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映画『あの日のオルガン』原作者・久保つぎこさんが経験から学んだ、子どもへの寄り添い方【Vol.2】

「あの日のオルガン」原作者の久保つぎこさん
太平洋戦争末期の疎開保育園の様子を描き、2019年に映画化されたノンフィクション『あの日のオルガン~疎開保育園物語』原作者である久保つぎこさんインタビュー第2弾。今回は、幼稚園の園長経験がある久保さんに保育に対する想いについて伺いました。久保さんが幼稚園での生活を通して経験し、得たものとは?

話し合うことの大切さ

久保さんは、幼稚園の園長先生を経験をされているのですね

そうです。ただ、教員免許状は持っているけれど経験がなくて。ずっと演劇やら童話やらルポルタージュやら。そして結婚と離婚、子ども3人を育てて。園長職をいただいたのは65歳のときです。普通60歳で定年でしょ。頼まれたときは、本当にびっくりしました(笑)。

どのようなことが大変でしたか?

最初は職員、子ども、保護者…もう人間の数に圧倒されちゃいましたね。私はずっと個人営業でしたから。人が山のようなかたまりに見えちゃって、結構くよくよしました。

少しずつ目が慣れてきて、というとおかしいけれど、なんとか落ち着いたら、私は子どもが好きだし、親御さんのことも同じように好きらしいと思って(笑)。

無理難題は年がら年中…。そりゃそうですよ。幼稚園は幼児が主役なんだけれど、まだ言語が発達しきっていないので、子どもは自分の気持ちを言葉でうまく説明できない。親もね、「はじめてお母さん」「はじめてお父さん」が多いでしょう。

園長の役目って職員代表ですから、保護者のさまざまな感情にも向き合わなくてはいけない立場なのね。

難題の解決方法ですか? 話し合いです。保護者の言い分をちゃんと聞く。自分の意見もちゃんと伝える。分かってもらえてないと悩んだし、怖かったけれど…ええ、保護者のことが怖かったんですよ、はじめは。

でも、話し合いは無駄にはなりません。たとえ物別れに終わってもね。話し合いの後は「なるほど、こういう人だったのか」と前より安らかな気持ちになるんです。「開かないドアはない」と、65歳を過ぎて私の方が幼稚園で学んだのです(笑)。

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