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生活発表会と『こねこねねこの ねこピッツァ』|絵本で広がる保育の世界

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生活発表会と『こねこねねこのねこピッツァ』
保育・幼児教育に絵本は欠かせません。絶対にそばにある存在です。そんな保育と絵本の縁をより強くするシリーズ「絵本で広がる保育の世界」として今回は生活発表会で取り組んだ内容を絵本と一緒にご紹介いたします。 >>連載一覧はこちら

3歳児クラスの成長と学び 

令和6年度は3歳児クラス担任をしています。身の回りのことを自分で進んで取り組もうとしたり、友だちと一緒に活動を楽しむことが多くなってきたりとたくさんの成長があった1年間。

年度当初から運動遊びを楽しみながらいろいろな動きを経験できるように積み上げてきたり、子どもたちの興味関心に寄り添いながら音楽遊びを繰り返し楽しんできたりと連続した活動を、PDCAサイクルを意識しながら過ごしてきました。子どもたちと保育者が一緒に「共主体」の保育・教育をと考えています。

おっとこのコラムはえほんばなしでした。 

生活発表会に向けた絵本探しの日々 

クラスで読んできた絵本は数知れず。子どもたちの「好き」に沿ってさまざまな絵本を楽しんできました。虫、車、食べ物やナンセンス、怖い話、昔話など好みのテーマやジャンルは多岐に渡ります。 

運動会が終わり、秋の遊びが熟成してくる季節にはそろそろ生活発表会の取り組み内容を考えるくらいの年間スケジュールでした。 

子どもたちは、歌が好き、工作が好き、食べ物の出てくる絵本が好き。 

家の本棚、図書館、書店などを回りながら「なにか子どもたちに似合う話はないものだろうか。」と探し回る日々。すでに持っている絵本でも知っているお話でも、現在の子どもたちとピッタリくる瞬間があるかもしれないからもう一度手に取って絵本を読みなおします。 
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運命の一冊『こねこねねこの ねこピッツァ』との出会い結果は…

絵本専門店にて店長の「うっちーさん!おもしろい新作ありますよ~」で見つけました!! 
絵本「こねこねねこのねこピッツァ」の書影
『こねこねねこの ねこピッツァ』 
くさか みなこ 作 
カワダ クニコ 絵 
KADOKAWA 2024年 

「こねこねピッツァこねピッツァ♪ ねこがこねこねねこピッツァ」と歌が聞こえてくるとねこピッツァのキッチンカーがやってくる合図。とろーりチーズがおいしそう♪ 

ピザ屋を営む猫の兄弟が、ピザ生地をこねる愉快な歌に合わせてピザを作り、お客さんの要望に応えていくストーリー。歌には公式動画があります。 
 

クラスで読んでみると「もう一回」の声が何度も何度も。歌もすぐに覚えていました。

これはもっと盛り上がっていくかもしれない!! と思った俺は、小麦粉を全部机に出して、粉からこねてこねてピザ生地作ってみたり、秋の自然物を具材にピザ作ってみたり、ミニチュアねこピッツァを作ってままごと遊びに取り入れてみたりと子どもたちと楽しみながら展開していきました。 

子どもたちが主役!個性を活かした発表会 

子どもたちの好きな遊び「ねこピッツァごっこ」をステージ上で表現するにはどうしたものか…

そうだ!! 

歌うの大好きだから歌いながら動くといいのじゃないだろうか!? 

作るの好きだからステージの上でそのまま本物(っぽい)ピザ生地使えばいいんじゃないだろうか!? 

いろいろな仮説を立て、子どもたちと組み立てながら作り上げていきました。 

ステージに上がり自己発揮することが苦手な子どもはいます。俺は生活発表会では「個性を活かすことができると場がある」ことが大切だと思っています。生地をこねこねする造形が好き、事前に自分たちで作ったピザを持って披露すると自身が持てる、大きな生地はでっかい布膨らませてアクロバティックに踏むと楽しい、パズル得意だから絵合わせがまかせて!といった感じ。 
こねこねねこのねこピッツァ

直径45センチほどの手作りピッツァと1メートル超の特大ピッツァは一枚一枚がスペシャル。これまで経験してきた画材や技法がたっぷり散りちりばめられています。 
大型立体パズルをセットとして再活用

運動会で使用した大型立体パズルをセットとして再活用。保育中に自分たちで組み立ててままごとを展開していた姿から着想を得た立方体組み合わせ背景は、木→作業台→竃へと変化。パズル好きな子どもを中心に場面転換を委ねました。 

ステージ上でねこたちが話しながら、時にはちょっとケンカして、行ったり来たりしながら組み立てていくので、とってもほほえましい姿でした。 

絵本がつなぐ共主体の保育 

絵本が核となり、子どもたちの個性が合わさり、ひとつの物語を作り上げることができた取り組みでした。そもそも俺は子どもの頃から発表会大好き人間なので熱くなるものがこみ上げてくるのでのですが、子どもが主役、そこに保育者も一緒の共主体が大切です。 

まだまだ語りたいことがあるのですが、終わらないので今回はここまでとします。 

このような素晴らしい絵本を作り出してくださった、くさかみなこさま、カワダクニコさまありがとうございます。今回本コラムに取り組みの掲載を承諾してくださり感謝しております。 

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