皆さんは、どんな風に歌を導入していますか?
毎月、子どもたちと歌を歌うにあたって、どんな導入をしていますか? 特に新しい歌や手遊びを導入するとき、困っている先生も多いのではないでしょうか?保育の実習や複数担任の現場を通して、ワザを磨いていった先生方も多いかと思います。今回は、簡単なワザから応用方法まで、明日からの保育で使える方法をご紹介します!
子どもに「歌を伝える」ワザ3選
1、小物を使うワザ「応用できる!軍手人形」
皆さんがよく使っているのが、ペープサート・パネルシアター・エプロンシアター…など、小物を使った方法。そして、私が学生時代から活用しているのが「軍手人形」です。ポイントは1つ作っておくと応用が効くこと! これは実習やその後の保育現場でも、とても役に立ちました。 (イラスト/藤本ちかさん作)
私の絵で、イメージは伝わりますでしょうか…? ベースは100均で購入した白い軍手。指先にマジックテープを縫い付けておき、歌に合わせたアイテムを貼れるようにします。
例えば「コロコロたまご」の手遊びなら、指先に付けるアイテムは「にわとり」1羽と「ひよこ」4羽。手をグーの形にすると「たまご」になります。子どもに卵を「コンコン」と叩いてもらったり、温めてもらったりすることで、興味をもった状態で歌に入っていくことができます。
“軍手のグー”だけで卵になりますので、その中からテーマになるグッズ(お花のパーツ、鈴など)を出してみるのも面白いですね。
マジックテープで指先のパーツを付け替えると、他の曲にもスグ変えることができます。おすすめは「パン屋に5つのメロンパン♪」や「おはながわらった♪」など。保管場所も取らない上にレパートリーが増えるので、ぜひ作ってみてください♪
「これから保育士になりたい!」という方も、学生時代など時間に余裕があるときに作っておくと、実習や就職後に役立ちますよ。
2、紙を使うワザ「みんなで作る“歌絵本”」
これは私の先輩保育士さんが4・5歳の異年齢縦割り保育で使っていて、子どもたちにも好評だったものです。最初のうちは先生が全て作って見せてあげるのがおすすめです。例えば童謡の「あめふり」なら、こんな感じ。A3厚紙を半分に折って、半分に歌詞・半分に絵を描きます(曲を途中途中で区切っておきます)。曲を絵本にして“ストーリーから入る”ことで、子どもたちも楽しく歌に入っていくことができます。
まずは先生が画用紙の半分に歌詞だけ書いたものを作ります。自由あそび時間などに、お絵かきを楽しんでいる子どもたち数人に声をかけて、を書いてもらいます。みんなが描いた紙を製本(のりで貼って平綴じなど)にすることで、世界にたった一つの “歌絵本”が完成します。
慣れてくると、絵が好きな子は率先して描いてくれるようになりますし、文字に興味をもっている子は、先生が書いた歌詞の文字を指さしながら読む姿も見られます。
絵本コーナーに置いておくことで、子どもたちが自由あそびの時に手に取り歌っていることもあります。とても可愛い姿でほっこりしますよ(笑)。
さらに上級編になると、“歌絵本”を紙芝居風に使って、みんなに「歌い聞かせ」をするという使い方も。
5歳児クラスなら人前に立って自分の仕事をこなすことで責任感も養われ、小学校での活動に向けての練習にもつながります。絵を見ている人たちが見やすいように意識をして、相手と息を合わせて持つことも、相手を思いやる気持ちを育む場になりますね。
当時の私は、この歌絵本に大変感動したので、いつか動画で詳しく解説したいな…と思っています。
3、定番のワザ「口ずさんでBGMに」
先輩保育士さんが上手に歌っているシーンを、見たことがあるのではないでしょうか? 子どもたちがお片づけをしているBGMとして歌ったり、お散歩に行くときに歌ったり、さまざまなシーンで口ずさむこともオススメです。「ペープサートがないと歌を伝えられない!」「紙で歌絵本を作らないと!」と気を張ってしまうのではなく、自然体でのびのび気ままに歌う気持ちも、ぜひ忘れずにいてください。
「歌わないと!」と身構えてしまうと、顔の筋肉などが硬直してしまいます。
「先生はいろんなお歌を知っているんだな」「先生といたら楽しいな」「音楽は素敵だな」と、子どもに感じてもらえるような穏やかな温かさ、心からほほ笑む余裕も持ち合わせてほしいと思います。
いかがでしたか? 保育の音楽で困っていることや悩んでいることがあれば、ぜひ「ほいくis」のお問合せページからご質問くださいね。ご感想もお待ちしております!
>>ほいくisお問合せページ
次回は「音楽活動の振り返り(チェックリスト)」を用意したいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします♪ 明日からの保育時間が、より楽しいものになりますように!
【ほかおすすめのキッズミュージックコラムはこちら】