おもちゃ作りを通して見える保育の気付きとは?

並べられた布おもちゃ
人気の布おもちゃ作家で元保育士の“ゆっこせんせい”によるコラム。今回は、おもちゃ作りを通して保育の気付きが広がるというお話しです。参考にしてみてください。

前々回のコラム『手作りおもちゃの隠れたメリットとは』では、「おもちゃを作ってみようかな」と思いを巡らせることで、日々の保育を見つめ直すきっかけになるというお話をさせていただきました。

>>手作りおもちゃの隠れたメリットとは

今回は、実際におもちゃを作ってみると生まれる気持ちについてのお話です。

園の子どものことを想って、手作りしてみる。
  • 「どこに置いておこうかな」
  • 「誰が最初に見つけてくれるかな」
  • 「気に入ってくれるかな」
  • 「〇〇ちゃんなら、きっとすぐに遊んでくれそう」
  • 「もしかしたら、△△くんにはまだ難し過ぎるかも」
なんて、クラスの子どもたちの様子が浮かんできますよね。
こんな、ちょっとしたおもちゃでも、作るのには1時間くらいかかります。

それだけの手間と時間をかけて作るのですから、
  • 「なんとしても、気に入ってもらいたい」
  • 「このおもちゃで、いっぱい遊んで欲しい」
という、気持ちが自然と湧いてきます。そこで、おもちゃができると、
  • 「ほら、先生が作ったおもちゃだよー」
  • 「○○ちゃん、見てごらん!」
  • 「こうすると、音がするよ。やってみて!」
  • 「すごいね~。先生もやってみようかな~。」
  • 「もう一回、やってみよう。上手、上手!」
などなど、自然に子どもへの言葉や関わりが増えていきます。

すぐに気に入ってくれたら、もちろん嬉しいです。作って良かった~と、大きな達成感があります。たとえすぐに遊んでくれなくても、何とか反応が見たくて、あーでもない、こーでもないと、遊びに誘ってみたくなるでしょう。

「〇〇ちゃんは気に入ってくれた! 後で△△くんも誘ってみよう」など、発達や興味の違いのほか、好奇心旺盛な子や、新しいものに慎重な子の特徴も見えてくるかもしれません。そんな過程こそがとても素敵だし、大切なことだと思うのです。
保育者が、笑顔で一緒に遊んでくれれば、もちろん子どもも笑顔で夢中になって遊びます。

小さな子どもほど、「どんなおもちゃを与えるか」ということより、「誰と、どんな風に、遊ぶか」の方が、重要だったりします。

いつも保育室にあるおもちゃ。おもちゃ箱の中に入ったままで、ほとんど出番がなくなっている。「はい」と渡しても、あまり遊ばない。
  • 「このおもちゃ人気ないんだよね…」
  • 「色々あるけど、なんだか使えないものばっかり…」
そんな風に感じること、ありませんか?

課題はおもちゃそのものではなく、もしかしたら「遊んでくれる相手」だったのかもしれません。

小さな子どもは、縫い目のことなんて気にしません。
  • 先生が作ってくれた布おもちゃ。
  • それで、一緒に遊んでくれる。
  • たくさん笑って、「すごい」「素敵」って言ってくれる。
それだけで、十分なんです。
まずは一つから、布おもちゃを作って、子どもと一緒に遊んでみませんか?
ゆっこせんせい

この記事を書いた人

ゆっこせんせい

布おもちゃ作家。一般社団法人 布育普及協会 代表理事。静岡市清水区在住。十数年の保育士勤務と育児経験を経て、小さな頃から大好きだった手芸を生かし創作活動を始める。作家歴15年。
「“おもちゃ”は、子どもにとって、単なる暇つぶしの道具ではなく、成長・発達にとってかけがえのないもの」という考えのもと、育児や保育に役立つ布おもちゃを提案している。
保育雑誌「ピコロ」「ひろば」「ポット」で連載。「ラポム」「幼児と保育」などで執筆。清水区の「ぬのいく協会アトリエ」にて「布おもちゃのお部屋」運営中。
<ぬのいく協会HP>
http://nunoiku.com
<ブログ>
http://ameblo.jp/yukkotoy

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