幼稚園、保育園の社会的役割はたくさんありますが、その1つに「子育て家庭を支援する」があります。
今日は、今すぐできる子育て支援について一緒に考えていきましょう。
子育て支援は誰のため?
子育て支援におけるキーワードの1つに“保護者”があります。特に経験が浅い保育者は、保護者との関わり方に自信が持てずにいる方もいると思います。「子育て支援は保護者支援」と思っていませんか?「制度や仕組みの話だから私には関係ない」と思っていませんか?
子育て支援は’’子どもが健やかに育つためにある’’という、一番大切なことを忘れてはいけません。
子どものために、子どものことを、子どもの保護者と会話をしましょう。あなたの目の前でもう子育て支援は始まっているのです。

子育ての現実
これまでの保育者経験の中で、多くの保護者は、「うちの子育てはこのままで大丈夫?」といった不安を常に抱え、悩みながら判断し、その判断を迷いながら信じ、手探りの中で子育てしていることを知りました。また例えば人見知り期は、家族が抱っこするだけでもギャン泣きするなど、家庭の中で’’ママ/パパでなきゃダメ’’という場面はいくつもあります。
どんなに素晴らしい子育て制度があっても、今この瞬間は誰もが必死なのが現実です。保護者だけで乗り越えるのは至難の業だと感じます。
子育てはみんなでしましょう
どんなに楽しい出来事があっても、一人では楽しさは1人分です。でも二人いれば楽しさは2倍に、大変さや辛さは2分の1になります。3人、4人と広がればもっと大きな輪になります。みんなの力って本当に凄いですよね。
この’’みんな’’には、保護者や家族、友達だけでなく、保育者である“あなた”も入っています。教科書には「子どもは社会の宝です。子育てを社会全体で支えます」などと書かれている部分です。
’’社会’’は難しくありません。あなたが今日会った人、明日会う人、そしてあなた自身。それぞれの立場で子どもたちのために出来ることをしましょうという意味です。
「難しそう・自分には関係ない」・「何をしたら良いか分からない」という思い込みで、現実から逃げずにいたいですね。

一人の大人が親として力を発揮する
園でチャレンジすることに不安を感じている子どもがいたら「大丈夫だよ。困った時にはちゃんと助けるから安心して挑戦してごらん」と言いませんか?「先生見ててね」と言われて、本当に見守っているだけなのにどんどん上達していく子どもの姿ってありますよね。
私が大切にしている保育観の1つに“安心感の中でこそチャレンジできる。安心感の中でこそ失敗できる”があります。
’’ピンチの時は助けてくれる人がいる。見守っていてくれる人がいる’’と思える安心感は、持っている力を最大限に引き出すパワーがあると信じています。
それは大人も同じだと思うのです。
一人の大人が親としての力を発揮するには安心感が必要で、保育者はそれらを提供できる立場にあるのです。
保護者に伝えたい安心感
安心感は目には見えずとても抽象的です。だからこそ、あなたの今の経験値で出来る、あなたの個性だからこそ醸し出される安心感が必ずあります。例えば、笑顔・傾聴・共感・共有などが挙げられます。心を込めて個性を発揮してくださいね。
でも実は、保護者にとって1番の安心感はそこではありません。最大の安心感は“我が子の事をよく分かってくれていること”です。
愛情ある保育を行うことが、’’この先生なら大丈夫だ’’ ’’ピンチの時にはこの先生に相談しよう’’という安心感に繋がっているのです。
保育者は子どもをよく観察し、考察しましょう。保護者を子育ての仲間だと思って、「いつでもなんでも伝え合いましょうね」という気持ちでいましょう。それが互いに心強い存在となれる方法だからです。
愛情を込めて保育をすること。保護者の心を一人にしないこと。それが私が考える安心感であり、子育て支援です。子どものための子育て支援、みんなで一緒に頑張りましょう!