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基本的な性知識の考え方|保育者が知っておきたい性教育の基礎知識

基本的な性知識の考え方
医師専門家×クリエイターによる家庭でできる性教育サイト「命育」の協力のもと、保育者として知っておきたい性知識について考えるシリーズ、第1回目は「【国際基準の性教育】幼い子どもと「身体」のことをどのように会話すればいい?【動画付】」  をもとに保育者向けにアドバイスを加えて紹介します。
幼児期の子どもたちは、自分の身体に何が起こっているのか、保護者や、身近な大人たちに知ってもらおうとするようになります。周囲の大人たちは、子どもたちの身体のパーツがいったい何なのか、そして、子どもたちの身体は子どもたち自身のものであるということを、理解できるようサポートしてあげることができます。

今こそ、身体に対して健康的で前向きなイメージをもてるように準備をすることや、他の人たちのことを尊重することを教えるときなのです。
 
こちらの記事   は、毎年世界で約120万人に性教育のプログラムを提供しているアメリカのPPFA(全米家族計画連盟)による記事を、許可を得て、命育にて翻訳・日本向けに医療監修のうえ作成しています。保護者が子どもに性のことを伝える難しさや抵抗感は、世界共通。国際基準の性教育ですが、保護者や子どもの気持ちに寄り添いつつも「伝えておきたい知識をシンプルに・科学的に」伝えるコツを紹介しています。ぜひご参考ください。

どのようなことに気をつけるといいですか?

 
体のパーツを指す子ども
幼児期の子どもたちは、自分の身体についてコミュニケーションをとる方法を学ぶ必要があります。子どもたちは、身体のパーツの名前を学び、身体に対して感じていることを、伝えられるスキルを身につけることが大切です。
保育者や保護者の皆さんは、子どもたちが身体について的確にコミュニケーションできるように手助けしてあげることで、子どもたちを守ることができ、また将来、子どもたちが自分自身をケアすることができるようになります。
 
子どもたちが大人になったとき、自分の身体をどのように感じていてほしいですか?

小さな子どもの多くは、自分の身体に対して「境界」を感じていません。なので、多くの子どもたちは、裸で走り回るのが大好きですよね。そんなとき、保育者として、子どもたちに自分の身体を恥ずかしく思わせないようにその場にふさわしい行動をとることができるよう声がけをする必要があります。

自分の身体を恥ずかしく感じさせてしまう言葉や口調とは、どのようなものだと思いますか? 例えば、「シャツを着なさい!恥ずかしい!」。そのような言葉・口調の代わりに、適切な行動をとらせる別の方法は、どのような言い方があるでしょう? 例えば、「ご飯の時間ですよ。さあ、服を着ようね。」。
 
また、幼児期の子どもが自分の性器に触ることは正常なことなので、心配はいりません。

 

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性教育サイト命育

保育者に向けてアドバイス
保育のシーンでも同様の行動がみられると思います。お着替えの場面やトイレの後などの声掛けを工夫してみましょう 。



身体の部分について、子どもたちにどう話をすればよいですか?

体のパーツ
たくさん話をできるようになると、子どもたちは、性器を含むすべての身体のパーツの名前を知る必要があります。お風呂、朝のお着がえ、夜のパジャマへのお着がえは、身体のパーツを知るのにピッタリな時間。
 
もし保護者自身に抵抗がなければ、おちんちん、おまたなどの呼び方とあわせて、ペニス(陰茎・いんけい)、精巣(せいそう)、ワギナ(腟・ちつ)、など、正式な名前を使用してください。正しい名前を知ることで、これらのパーツも、体の部位と同じものであり、恥ずかしいものではないと伝えることができます。  
 
また、性器について会話するときの態度も大切です。保育者やお父さん、お母さんは、過剰に(怒ったり恥ずかしがったり)反応していませんか?

そのような態度は、子どもたちに、身体についてに質問をしたり、疑問や悩みを抱いてはいけないんだと思わせてしまいます。なので、冷静さを保ち、子どもたちと会話をするようにしてください。
 
また、性器を含むプライベートゾーンは、誰が、どんなときなら、見たり触れたりできるか、  明確に伝えておきましょう。シンプルなルールを教えておくことで、子どもたちを性的虐待から守ることに役立ちます

例えば、このような伝え方があります。

「お父さんとお母さん、病院では、お医者さんや看護師さんだけが、プライベートゾーンを見てもいいよ。他の誰かが、見たり触ったりしたときや、あなたがイヤな方法で触ってこようとしたときは、「イヤだ」と言って、逃げていいんだよ。そして、お父さんやお母さん、周りの大人にすぐに教えてね。  」
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保育者に向けてアドバイス 
プライベートゾーンとは口及び下着で隠れる場所のことを指します。子どもが性暴力の加害者や被害者、傍観者にならないように、文部科学省による「生命の安全教育」を活用することが令和3年4月より段階的に進められることになりました。絵本などのツールを使って、子どもたちに紹介することもいいでしょう。  

命育では、プライベートゾーンやからだを学べるお風呂ポスターやワークブックを制作しています。園でも活用できますので、ご参考ください。

「からだ」「プライベートゾーン」お風呂ポスター 

「からだ」「プライベートゾーン」お風呂ポスター |命育
>>「からだ」「プライベートゾーン」お風呂ポスター の詳細はこちら

 クイズや工作しながら「からだ」「プライベートゾーン」「ジェンダー」を学べるワークブック 

クイズや工作しながら「からだ」「プライベートゾーン」「ジェンダー」を学べるワークブック
>>「YOUR NORMAL」ワークブック+ワークシート について詳しく見る

