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夜遊び・火遊び「本物体験」から生まれる子どもの心の成長とは?【自然の中で見つける保育】

焚き木を見る子どもの写真
自然の中での保育を専門にしている野村直子さんによる「子ども」と「自然」をテーマにした連載をお届けします。>>連載の記事一覧はこちら  

親子でよるのおさんぽ

野村直子さんのコラム写真
先日、親子を対象に“夜の海へお散歩に行くイベント”を行いました。参加する親子を募って、集まったのは2歳児〜5歳児のお子さんとお父さん・お母さん、7組の親子が集まりました。 
 
夕方まだ明るい時間に集合し、みんなで海を目指して子どもの足で15分ほどの道のりを、力を合わせて重い荷物を運び、海で焚き火しました。 
 
だんだん日が暮れて暗くなってくる“夕暮れ時”に、海で焚き火をするというスペシャルな企画に、子どもたちは終始興奮気味。お母さんたちはいつもよりテンションが高めの我が子にハラハラしながらの海までの道のりでした。 

いま目の前にある自然 

海で枝や流木を拾う親子の写真
海に着くと、焚き火の焚きつけ用の枝や流木を浜辺で拾い集めました。 

一緒にマイクロプラスチックゴミを拾ったり、貝殻やきれいな石のお土産をポケットに入れたりしながら楽しんでいると、あっという間にたくさんの焚きつけの枝が集まりました。 
 
大人たちは真面目に枝などを探して拾うように子どもたちに言いますが、子どもは目の前に面白いものや不思議なものがあると飛びつくものです。 
 
そうしている内に、大人も「あ、ヒトデだ!」「カニがいた!」などと子どもたちに教えている声がしてきました。 
 
こういう姿を私は嬉しく眺めています。大人も目の前の面白いものに目が向き始めた証拠だからです。 
 
どうしてもやらなければならないことなど何もありません。 
大人もいま目の前の自然をただ楽しんでほしいと思っています。 
日が暮れて、ライトが欲しくなってくると、不思議なもので散り散りだったみんなが集まってくるのです。 

焚火をする子ども
ちょうど焚き火の準備も万端、いよいよ着火! 
 
焚き火隊長はご近所の焚き火好きなお父さん。なので、ちょっと炎が上がりすぎて子どもたちは近寄り難い感じになりますが、それでも時間が経つとじわりじわりと火に近づいてきます。

静かに心が動く体験 

焚き木を見る子どもたち
 炎を見つめている時の子どもたちの目が好きです。 
 
炎の揺らぎを感じているのか、「こわい」とか「すごい」とか、どんな言葉も当てはまらないものを感じているかのような表情で見つめています。その瞳の奥ではたしかに何かを感じ、そして静かに心が動いているような、そんな表情が見えます。 
 
火の近くで、熱さを肌で感じ、炎の大きさや畏れ、美しさを感じている。 
 
このような本物の体験はきっと心に深く刻まれることでしょう。
海で焚き木をしている様子
海の“暗闇”と炎の“美しさ”のコントラストが子どもたちを興奮させるものでもあり、厳かな雰囲気にもさせるのですね。 
 
こうした自然体験を共有することは、人と人の間をぎゅっと近づけます初めて会う子ども同士でも、ずっと前から仲が良かったような姿になり、兄弟姉妹のような関わりも見られました。 
 
そして、親同士も「波の音と焚き火、最高だね!」と言いながら、炎を眺めて、心地の良い時間を過ごしました。 


火遊びのススメ

焚き木の火が燃えている様子
“火遊び”は悪いことの代名詞のように聞こえますが、火遊びをすることで、どのように火を扱ったら良いかが体験的に身につきます。 
 
最近は、BBQやキャンプなどをするご家庭では、火が身近になっている子もいます。でも、何かを焼いて食べるする方に意識が向くので、純粋に焚き火を楽しむことはあまりないように思います。 

保育園・幼稚園などでは夜遊びも火遊びもなかなかできませんが、焼き芋の行事を行う園もあるかと思います。ぜひその時に焼き芋だけではなく、炎や焚き火を体験することも目的の一つに入れてみてください。 
 
子どもたちの瞳の奥に、心の動きが見えるかもしれません。 
 
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