こども誰でも通園制度
2026年度(令和8年度)からいよいよ本格実施となる「こども誰でも通園制度」。現場で働く保育士さん達にとって、不安も多いのではないでしょうか? その不安材料の一つとして発達特性をもつ子ども達が誰でも通園制度を利用したときに、どう関わればいいのだろうか? クラス運営はどうすれば良いのだろうか? と考えている先生も多くいらっしゃるはずです。大事なのは誰にでも安心できる環境
私がいつもさまざまな場でお伝えしているのは、子どもたちが安心できる環境づくりの大切さです。発達に特性があるなしに関わらず、もともと発達は皆違うものという考え方を基準に、個々の発達に合わせた関わり方と環境が必要です。
保育園は子どもの発達特性を診断する場所ではありません。特に、誰でも通園制度という枠の中で利用出来る時間とその対象年齢を考えれば、なおさら保育園で求められていることは、子どもたちが「楽しかった」と思える充実した時間を過ごすことではないでしょうか。
保護者の方が孤立した子育てから解放され、「地域で育てている」という実感が持てること。保育者と顔の見える関係になり、子育ての相談ができること。安心して子育てができる社会になること。こうした使命が、この制度には込められているのだと感じます。
机上の空論ではない現実
自治体の巡回相談や保育所等訪問支援、園内研修講師として多くの現場を拝見していると、国が打ち出す理想の一方で、現場レベルでは「これ以上どうしたら良いのか」という苦悩の声も聞こえてきます。これを解決していくには、やはり「〇〇しなければならない」という”やらねば思考“をいかに早く捨て、柔軟なアイデアを出し合えるかが鍵となります。
物事をとらえなおす「リフレーミング」
ここで「リフレーミング」という言葉をご紹介します。これは、物事の枠組み見方(frame)を変えることで、同じ出来事を別の意味として捉え直す(reframe)技法のことです。例えば、「走ってばかりで落ち着きがない。」という行動もリフレーミングで考えると「元気いっぱいでいつも楽しそう」と見方を変えることができます。
では、このリフレーミングを使いながら“やらねば思考”を捨てると、現場はどう変わるでしょうか。
例えば、誰でも通園制度を利用して来た子が、とても多動性が激しくお友だちのおもちゃをとってあちこち走り回っていたとします。
そんなときには、「よし!今日は一日外でダイナミックに泥遊びをしよう!」と、良い意味で企画していた活動は諦めてみませんか。「感触遊び」という、人間の情緒の安定に繋がる発達の根本を育てる方向にチェンジしてみるのです。
「予定していた活動はできなかったけれど、〇〇という良い場面が見られたね」とプラスに捉えられると、先生方の心にもゆとりが生まれます。もともと企画していた活動は、「また別の日にやれば良いよね」と言い合えるクラス運営ができると素敵ですね。
井上さんからアドバイス
新たな取り組みは、見えないことが多過ぎで不安になるのは自然なことです。しかし、それを不安としてマイナスに捉えるか、柔軟な保育でプラスに捉えるかで日々の保育は天と地ほどに違うのではないでしょうか?先生方の心の動きは行動に表われ、子どもたちに影響しています。どうか、柔軟なアイデアで乗り切り保育士さんたちの力と素晴らしい職であることを世の中に伝えていってもらいたいと思います。
どうしても困ったときには、ほいくisでも行っている私への質問で悩みを解消していきましょう。子どもたちをみんなで育てるのと同じように、現場の保育士さん達も皆で守っていきたいと私は思っています。応援しています。
井上さんに直接聞いてみたい発達支援のお悩み募集中
普段の保育で感じている発達支援のお悩み、井上さんに質問してみませんか? このコラムも実際に寄せられた質問にお答えしています。ほいくisでは、保育者のみなさんが抱える発達支援のお悩みを募集し、児童発達支援管理責任者/保育士/発達支援専門士として自治体とともに現場の保育士さんと一緒に発達支援を考える井上さんに回答いただく企画が好評です。あたたかい目線でいつも保育者に寄り添う井上さんのコラムは、現場の保育者の方からも非常に好評です。ぜひみなさんが感じていること、相談したいことがありましたら下のボタンをクリックして相談内容を教えてください。
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