>>生命の安全教室|文部科学省  について詳しく見る
 
子どもからの質問に答えるときは、細かいところまで伝える必要はありません。例えば、胸についている小さなものはなに? と聞いてきた場合。

「これは乳首というよ。誰もが乳首を持っているよ。」で、大丈夫。すべての人が母乳で育てているわけではないので、母乳育児についてや、なぜ誰もが乳首を持っているのか?という理由を説明する必要はないでしょう。
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保育者に向けてアドバイス 
保育園時代は、子どもたちが“違い”について興味を持つ年頃です。子どもたちに聞かれたら、はぐらかしたりせずシンプルに答えるのがポイントです。

誰が何を持っているの?という性別の違いについて

 幼児期の子どもは、性器について質問することや、男の子と女の子で身体がどのように異なるかについて質問することがよくあります。

最も簡単に答えるのであれば、女の子には腟があり、男の子にはペニス、精巣があるということですが、その答えは、すべての男の子と女の子に当てはまるわけではありません。

なので、こういえるでしょう。「ほとんどの女の子には腟があり、ほとんどの男の子にはペニスがあるよ。」

ただし、ジェンダーについてどのように子どもに伝えていくのかは、保護者自身の価値観や子どもの成長に応じて考えるとよいでしょう。
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性教育サイト命育

保育者に向けてアドバイス 
性についての考え方、とらえ方は園や家庭によっても異なります。保育者だけの考えに偏るのではなく、家庭や子どもの状況に応じて考えるとよいでしょう。



幼児期の子どもが、前向きなボディイメージを持てるようにする方法は?

 幼児期の今こそ、子どもたちが身体について健康的で前向きな気持ちになれる土台を築く良い時期です。これによって、友人たちや周囲の人間、メディアなど、将来的に身体に対するイメージに悪影響を及ぼしうるものから、子どもたちを守ることができます。
 
子どもたちの耳に、身体に対する否定的な情報が入らないように気をつけてください。保育者や保護者自身が、自分たちの身体(特に子供の前では)の見た目について否定的なことを言わないようにしましょう。
 
また子どもたちは、自分の身体とは異なる見た目の身体がある、ということに気づくことがあるでしょう。そのときこそ、すべての人はそれぞれに違った身体を持ち、誰もがそれぞれで美しいということ、そして完璧な人など存在しないことについて、子どもと話をすることができる瞬間です。また、自分とは異なる人を尊重するということを、子どもに伝えるよいチャンスです。
 
多様性を受け入れましょう。アニメキャラクターや本などを活用して、さまざまなアイデンティティを持つ人たちや、さまざまな肌の色をもつ人たちの物語に触れることは、子どもにとって良い機会になります。それは、すべての人種や民族の子どもたちにとって大切なことです。

さまざまな文化やアイデンティティを知ることで、子どもたちの「普通」と「美しい」という概念がさらに広くなり、多様な世界をより自然に受け入れるようになるでしょう。
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保育者へアドバイス 
保育者が男性、女性という固定概念にとらわれることなく、好きなものを選択し、興味のあることに挑戦できるという理解を進めるとよいでしょう。保育用品や製作などのシーンで無意識に男の子だから、女の子だからと選んでいないか考えてみましょう。


元記事はこちら 
【国際基準の性教育】幼い子どもと「身体」のことをどのように会話すればいい?【動画付】

【性教育動画】幼い子どもに身体のこと、どのように話をすればいい?(保護者・親子向け)

©Planned parenthood Federation of America(PPFA) /監修:産婦人科医 高橋 幸子、翻訳:命育編集部
 
※こちらのコンテンツ(文章、動画など)は、PPFAの許可を得て翻訳・監修のうえ作成しています。無断転載は固く禁じます。内容の紹介は命育サイト内ページ「【国際基準の性教育】幼い子どもと「身体」のことをどのように会話すればいい?【動画付】」をシェアいただくようお願いいたします。

Planned Parenthood Federation of America(全米家族計画連盟/PPFA)

 アメリカで1916年創立された女性の性・生殖に関する医療サービスを提供する非営利組織。全米に600以上の施設をもち、医療者による安全な人工妊娠中絶手術、避妊薬の処方、性病治療といった医療を手ごろな価格で提供している。学術調査や性教育にも力をいれており、学校や地域コミュニティ、オンラインなどにより毎年120万人の人々に性教育プログラムを実施。 International Planned Parenthood Federation(国際家族計画連盟)に加盟。
PPFA HP(https://www.plannedparenthood.org/

参照:
からだの大切な場所「プライベートゾーン」を教えて自分を大切にする土台作りを(イラスト・絵本)【助産師監修】 
≪年齢・男女に応じた性教育を≫ 子どもの心・体・性の成長・変化 
私たちのスタンス|「命育(めいいく)」とは 
乳幼児期の性に関する情報提供 保健師や親子に関わる専門職のための手引き  (性教育サイト命育)

次回は、12月頃「男らしい/女らしいって何だろう?」、「子どもの体に触るときに気を付けたいこと」など保育業務の中で必要な性教育の知識についてご紹介する予定です。

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ほいくis(ほいくいず)編集部

この記事を書いた人

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