MENU

誰でも通園制度で発達特性のある子が見られたら |発達支援の現場から

2
誰でも通園制度で発達特性のある子が見られたら
児童発達支援管理責任者/保育士/発達支援専門士として自治体とともに現場の保育士さんと一緒に発達支援を考える井上さんが、2026年4月から本格化する「こども誰でも通園制度」を利用した子どもに発達特性が見られた場合の対応をご紹介します。 >>連載一覧はこちら

こども誰でも通園制度

2026年度(令和8年度)からいよいよ本格実施となる「こども誰でも通園制度」。現場で働く保育士さん達にとって、不安も多いのではないでしょうか? その不安材料の一つとして発達特性をもつ子ども達が誰でも通園制度を利用したときに、どう関わればいいのだろうか? クラス運営はどうすれば良いのだろうか? と考えている先生も多くいらっしゃるはずです。

大事なのは誰にでも安心できる環境

私がいつもさまざまな場でお伝えしているのは、子どもたちが安心できる環境づくりの大切さです。

発達に特性があるなしに関わらず、もともと発達は皆違うものという考え方を基準に、個々の発達に合わせた関わり方と環境が必要です。

保育園は子どもの発達特性を診断する場所ではありません。特に、誰でも通園制度という枠の中で利用出来る時間とその対象年齢を考えれば、なおさら保育園で求められていることは、子どもたちが「楽しかった」と思える充実した時間を過ごすことではないでしょうか。

保護者の方が孤立した子育てから解放され、「地域で育てている」という実感が持てること。保育者と顔の見える関係になり、子育ての相談ができること。安心して子育てができる社会になること。こうした使命が、この制度には込められているのだと感じます。
article_03

机上の空論ではない現実

自治体の巡回相談や保育所等訪問支援、園内研修講師として多くの現場を拝見していると、国が打ち出す理想の一方で、現場レベルでは「これ以上どうしたら良いのか」という苦悩の声も聞こえてきます。

これを解決していくには、やはり「〇〇しなければならない」という”やらねば思考“をいかに早く捨て、柔軟なアイデアを出し合えるかが鍵となります。

物事をとらえなおす「リフレーミング」

ここで「リフレーミング」という言葉をご紹介します。これは、物事の枠組み見方(frame)を変えることで、同じ出来事を別の意味として捉え直す(reframe)技法のことです。

例えば、「走ってばかりで落ち着きがない。」という行動もリフレーミングで考えると「元気いっぱいでいつも楽しそう」と見方を変えることができます。

では、このリフレーミングを使いながら“やらねば思考”を捨てると、現場はどう変わるでしょうか。

例えば、誰でも通園制度を利用して来た子が、とても多動性が激しくお友だちのおもちゃをとってあちこち走り回っていたとします。

そんなときには、「よし!今日は一日外でダイナミックに泥遊びをしよう!」と、良い意味で企画していた活動は諦めてみませんか。「感触遊び」という、人間の情緒の安定に繋がる発達の根本を育てる方向にチェンジしてみるのです。

「予定していた活動はできなかったけれど、〇〇という良い場面が見られたね」とプラスに捉えられると、先生方の心にもゆとりが生まれます。もともと企画していた活動は、「また別の日にやれば良いよね」と言い合えるクラス運営ができると素敵ですね。

井上さんからアドバイス

新たな取り組みは、見えないことが多過ぎで不安になるのは自然なことです。しかし、それを不安としてマイナスに捉えるか、柔軟な保育でプラスに捉えるかで日々の保育は天と地ほどに違うのではないでしょうか?先生方の心の動きは行動に表われ、子どもたちに影響しています。

どうか、柔軟なアイデアで乗り切り保育士さんたちの力と素晴らしい職であることを世の中に伝えていってもらいたいと思います。

どうしても困ったときには、ほいくisでも行っている私への質問で悩みを解消していきましょう。子どもたちをみんなで育てるのと同じように、現場の保育士さん達も皆で守っていきたいと私は思っています。応援しています。

井上さんに直接聞いてみたい発達支援のお悩み募集中

普段の保育で感じている発達支援のお悩み、井上さんに質問してみませんか? このコラムも実際に寄せられた質問にお答えしています。ほいくisでは、保育者のみなさんが抱える発達支援のお悩みを募集し、児童発達支援管理責任者/保育士/発達支援専門士として自治体とともに現場の保育士さんと一緒に発達支援を考える井上さんに回答いただく企画が好評です。

あたたかい目線でいつも保育者に寄り添う井上さんのコラムは、現場の保育者の方からも非常に好評です。ぜひみなさんが感じていること、相談したいことがありましたら下のボタンをクリックして相談内容を教えてください。

ご相談にほいくisでお答えします 発達支援のお悩み、井上さんに相談する


詳細については、相談応募フォームにてご確認ください。

◆関連記事
2
お仕事誘導バナー_4月入職保育士求人_パーソナライズ
井上 綾乃(いのうえ あやの)

この記事を書いた人

井上 綾乃(いのうえ あやの)

一般社団法人プライムシャイン代表理事
管理者兼児童発達支援管理責任者/保育士/発達支援専門士

発達支援センターでの実践や短大非常勤講師の経験を積み、自ら法人を立ち上げ、児童発達支援管理責任者(保育士と)して療育の現場で活動中。子どもをプログラムに合わせるのではなく、子どもに合わせた療育プログラムを行いながら、「楽しい」と感じる事で発達する支援を実践。現在では自治体の保育園巡回相談、保育ゼミ講師、依頼を受けての保育園、幼稚園研修講師等人材育成も行っている。

<シャインキッズホームページ>
https://shine-kids.com/
<遊んで発達 シャインキッズ井上チャンネル>
http://www.youtube.com/@user-nt6dp8ji5c/

「ほいくisオンライン研修」で公開中!
「社会性の発達支援」セミナー動画はこちら

発達支援の現場から関連記事
ほいくisメンバーに登録(無料)