支援が必要な子どもたちの記録
支援が必要な子どもたちの記録はどのように書かれているでしょうか?保育施設における記録は、支援の方法や子どもの成長を知る大切な目安となります。特に、発達にアンバランスさをもっている子どもたちは、らせん状に発達していくことから、一見「発達が戻っているのかも」と思えるときにも、記録を見返すことで、「この部分は戻っているかも知れないけれど、この部分は伸びているよね」と、子どもの成長を総合的に捉えることが出来ます。
具体的な記録の書き方

記録を書くときによくやってしまいがちなのは、出来ないこと、困った行動ばかりを書くことです。これは、幼稚園や保育園の中で他児の行動や発達との比較をしている結果を書いていることになります。
これでは、出来ないことだらけの記録になり、その子の成長、発達を見失うことになりかねません。比較をするのであれば、その子自身の過去と今で比較をして書くようにしましょう。
記録のコツ
書き方のコツは、「5W1H」に沿って記録すると良いでしょう。「5W1H」は
「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どの様に」です。
「Who:だれが」の部分は「誰と」と置き換えても良いでしょう。これを意識することで、行動を起こした理由を大人側が考えることが出来るからです。
例えば、朝登園してきたとき、下駄箱で○○君を突き飛ばした。その理由は、自分が上履きを取ろうとした時に目の前にいて、邪魔だと感じたから。言葉で「どいて」と伝えることが難しかったため。
などと「5W1H」を含ませた文章を書くことで、起きた行動とその理由が記録に残せます。また、「Why:なぜ」が入ることで、大人が状況から読み取れる理由も書くことが出来ます。
支援につながるどうすれば良いかという記録まで書く
「5W1H」で記録を書いたら、次への支援に繋げる記録まで書けると良いでしょう。例えば先ほどの例で書くと、
- 「どいて」と言えるように大人が声かけする
- 他児との距離感が近くならないように、取りやすく他児との動きが重ならないように下駄箱の位置を設定し直す
- あえて本児を一番に声かけ、入室のタイミングを周囲と時間差をつける など
出来ないことだけでなく、出来ていることも書く
つい、出来ていないことだけに目が行きがちですが、普段当たり前に出来ていることの中に支援方法のヒントがつまっています。出来ていること、好きな遊び、興味のあること、物を記録に残しておくことも大切にしましょう。記録は成長を記す宝物
記録を丁寧に書き残しておくことは、担当が変更になった時や、担任の先生と加配の先生との情報の共有にも大事な役割を果たします。なぜ、加配の先生がそのような行動をとったのか、その背景がその日一日だけではなく、過去の理由と紐付けて考えることが出来ます。また、トラブルが起きた際には記録を見返すことで、その子なりの理由がしっかりとあり、なぜそうなってしまったのかを詳細に保護者の方に伝えることが出来ます。
井上さんからアドバイス
日々の保育の中で、時間がなく記録を書くことが後回しになる、または適当になるということが起きがちです。しかし、私たち大人の記憶の量は無限ではありません。大切なことでも、文字にして残しておかなければ、いつか忘れてしまいます。「5W1H」で書くことと次への支援方法、出来ていることシートというフォーマット等を作成し、簡潔でもポイントはしっかりと記されている状態を残すということを日々意識して、子どもたちの成長の記録を宝物となるようコツコツと積み上げていってもらいたいと思います。
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