしてアーティスト。問題は大人になりながらも、アーティストのままでいられるかどうかだ」
これは、ピカソの言葉だそうです。
子どもたちがアーティストでいられるような保育を心がけることで、よりユニークで面白い保育になり、子どもたちが眼を輝かせて楽しむ保育活動となるのではないでしょうか。
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