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連絡帳の内容を充実させるには?【保育のヒント】

連絡帳を書く保育士
元保育士養成校講師&保育者の“あさこせんせい”による「保育のヒント」コラム。第2回は、保護者とのコミュニケーションツールとして欠かせない連絡帳がテーマ。どんなヒントを教えてくれるのでしょうか。

連絡帳の目的を確認

皆さんこんにちは。お元気ですか? 私が現在取り組んでいるホーチミンでの子育て支援活動でお子さんをお預かりする機会があります。その際は、保護者に文章・写真・動画で様子をフィードバックしていますが、「記入する内容にマニュアルはない。だからこそ面白い!」と改めて感じています。

またフィードバックをきっかけに育児相談に繋がる事も多く、連絡帳の大切さも実感しています。そこで今回は、連絡帳の内容を充実させるためのヒントをお伝えしますね。

まずは、連絡帳の目的について確認してみましょう。

“子育ての仲間”としての絆を深める

“仲間”とは誰のことか分かりますか? 子どもの成長を誰よりも願うパパ・ママのことですよ〜! 正確には先生(保育者)と保護者という関係性ですね。立場は違っても、子どもを大切に思う気持ちは同じ。連絡帳を通して、子どもに愛情を注ぐ子育ての仲間として、関係性を深めましょう。

より良い関係性が築かれることで、より丁寧な保育をすることが出来て、子どもたちの健やかな成長へと繋がります。

会話をする感覚で心を通わせる

忙しい日々の中で、「連絡帳を記入すること」そのものが仕事になっていませんか? 義務的な文章からでは、あなたの人柄や想いは伝わりません。

「記入する」ではなく、「会話をする」意識を持ってみましょう。実際に連絡帳をきっかけにして、育児相談などの会話に繋がる事もありますよね。日々やりとりをするからこそ、“心を通わせる”感覚を大切にしましょう。

写真・動画配信に考察を加える

今は保育中の動画配信や、連絡帳アプリで写真が添付されることも多いですよね。

「〇〇を行いました。Aちゃんもニコニコと嬉しそうに参加しました」

実際にそうなのでしょうが、これって写真や動画で分かりませんか!?

できれば写真や動画を見たら分かることは最小限に留めて、あなた自身が観て考察した(これが“観察”ですね)ことを中心に、心を込めて伝えましょう。この工夫だけで連絡帳の価値がグッと上がりますよ。
バイクで氷を運ぶベトナムの人<バイクで氷を配達中。多少溶けても気にしない、それが南国です笑>


何を記入する?

続いて、連絡帳に記入する内容について具体的に考えてみましょう。

可愛いかった姿や頑張っている表情、印象的な言葉など、連絡帳を記入する数分間はその子だけを頭の中に思い浮かべていますよね。その時、「こんな遊びをしていたな〜」など、漠然と思い返していませんか?

自分の感覚だけに頼って振り返ると、子どもを捉える視点に偏りが出る可能性があります。漠然と思い返すのではなく、きちんとポイントを押さえながら振り返ってみましょう。

また、子どもの姿を振り返りながら、自分の言動や関わりも点検できると尚良いですね。おすすめのポイントは3つあります。ぜひ参考にしてみて下さい。

ポイント①「からだの育ち」

からだの育ちは目に見える事が多く、比較的正確に捉えやすい事柄です。体幹・四肢・手首・手指・足首・足裏などに注目しながら、全身の使い方をよく観察しましょう。
  • どこに力を入れて、どんな動きをしている?
  • どんな風に自分の体を自分でコントロールしている?
  • スプーンやお箸の持ち方、クレヨンの筆圧など。手指の器用さはどんな様子?
ここでは基本的な発達段階の理解が必要です。資料などを参考にしながら正しい知識で捉え、保護者と成長を分かち合いましょう。

ポイント②「友だちとの関わりとこころの育ち」

友だちとの関わりも目に見えることが多く、比較的正確に捉えやすい事柄です。遊び方・会話・ケンカなどを、「誰と?」「何を?」「どんな風に?」「どんな言葉で?」「どんな表情で?」といったことに注目しながら観察しましょう。

「こころ」は、表情や眼差しで表現される事が多いです。その体験からどんな感情が動いたのか? どのような情緒が育ち始めているのか? について考えてみましょう。

特に友だちとの関わりの中で感じた喜び・悲しさ・悔しさ・葛藤・心強さ・勇気などは見逃さず、保護者と共有したい成長の姿です。こころの成長は目で見えにくいからこそ、保育者として腕の見せ所ですよ!

ポイント③「基本的生活習慣」

基本的生活習慣は、食事・着脱衣・清潔・睡眠・排泄の5つです。「出来る・出来ない」だけではなく、意欲や定着度に注目しましょう。

生活習慣は、「園では自分で出来るけれど、家では甘えて全くしない」という事もよくあります。スモールステップで自立に向かう成長の姿を伝え、子育て仲間として、家庭と園のチームプレーが実践できたら最高ですね。
ホーチミンで流通するドラゴンフルーツ、パパイヤ、マンゴー<ホーチミンは南国フルーツが豊富です。時計回りにドラゴンフルーツ、パパイヤ、マンゴー>

言葉使いに悩んだら指針をチェック!

書く内容が決まったら、わかりやすい言葉で、幼い印象にならず、短くても充実した文章にしたいですよね。でも日本語って本当に難しい…。

悩んだ時には基本に戻って、保育所保育指針・幼稚園教育要領にヒントをもらいましょう。特に「5領域のねらい」と「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を参考にすることをお薦めします。きっと、あなたが1番伝えたい事柄のヒントが隠れていますよ〜。

ワンランク上を目指そう

最後にちょっとしたアドバイス。子どもの成長は、ご家庭で保護者が愛情を持って大切に育てている証でもあります。私は家庭内での愛情を想像して労ったり、褒めたりする一文を添えることもあります。こんな感じです。
  • 「Aちゃんの大きな笑顔から、ご家族からたくさんの愛情を受けていることを感じます。素晴らしいですね」
  • 「B君の伸び伸びとした雰囲気は、ご家族に気持ちを受け止めてもらいながら育っている証ですね。大らかな家族って良いですね」
心から思った時に、思ったままを伝えているのですが、ご家庭との信頼関係に良い影響を与えていると感じます。ワンランク上の連絡帳を目指して、もし良かったら参考にしてみて下さいね。

米田麻子(よねだ あさこ)

この記事を書いた人

米田麻子(よねだ あさこ)

幼稚園教諭、保育士養成校の講師、保育士を経て、現在はベトナムのホーチミンで子育て支援活動『Mama Kids SALON』を立ち上げて活動中。「#子育てはみんなでしよう」をテーマに、豊富な経験を生かして日々奮闘している。
週末はホーチミンの太陽の下でテニスを楽しむ。モットーは“人のため世のため”

<Instagram>
https://www.instagram.com/mama_kids_salon/?hl=ja

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