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シャボン玉遊びの意義とポイント|発達障害のある子どもの遊び

シャボン玉遊びをする子ども
言語聴覚士として長年児童発達支援に携わってきた原 哲也さんのコラムです。今月から時々、発達障害の子どもとの『遊び』について、解説していきたいと思います。 >>連載の記事一覧はこちら 

今回は、子どもたちが大好きなシャボン玉です。発達障害のある子どもにとっては、楽しく遊べると同時に、療育の観点からもいろいろな意義があります。具体的な遊び方と遊んでいるときに意識しておきたい意義、遊び方のポイントを解説します。

1.シャボン玉遊びの遊び方

シャボン玉遊びをする子ども
大きく分けて2種類あります。
  • ストロー式:ストローの先にシャボン液をつけ、ストローを吹いてシャボン玉を作る
  • リング式 :リング状のシャボン玉器をシャボン液に浸してそれを大きく振ってシャボン玉を作る
他に、ピストル型や電動式のものなどもあります。
「シャボン玉セット」の使用上の注意にしたがって、誤飲などに気をつけて遊びます。

2.シャボン玉遊びの意義

保育士とシャボン玉で遊ぶ子ども

①しっかりと目を使う

発達障害のある子どもの中には、さまざまな視覚刺激や聴覚刺激に反応してしまい、一つのものを見つめたり、ターゲットとするものを目で追う経験に乏しい子どもがいます。

シャボン玉遊びでは、そのような子どももシャボン玉を「じっと見る(固視)」「飛んでいく軌道を目で追う(追視)」経験をたくさんすることができます。

②共同注意

共同注意とは、「2人の人が同じものを見ること、注目すること」です。例えば、保育士が空を飛ぶ飛行機を見上げ、「ほら、飛行機だよ」と言い、子どもが同じ飛行機を見上げて、「本当だ!飛行機だ!」と言うようなことです。

共同注意は、ことばの獲得の上でとても大切な行動で、定型発達児の場合、8~10か月の頃から始まります。

しかし自閉症スペクトラム障害の子の場合、「ほら、〇〇だよ」という人の投げかけに応じて、その時自分が注意を向けているものから注意の方向を変えて、別のものを見る、他の人と同じものに注目することが難しい、つまり共同注意が難しいことが多くあります。

この点、シャボン玉遊びは自閉症スペクトラム障害の子どもの興味を引くことが多く、共同注意を得やすいのです。子どもと周囲の人が同じシャボン玉に注目し、シャボン玉遊びを一緒に楽しむことができるようになります。

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原 哲也(はら てつや)

この記事を書いた人

原 哲也(はら てつや)

言語聴覚士・社会福祉士 一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN代表理事。児童発達支援事業所「WAKUWAKUすたじお」代表。1966年生まれ、千葉県出身。大学卒業後にカナダの障害者グループホーム勤務、東京の障害者施設職員勤務を経て、29歳から小児障害児リハビリテーション専門職として、長野県の病院や市区町で発達相談や障害児の巡回相談業務に携わる。『発達障害児の家族を幸せにする』を志に、全国を駆け回り、乳幼児期から青年期までの発達障害児と家族の応援をおこなっている
<WAKUWAKUすたじおHP>
http://www.waku-project.com/

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