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ブラジルで拡大する新型コロナで休園に【カノア保育園の生活】

世界に広がるウイルス
前回に続いての続報です。ブラジル・カノア保育園の設立ストーリーと並行して、ブラジルの文化や地元の生活を紹介していますが、ブラジルでも拡大が止まらない新型コロナウイルス。カノア保育園のある地域は観光地として知られていますが、心配な現地の状況についてのレポートです。
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新型コロナの拡大状況

新型コロナウイルスの影響は拡大し続けており、日本国内においてはオリンピックの延期が発表されました。さらに2020年3月最後の週末には、東京都だけではなく、私が住む神奈川県も含めた関東の知事が「外出自粛要請」を発表しました。この週末の状況によっては、首都圏がロックダウンになりかねない。だからこそ、個々人が対処することで拡大を防ぎたい。そんな思いがあるのでしょう。

ブラジルでは

ブラジルでも、公共機関の閉鎖を始め、状況は以前より深刻化しています。観光地として名高いカノアでも、レストラン、ホテルの休業を宣言。スーパーは時間を短縮し、限定的な販売を行っているようです。自宅を出ることが禁止されていることもあり、住民の多くは電話で注文をして届けてもらっています。

現在はカーニバル直後、イースター前という時期。観光地として多くの商業施設がありますが、休業を余儀なくされていることから失業率が急増しています。失業していなくても、働いていない分の支払いはできないということで、日々の食費もままならないという切実な現実を目の当たりにしている人々が多くいます。

そんな中、私たちの活動の一つでもある、「地域子育て支援ネットワーク」では、Cesta Basica(米、豆などの基本食材)の支援を募り、必要な家庭に配布するという活動を地域で実施しています。この活動は、もともと商業施設のオーナーが始めたものを、地域住民が協同で実施するようになり、現在のような形に発展してきたもの。地域で困った人がいれば、手を差し伸べる。核家族化が進み、地域のつながりが薄れてきたと言われている昨今ですが、こうした大きな局面においては、共に支え合う姿を見ることができます。


カノア保育園、休園へ

ブラジルのボルソナール大統領は3月25日に声明を発表しました。「新型コロナウイルスの影響で経済破綻の恐れがあるので自粛を緩和してほしい」と、各州知事に要請したというのです。

これを聞いた多くのブラジル国民は怒りをあらわにしました。そして、私の住むセアラ州知事はすぐに声明を発表したのです。

「大統領の声明が発表されたが、私たちはWHOや世界情勢を顧みて、継続して外出制限及び公共機関の閉鎖を要請する(簡略)」

サンパウロ在住の知人によると、近所に住んでいた人が検査陽性となり、先日亡くなったそうです。遠い国の話だったかもしれない。それが、今では我が家にまで及んでいる。そんな危機感が強まっていると彼らは訴えます。

カノア保育園はしばらく休園です。再開のめどはたっていません。まだエステーヴァン村の住民に感染した人はいませんが、引き続き一人ひとりが「3つの密を防ぎ、手洗い・うがいをする」ということを徹底していくしかない。そんな状況が続きます。

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鈴木真由美(すずき まゆみ)

この記事を書いた人

鈴木真由美(すずき まゆみ)

保育士。ブラジル・カノア保育園 園長。2000年にブラジル北東部にある漁村カノアに渡り保育園の運営を始める。2006年にカノアでの支援を目的にした「光の子どもたちの会」を設立(2015年にNPO法人となる)。現地の地域力向上を目指して活動中。2児の母。

<光の子どもたちの会HP>
http://criancasdeluz.org/quem_somos_nos/quem_somos_jp.html

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