魅力①:プロジェクト活動

1つ目の魅力は断トツで「プロジェクト活動」です。子どもたちの興味関心のあるテーマを見つけて、それを1学期間から1年を通じて探究していくというアプローチ。スウェーデンの多くのプレスクールで取り入れられています。
子どもの興味から始まっているので、子どもたちの主体的な学びが起こり、子どもたちの活動への参加や影響力を伸ばすのにとても有効です。
保育者達はプロジェクトを通じて、カリキュラムにある10の発達領域の力を子どもたちが伸ばしていけるように、計画、実践、記録、振返りを子どもたちと繰り返していきます。
そのプロセスそのものが乳幼児期の子どもの学びであり、それを糸で紡ぐように可視化したのがプロジェクト活動です。また、同じテーマを扱ったとしても何一つ同じになることはありません。先の見えない展開に保育者も子どもたちもワクワクしながら取り組めます。
以前に紹介した「りすのプロジェクト」のように、乳児クラスでも取り入れることができます。
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魅力②:チーム保育

2つ目の魅力は「チーム保育」です。平均15〜20人の子どもに対して3人の保育者がチームで担当します。3人の目があるので、子ども1人1人に目が行き届きます。
3人の子どもとの経験はそれぞれ違い、それらを持ち寄って振り返りをするので、より子どもの姿に迫れます。また、活動準備、親への連絡など仕事を分割できるので、1人で抱え込むということが起こりません。
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魅力③:子どもの権利条約に根ざした教育

最後は子どもの権利条約に根ざしているところです。そもそもプレスクールの存在意義は子どもへの教育と保育を行う場所です。
それは教育を受けるという子どもの持つ権利であり、親の就業状況に左右されません。さらに、子どもは受け身な存在ではなく、権利を持つ一市民として捉えており、1歳児であっても活動やプレスクールの環境等において影響力を持つと考えます。
そのため、子どもたちの声をとても大事にしています。子どもの要求を全て聞き入れるのとは違い、社会規範や発達過程において不適切なことは対話を通じて妥協点やできない理由を理解していきます。このように子どもは権利の主体であることを実践を通して証明しているといえます。
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スウェーデンで教師になるために

最後に読者の皆さまにお知らせがあります。4年間おつき合い頂いたこのコラムは、今回が最終回となります。コラムのタイトルにもあるように、私はスウェーデンのプレスクール教師になることを目指しております。
保育士として現場のことを学び、一区切りついたので、これから数年かけて教師になるための準備を本格的に始めます。回数にして35回。楽しみに読んで下さった皆さま、本当にありがとうございました。今後は私のニュースレターやSNSでお会いしましょう。