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生まれつき持っている?子どもたち同士の助け合い行動

手を繋いで歩く子どもたち
自然の中での保育を専門にしている野村直子さんによる、「子ども」と「自然」をテーマにした連載。子どもたち同士の間で自然に見られる助け合いの行動について考えてみます。
異年齢で自然の中に出かけると、子どもたちの優しいあり方に感動することが多くあります。

0〜1歳児で自然の中に出かけた時のことです。大人の足で2〜3歩で登れてしまうような低い土手を1歳児の一番活発なAくんが軽く登って行きました。

それに続いて、0歳児の歩行が安定してきたBくんも真似をして登ろうとしてみたものの、Aくん程の脚力がありません。転びそうになると同時にすぐに手をついて、そのまま四つ這いになって土手に登りました。

Bくんはその土手を登ることが楽しくなり、四つ這いで登っては、お尻でずりずりと下まで降りていき、また登るということを繰り返していました。

するとそこに0歳児のまだ歩行が安定していないCちゃんがやってきました。Bくんの真似をして四つ這いで登ろうとしたけれど、足も手も滑ってうまく登れません。Cちゃんは、登れないことに少し怒りながら「あ〜〜!」と声を出しました。

すると上に登っていたBくんは、上からCちゃんの服を掴んで引っ張ろうとするのです。どちらも不安定な状態で、Bくん自身も滑り落ちそうになりながら、Cちゃんを助けようとしていました。

最終的には、Bくんが側にいた保育者に助けを求め、保育者がCちゃんを支えるのを手伝い、Cちゃんが上に登れたのを見ると、満足そうな表情をしていたBくんでした。




自然の中で過ごしていて、少し急な土手や崖登り、難しい木登りなどの場面では度々このような子ども同士の助け合いの姿を見ます。小学生が幼児へ、幼児が乳児へ、年齢期に関係なくこのような姿が見られます。

人工的な遊具で遊ぶ時よりも、自然の中ではずっと多くの助け合いの場面があります。持って生まれた本能なのかもしれません。

以前、0歳児に正義の心はあるという研究結果を聞いたことがあります。自然の中だと、よりその本能的な正義感を発揮する場面が増えるのではないかと思います。自分が苦労して登った場所だから、自然に友だちへの手助けの行動が生まれるのでしょう。
 
植物

今、世界で起きているさまざまな問題は、お互いの助け合いなくしては解決できないものばかりです。それには、相互の理解力や調整力などが必要になってきます。

本能的な正義感や人に貢献したいという子どもたちの心を大切にすることで、こうした力が育まれるのではないかと思っています。

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