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クリスマスの『アドベント』で保育園の子どもたちに伝える特別なこと

ブラジルのクリスマスイベント
ブラジル・カノア保育園の設立ストーリーと並行してお届けしている、ブラジルの文化や地元の生活を紹介するシリーズ。今回は、ブラジルのクリスマスにまつわるお話。「アドベント」という、ちょっと日本では耳慣れない言葉について解説していただきました。

“アドベント”という言葉、聞いたことがありますでしょうか?

アドベントは、クリスマスから数えて4週間前から始まります。そうです。クリスマスを迎えるための準備をする期間のことを、アドベント週間というのです。





私たちにはあまりなじみがないかもしれませんが、ブラジルでは、クリスマスはとても厳粛な日。家族が集い、今年1年に感謝をし、来年を迎えるための大切な日でもあります。日本人である私にとってのお正月と同じような感覚なのかもしれません。

カノア保育園では、アドベント週間の始まりの合図として、クリスマスから4週間前に、アドベントのお祭りを行います。お祭りと言っても、皆さんが想像するようなものではなく、部屋の中に海原を再現し、そこに一艘の船が光を届けにやってくる…というシーンを子どもたちに見せるのです。そして、このアドベントのお祭りを行うにあたり、エヴァさんと私はある漁師さんの話をもとに、子どもたちに聞かせるためのストーリーを書き上げました。
 

“昔、エステーヴァン村の漁師たちはとってきた魚を村人みんなで分けて食べていました。大漁の人、魚をとってこられなかった人、全ての漁師が海岸に集まり、それを村人に平等に分け、最低でも1日1回の食事ができるようにと、みんなで支え合って生きていたのです。

しかしある日、真っ黒い雲が村を覆い、その日を境に、人々は協力し、支え合うということを忘れてしまいました。魚をたくさんとった人はその魚を独り占めにし、魚をとることのできなかった人は、家族に食べさせるものを何も持たずに帰るしかありませんでした。そんな日々がしばらく続きました。

ある日、1人の漁師が海を眺めながら涙を流していました。「昔はみんなで協力し、支え合いながら生きていた。それなのに今はけんかが絶えず、憎しみあっている人さえいる。なぜこんな風になってしまったのだろうか? 昔のようにみんなが笑顔で、幸せに過ごすことのできる村に戻ることはもうないのだろうか。」

すると、遠くに1艘の船が見えてきました。その船にはきらきらと輝く光が揺れていました。そしてどこからともなく、こんな声が聞こえてきたのです。「村人を全て集めなさい。そして、この光を家に持ち帰るのです。」

まるで夢を見ているかのような気持ちの中、急いで村人を海岸に集め、一人ずつその船から光をもらい、家に灯していきました。今まで真っ黒い雲に覆われていた村は、その光によって輝き始め、村人たちに笑顔が戻りました。そしてその日からまた人々は協力し、支え合いながら、幸せに暮らしたということです。”


さぁ、もうすぐクリスマスがやってきます。皆さん、一緒に準備を始めましょう!!
鈴木真由美

この記事を書いた人

鈴木真由美

保育士。ブラジル・カノア保育園 園長。2000年にブラジル北東部にある漁村カノアに渡り保育園の運営を始める。2006年にカノアでの支援を目的にした「光の子どもたちの会」を設立(2015年にNPO法人となる)。現地の地域力向上を目指して活動中。2児の母。
<光の子どもたちの会HP>
http://criancasdeluz.org/quem_somos_nos/quem_somos_jp.html

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