>>連載一覧はこちら
ロックダウンをしないストックホルム
今回は、世界中で感染が拡大している新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)とスウェーデンのプレスクールがどのように対峙しているかをお伝えします。まず前提として、スウェーデン社会は首都のストックホルムであっても世界各国のようなロックダウンはしていません。それでも多くの市民は落ち着いて生活ができています。それは、国からの指示を国民の多くが守っているためだといえます。その内容は、70歳以上の外出自粛要請、50人以上の集会禁止、在宅勤務の推奨、高校以上の高等教育機関はオンラインでの授業などです。プレスクール、小中学校および学童保育は開校しています。子どもが重症化するケースが少ないことなどが理由です。
このような状況の中、私たち現場の保育士は国および自治体の指導に基づき、以下のような対応をしながら自分たちの感染リスクや子どもの安全を確保しつつ、日々の活動を行っています。
- 健康な子ども、保育士のみプレスクールに出席可能
- 衛生管理の徹底
- 屋外活動の徹底
健康な子ども、保育士のみプレスクールに出席可能
1つ目は「健康な子ども、保育士のみプレスクールに出席可能」。これは国を挙げて徹底されていることですが、熱・鼻水・せき・のどの痛みがある人は自宅にて静養し、症状がなくなってからもさらに2日間は猶予期間として外出しない、ということを強く言われています。もしそのような症状が見られた場合は、保護者にお迎え要請をするように取り組んでいます。そのため、健康な子ども、保育士しかプレスクールにいない、という状況が確保されています。これがあることで、私は安心して働けます。もちろん電車で出勤しているのでリスクはゼロにはなりませんが、子どもだけでなく国民全員がこのルールの元に生活しているため、街には健康な人しかいないという前提が疑心暗鬼にならず落ち着いて生活できている理由です。衛生管理と屋外活動の徹底
2つ目は、手洗いの徹底とこまめな室内の消毒、昼食のビュッフェの禁止があります。3つ目の屋外活動の徹底は、午前も午後も屋外で活動することに加え、保護者の保育室への入室を原則断ることも先日追加されました。また、職場は都心にあり、バスで移動することが多かったのですが、今はバスの利用をやめ、近所の森林公園が主な活動の場所になっています。他のプレスクールの子どもも集まるような遊具の充実した場所は行かないようにしています。
対応の現状と今後
この取り組みが功を奏するかは今は判断できません。しかし、上述の1つ目の対応はプレスクールにおける全ての関係者の感染リスクを減らすのに効果的だと思います。日本でもさまざまな対策が取られていると思いますが、ぜひこの取り組みも参考にしてもらえればと思います。
▼その他のスウェーデンの幼児教育コラム