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手作りおもちゃの作り方【みんなで作るカノア保育園・その10】

村をお散歩する子ども達
2000年、ブラジル北東部にある人口300人の小さな漁村“カノア・ケブラーダ”に保育園を作った鈴木真由美さんのストーリーの10回目。今回は、カノア保育園のおもちゃ事情について。子どもたちはどんなおもちゃがお気に入りなのでしょうか。
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子どもたちが一番好きなおもちゃ

初めて保育園という場所に通い始めた子どもたち。今、目の前には12名の子どもたちがいます。朝、お母さんや兄弟、おばあさんと保育園にきて入り口で挨拶をすませると、お部屋の中に入っていきます。「半年前には考えられないほど、子どもたちは日々成長している。」私たちはそんな風に手応えを感じ、嬉しく思っていました。

カノア保育園にはもともと、おもちゃが少しありました。木の家に、車や人形。これらは、エヴァさんと私が以前働いていたサンパウロのスラム街にある保育園からのプレゼントとしていただいたものでした。しかし、子どもたちがいちばん大好きなおもちゃが別にありました。それは、毎日お散歩に行ったときに拾ってくる、石や木の実、貝殻や木の枝などでした。

子どもたちの想像力は本当に豊かで、石や木の実があっという間に家や、そこに住む家族へと早変わり。日々の家での生活をおままごととして表現しているだけかと思いきや、ときには私たちが登場し、保育園が舞台ということもあります。子どもたちの目に私たちの存在がどんな風に映っているのか。それが、おままごとを通して見えてくるのは、私にとってとても面白い体験でした。




自分たちのおもちゃを準備

ある日、エヴァさんは私に、

「今度お散歩に行くとき、子どもたちと一緒にこれからも保育園で使っていけそうなおもちゃを持って帰ってこよう」

と言いました。

「子どもたちが毎日拾ってくるものではなくて?」

と私が聞くと、

「石は大丈夫だけど、木の実や枝は、虫がわいてきたり、ぽろぽろと皮がはがれてきてしまうから、それも考えて、選んで持ってこないと」

とエヴァさん。

そこで、私たちは子どもたちが思い思いに拾ってくるもののほかに、私たち自身で「これはニスを塗れば、これからも長く使えそうだな」などと考えながら、木の実や枝を拾っていったのです。

木の実はそれぞれに乾かし方があり、ただお日様に当てれば大丈夫!!というわけにはいかなそうです。

そこで、近所のおばあさんに教えてもらいながら、“どうしても虫がわいてしまうものはお部屋の中には置かないように” “皮の部分だけを使うものは、中の実を取り出して…”など、工夫しながら自分たちのおもちゃを準備していったのです。

素敵なおもちゃと出会える機会

村をお散歩するだけで、素敵なおもちゃと出会える。それが私にはとっては、とても楽しく、ワクワクすることでした。

こうして私は、保育園で子どもたちとお散歩に行ったとき以外にも、一人で海岸を散歩したときに石や貝殻を拾いながら歩くようになりました。いつもなら「そこは気を付けて!」と言われて危険を回避している森には、残念ながら一人で行く勇気は持てませんでしたが…。
 
村をお散歩する子ども達
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