キッズアプローチ 子ども主体の保育 ~生きる力・非認知能力を育てる
- 保育の知識
書籍説明
「Yちゃんは、心の中で『さようなら』してたのよね」そう言ってYちゃんをかばったのです。
子どもたちが全員で「さようなら」の挨拶をする際に「Yちゃん、さよなら言ってないよ! 」と言われた子どもがいました。その際の保育の神様といわれた堀合文子先生の対応です。
その翌日、私はYちゃんの態度を注意深く見守っていました。きかんぼうだったそれまでの彼とは、どことなく雰囲気が違っていました。そして帰り際、自然に「さようなら」の挨拶をしたのです。
「常に子どもの行動を肯定する」。それが保育において大切な基本姿勢であることを、ここで確信したのです。子どもの心を理解する、何事も善意で捉えて考える―
子ども中心主義の保育を実感した瞬間でもありました。
幼児教育の父・倉橋惣三の理論に学び、保育の神様・堀合文子の基で実践を学んだ教育者×経営者・大塚雅一が、未来に必要な生きる力・非認知能力を育む「子ども主体の保育」を実現する手法「キッズアプローチ」について、その理論から実践までを解説しています。
第2版では、保育・教育分野を牽引する2名の専門家、東京大学名誉教授汐見稔幸先生、お茶の水女子大学名誉教授の内田伸子先生と、大塚雅一の対談が新たに収録されています。
保育者の皆様や子育てをしているお父さま、お母さま、子どもに関わる全ての方々に読んでほしい1冊です。
■概要紹介
第1章 私の歩み~すべては夢から始まった~
大塚雅一がどのような思いで、どのような経験を経て今に辿り着いたのか、保育者・起業家としての歩みを記しています。小さな部屋で「理想の幼稚園を創る」と思い描き、一歩一歩前へ進み、実現に至るまでをつづっています。
第2章 一人ひとりに寄り添う~自己肯定感を大切にするキッズアプローチ~
理想とする「子ども主体の保育」をどのように実践しているのか、保育園・幼稚園の現場でのエピソードの数々をお伝えします。「ダメ」と子どもに言わない、子どもにかける言葉は少ないほうがいい、など具体的な実践方法も紹介しています。
第3章 生きる力を育む~非認知能力の大切さ~
「非認知能力」について、また、乳幼児教育に関する調査・研究、「キッズアプローチ」の目標を具体的に解説しています。
第4章 環境を創る~子どもの感性・挑戦心を刺激する~
「キッズアプローチ」にもとづく「環境設定」の具体例を紹介しています。また自己肯定感を育てるために必要な保育者の関わり方「子ども同士のトラブル時、すぐに仲裁に入らない」「結果ではなくプロセスを褒める」など多数解説されており、保育者必見の内容です。
第5章 「子ども主体」の大切さ~幼児教育のプロと語り合う~
保育・教育業界の第一線で活躍する研究者、東京大学名誉教授・汐見稔幸先生とお茶の水女子大学名誉教授・内田伸子先生との対談企画。実績豊富なお二方と、「子ども主体の保育」をテーマに語り合っています。
第6章 新たな夢~挑戦なくして成長なし~
今後のビジョンを記しています。私たちが思い描き、実践している子ども主体の保育を、日本からアジア各国へ広げていきます。
詳細情報
リスナーズ株式会社
- 著者
- 大塚雅一
- 体裁
- 単行本(ソフトカバー)
- 価格
- 1,650円(税込)
- 発行
- 2020-12-01