どうする?ストレスを抱える子どもたち。今こそ自然の中での「センス・オブ ・ワンダー」が必要とされる訳

お散歩中の子ども
“森のようちえん”活動をしている野村直子さんによる、「子ども」と「自然」をテーマにした連載。今回は、外出自粛生活で大きな不安やストレスを感じている子どもたち、そして大人のケアについてです。

誰も経験したことがないこの未曾有の出来事、コロナ禍で不安やストレスを感じながら保育に当たっている方もいるのではないでしょうか。

生活や保育の中で、まるで、ウイルスという目には見えない“敵”に立ち向かっているような感覚もあります。その中で子どもたちは、大人のその不安や恐れを肌で感じながら過ごしているかもしれません。

先日、「コロナごっこをする子どもたち」の記事がありました。それは、ストレスからくる行動だそうで、子どもなりに心のバランスを取ろうとしているのでしょう。

千葉の台風被害(2019年)、北海道胆振東部地震の被害(2018年)、東日本大震災(2011年)の避難生活などの時も、同じような子どもたちの姿があったことを聞きました。

その当時、被災したお母さんから、上記の記事のような子どもの姿を見て「何を言ってあげたら良いかわからない」という相談を受けました。その相談を持ちかけてきたお母さん自身、表面的には気丈に振舞っていましたが、ストレスを抱えている状態でした。

人は、自分一人では対処できない程の大きな壁にぶつかった時、目の前のその壁で、先が見えなくなり、頭の中でぐるぐると出口を探している状態になるようです。

そんな時は、「今、この瞬間」に意識を向けることが大切だと思っています。
今、自分の中にある“その不安や恐れ”に蓋をせず、そのままを心で感じることが大事です。

これは、子どもたちも同じです。どんなことが不安なのか。何が怖いのか。そのことを表現する機会を作ることが必要だと思います。その“不安・恐れ”を解決してあげることも、無くしてあげる必要もありません。ただ、「そうだね」と子どもの気持ちを受け取るだけで良いのです。

もちろん不安などをあまり感じていない子どももいますので、無理に“不安・恐れ”を引き出す必要はありません。

そして、子どもと一緒に外へ出て「今、この瞬間」に意識を向けてみてください。

少し散歩するだけでも、いろいろな気づきや発見が生まれます。

ついこの前まで、黄緑色の若葉だった公園の木々が、一雨ごとにつやつやとした緑色のしっかりしたと葉になっていき、わさわさと茂り出しています。
 
ツツジの写真
私は最近、鮮やかなツツジの花の色や形を見て、シャクナゲの花にそっくりなのを発見しました。また、昨日までは何もなかった場所に、アリの巣ができていることに気づき、その巣から出たり入ったりしているアリの様子に興味を持ち、子どもたちが普段体験していることを私自身が体験したような気持ちになりました。

子どもは、もっといろいろな発見をするでしょう。そして、さまざまな遊びを見出すでしょう。

今こそ、こうした自然の中での瞬間の体験が大切だと感じています。

だから、「今こそ、センス・オブ・ワンダー」です。

「なんだろう?不思議だな?」という感覚を大切にすることで、子どもたちの心も、保育者自身の心も解放され、癒されるように思います。

いつも通りの季節の移り変わりにほっとします。

そして、新緑が放つ自然のエネルギーに圧倒されます。コロナ禍で、新たに自然を発見し体験している人が増えているようです。

地域や園によって、散歩に行ける・行けないなどの制約があるかもしれませんが
室内で、見えない敵に怯えながら保育をするよりも、外に出て、自然を感じながら過ごすことで、子どもたちは「今、この瞬間」を体験し始めます。

そして、私たち保育者も一緒に、その「今」を共有することで、ほっとした時間を過ごせるのではないでしょうか。

>>工夫を楽しむ力?子どもに育んでほしい“レジリエンス”とは
>>「いのちの体験」が子どもの成長にとって大切な理由とは
野村直子

この記事を書いた人

野村直子

「子ども」と「自然」をキーワードに国内外での保育と自然体験活動などの経験を重ね、 “森のようちえん”という自然保育の活動に関わる。小規模保育室園長を経て、現在は新しい視点で子育ての質を伝えて行くため『new education LittleTree』代表として研修事業をメインに活動中。
<ホームページ>
https://www.new-edulittletree.com/

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