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海外で保育士をして分かったスウェーデンの幼児教育の魅力【スウェーデンの保育】

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スウェーデン在住で2児の母であり、プレスクールで保育士として働くよしざわたかこさん。スウェーデンの幼児教育を中心に保護者の目線と働く目線とを織り交ぜながら、現地のリアルな情報を紹介してもらいます。>>連載の記事一覧はこちら
非常勤スタッフからスタートした私の保育士のキャリアも4年の月日が過ぎました。今回は働いているからこそ見えてきたスウェーデン保育の魅力3選をお伝えしたいと思います。

魅力①:プロジェクト活動

子どもたちと作った飾り
去年の職場の夏至祭の時に子どもたちと作った飾り

1つ目の魅力は断トツで「プロジェクト活動」です。子どもたちの興味関心のあるテーマを見つけて、それを1学期間から1年を通じて探究していくというアプローチ。スウェーデンの多くのプレスクールで取り入れられています。

子どもの興味から始まっているので、子どもたちの主体的な学びが起こり、子どもたちの活動への参加や影響力を伸ばすのにとても有効です。

保育者達はプロジェクトを通じて、カリキュラムにある10の発達領域の力を子どもたちが伸ばしていけるように、計画、実践、記録、振返りを子どもたちと繰り返していきます。

そのプロセスそのものが乳幼児期の子どもの学びであり、それを糸で紡ぐように可視化したのがプロジェクト活動です。また、同じテーマを扱ったとしても何一つ同じになることはありません。先の見えない展開に保育者も子どもたちもワクワクしながら取り組めます。

以前に紹介した「りすのプロジェクト」のように、乳児クラスでも取り入れることができます。
>>プロジェクト活動の記事はこちら

魅力②:チーム保育

スウェーデンの街
魔女の宅急便のモデルになった場所の島の写真

2つ目の魅力は「チーム保育」です。平均15〜20人の子どもに対して3人の保育者がチームで担当します。3人の目があるので、子ども1人1人に目が行き届きます。

3人の子どもとの経験はそれぞれ違い、それらを持ち寄って振り返りをするので、より子どもの姿に迫れます。また、活動準備、親への連絡など仕事を分割できるので、1人で抱え込むということが起こりません。

>>チーム保育の記事はこちら  

魅力③:子どもの権利条約に根ざした教育

スウェーデンの花
スウェーデンの夏を彩る花々

最後は子どもの権利条約に根ざしているところです。そもそもプレスクールの存在意義は子どもへの教育と保育を行う場所です。

それは教育を受けるという子どもの持つ権利であり、親の就業状況に左右されません。さらに、子どもは受け身な存在ではなく、権利を持つ一市民として捉えており、1歳児であっても活動やプレスクールの環境等において影響力を持つと考えます。

そのため、子どもたちの声をとても大事にしています。子どもの要求を全て聞き入れるのとは違い、社会規範や発達過程において不適切なことは対話を通じて妥協点やできない理由を理解していきます。このように子どもは権利の主体であることを実践を通して証明しているといえます。
>>子どもの権利条約に関する記事はこちら

スウェーデンで教師になるために

筆者
冬に松明を持って湖の上のスケートするというイベントの時

最後に読者の皆さまにお知らせがあります。4年間おつき合い頂いたこのコラムは、今回が最終回となります。コラムのタイトルにもあるように、私はスウェーデンのプレスクール教師になることを目指しております。

保育士として現場のことを学び、一区切りついたので、これから数年かけて教師になるための準備を本格的に始めます。回数にして35回。楽しみに読んで下さった皆さま、本当にありがとうございました。今後は私のニュースレターやSNSでお会いしましょう。
よしざわたかこ

この記事を書いた人

よしざわたかこ

スウェーデンの保育士。東京でOL(10年)→出産→退職→幼児教育を学ぶために再度大学生→2016年に家族でスウェーデン移住→スウェーデン語をゼロから学び、2019年5月からプレスクールに勤務中! 移住後は、スウェーデンの幼児教育事情をブログにて配信中。
<Twitter>
@swedenhoiku
<Instagram>
@sweden_hoiku
〈ニュースレター スウェーデン保育通信〉
https://sweden-hoiku.medy.jp/

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