はじまりは愛着から 人を信じ、自分を信じる子どもに
- 保育の知識
書籍説明
【絵本専門士・うっちー先生のコラムより】ところで、父親がテーマということにふれましたが、みなさまは母性と父性についてどうお考えですか?
児童精神科医の佐々木正美先生をご存知の方も多いと思います。自閉症治療教育プログラム「TEACCH」の第一人者であります。若かりし頃、講演を直接聞かせていただいて感銘を受けました。もうお亡くなりになられているのが残念でしかたありません。しかし、多数の著書を残しておられるので、その考えに触れることはできます。その先生の言われる母性・父性の考え方、とらえ方が自分の保育園の中での経験とすごくリンクするので、紹介いたします。
(中略)
母性性、父性性としてあるのは、母親だから母性、父親だから父性を分けられるものではなく、母親でも母性父性を持ち合わせ、またその逆もあるからです。これを保育園の中に置き換えた場合、母性に溢れた保育士(男女問わず)、父性に溢れた保育士(女男問わず)が存在することになります。
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これは保護者だけではなく、保育士にも当てはまることだと思っています。母性豊かな保育士は、子どもの姿や行動をじっくりと見守り、その全てを受容する眼差しをしています。父性豊かな保育士は、約束や規律の中から、協同性や協調性を子どもたちに気づかせ身に付けていくことで子どもの成長を促していきます。
もちろん一人の保育士の中に両立するものであり、母性と父性をバランス良く持ち合わせながら保育をしていきます。母性の強い男性保育士や父性の強い女性保育士も身の回りにいることでしょう。
【書籍概要】
佐々木正美氏は、児童精神科医として半世紀以上も臨床に携わり、子どもたちの健やかな心の成長を願い、見守り続けてきました。
「感動と意欲の源泉を育てる」「『いい子』に育てないすすめ」「絵本を読み聞かせる大切さ」「子どものウソについて」「自立に必要な依存と反抗」など、乳児期から思春期までそれぞれの発達段階で、子育てをする際に心にとめておきたいことを、子どもとその家族に向き合ってきた著者が、その経験を踏まえて読者に語りかけます。
子育てをしていると、つい感情的に叱ってしまったり、こちらの思うようにならず落ち込んでしまったりします。
いつも、どんなときも子どもの立場に立った著者の言葉は、ときにはやさしく、ときにはきびしく、わたしたち大人の耳に響きます。
迷ったり、困ったり、悩んでしまったりしている方はもちろん、子育てに関わる人すべてにおすすめの本です。
【著者情報】
佐々木 正美
児童精神科医。1935年、群馬県前橋市に生まれる。1966年、新潟大学医学部を卒業後、ブリティッシュ・コロンビア大学に留学し、児童精神医学の臨床訓練を受ける。帰国後、国立秩父学園(重度知的障害児居住施設)厚生技官、東京大学医学部精神神経科助手(併任)文部教官を経て、財団法人神奈川県児童医療福祉財団・小児療育相談センター所長、社会福祉法人横浜市リハビリテーション事業団参与、ノースカロライナ大学医学部精神科TEACCH部非常勤講師、川崎医療福祉大学医療福祉学部教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
詳細情報
福音館書店
- 著者
- 佐々木正美 著
- 絵
- 山脇百合子
- 体裁
- 19×13cm/208ページ
- 価格
- 990円(税込)
- 発行
- 2017-09-06