MENU

発達障害のある子に『トンネルくぐり遊び』を取り入れる目的・方法を解説

6
トンネルくぐり遊びをする幼児
言語聴覚士として長年児童発達支援に携わってこられた原 哲也さんの連載コラム。発達障害の子どもとの『遊び』について解説するシリーズの今回は、「トンネルくぐり遊び」を取り上げます。

トンネルくぐり遊びについて

トンネルくぐり遊びをする子ども
トンネルくぐり遊びは、多くの子どもが好む活動です。発達障害の特性ある子どもにとっても、さまざまな発達を促す効果的な活動です。

トンネルくぐり遊びの機能

トンネルくぐり遊びには、次のような機能があります。

1.感覚統合機能の発達を促す

人間は、目、耳、皮膚や筋肉などの感覚受容器でさまざまな刺激を感じます。人の感覚には、視覚・触覚・嗅覚・聴覚・味覚の他に自分の身体の傾きやスピード、回転を感じる前庭覚、自分の身体の位置や動き、力の入れ具合を感じる固有覚などがあります。

そして人間の脳は、複数の感覚受容器から入ってくる複数の感覚を整理し、まとめた上で(統合した上で)身体を動かし、外界に働きかけます。この、複数の感覚をまとめて体を動かす力を脳の感覚統合機能と言います。

感覚統合機能がうまく働かないとどうなるでしょう?

例えばキャッチボールでボールをキャッチするには、①眼球を動かす筋肉を動かし、ボールに焦点を合わせてボールを見る(視覚) ②身体の傾きやスピード、回転を感じ(前庭覚)、自分の身体の位置や動き、力の入れ具合を感じて(固有覚)、手の筋肉を動かしてボールをつかむことが必要です。
キャッチボールをする子ども
視覚、前庭覚、固有覚など、バラバラの感覚器官から入ってくる情報を脳が統合して指令を出すからこそ、適切なタイミングで適切な位置に手を伸ばしてボールをキャッチすることができます。

しかし、ここで感覚統合機能が働かないと、ボールをキャッチすることができません。

他にも、感覚統合機能がうまく働かないと、集中できない、じっとしていられない、いわゆるボディーイメージが育たずしょっちゅうあちこちにぶつかる、などさまざまな面で影響が出てくることが多いです。

トンネルくぐり遊びは、この感覚統合機能の発達を促す効果があります。

続きは、ほいくisメンバー/園会員限定です。
無料メンバー登録でご覧いただけます。

パーソナライズ_圧倒的求人数
原 哲也(はら てつや)

この記事を書いた人

原 哲也(はら てつや)

言語聴覚士・社会福祉士 一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN代表理事。児童発達支援事業所「WAKUWAKUすたじお」代表。1966年生まれ、千葉県出身。大学卒業後にカナダの障害者グループホーム勤務、東京の障害者施設職員勤務を経て、29歳から小児障害児リハビリテーション専門職として、長野県の病院や市区町で発達相談や障害児の巡回相談業務に携わる。『発達障害児の家族を幸せにする』を志に、全国を駆け回り、乳幼児期から青年期までの発達障害児と家族の応援をおこなっている

<WAKUWAKUすたじおHP>
http://www.waku-project.com/

>>インスタグラム

専門家が教える、発達障害の子と保育者の関わり講座関連記事
ほいくisメンバーに登録(無料)