社会保険とは
社会保険は「健康保険」、「雇用保険」、「年金保険」、「労働者災害補償保険」、「介護保険」の5つの保険で成り立っているのですが、これらすべての保険に入れることを「社会保険完備」といいます。1つ1つの保険について簡単にみてみましょう。
健康保険
健康保険は、病気やケガをしたときなどに備える公的な医療保険制度です。勤め先を介して加入し、働く人と勤め先が保険料を負担しあって運営されています。通院した時に窓口で出す「健康保険証」を使ったことがある方が多いと思いますが、そのサービスをイメージするとわかりやすいでしょう。健康保険に加入していれば、出産の際には出産育児一時金が給付され、出産で休業した場合は出産手当金も受けることができるため、出産を考えている保育士の方はパートであっても健康保険に加入できる求人がお得と言えるでしょう。
雇用保険
雇用保険は、雇用つまり働くことに関する様々な支援をする保険制度です。保育者の方が失業や育児や介護などの理由で雇用の継続が困難になった場合に、次の仕事が見つかるまでの間の生活維持するためのお金を給付してたり、1歳未満の子の世話をするため育児休暇を取った際に支払われる育児休業給付金がもらえたりもします。
年金保険
年金保険は、「国民年金」と「厚生年金」に分かれます。国民年金は満20歳以上から60歳未満のすべての人が入らなくてはならない制度で、厚生年金は、国民年金に上乗せするかたちで、社会福祉法人や株式会社などで働く保育士の方が加入する年金制度です。国民年金に上乗せするので老後の受け取り額は多くなり、支払額の半分は企業が負担してくれるので入っておくと後々楽になると言えるでしょう。
労働者災害補償保険(労災保険)
労働者災害補償保険は、略して労災保険と呼ばれており、業務中や通勤中に起きたケガや病気に対して給付を行ってくれる保険です。給付の範囲は、治療費だけでなく後遺症や休業となった場合の賃金補償もしてくれるので安心できる保険と言えるでしょう。労災保険分は全額事業主負担となります。
介護保険
介護保険は、介護が必要と認定されたとき、介護のサービスが受けられる制度です。40歳になると介護保険への加入が義務となっており、健康保険料とあわせて介護保険料を毎月支払います。保育士が社会保険に加入する条件
社会保険の加入対象となるのは、常時雇用されている従業員です。正社員の他、代表取締役をはじめとする役員も対象です。パートやアルバイト、派遣社員で働いていても、働き方に応じて加入対象となります。項目 | 条件 |
週の労働時間 | 20時間以上 |
雇用期間 | 継続して2カ月を超えて使用される見込み |
月給 | 月額88,000円以上 |
従業員数 | 被保険者の総数か常時100人超 令和4年(2022年)10月から変更 2024年10月以降は、「被保険者の総数が常時50名を超える」に変更予定 |
条件を見ればわかるように、社会保険は保育士パートであっても加入することができます。
フルタイムでなくても週3日以上働いている人であれば、条件を満たす可能性はあるので自身の労働条件を確認してみてください。
社会保険に加入するメリットは?
社会保険に加入するメリットは4つあります- 将来もらえる年金が増える
- 休職や出産などの手当てが受けられる
- 障害がある状態になった場合、障害基礎年金、障害厚生年金が支給される(厚生年金保険の加入期間中)
- 会社が保険料の半分を負担する
社会保険が完備されていない場合のデメリットは?
社会保険は、ほとんどの事業所で加入が義務付けられています。社会保険に加入していない雇用主での労働はトラブルのもととなりますので避けたほうが良いでしょう。保育者が社会保険に加入することで、配偶者の被扶養者から外れることもあるでしょう。パート勤務の場合、現状では月額88,000円が1つの基準となりますので、加入したほうが良いか検討が必要です。
将来的にみれば、年金保険などが手厚くなったり、休職・出産時の手当てがあるなど恩恵を受けられることもあります。自身のキャリアプランと照らし合わせて考えましょう。
社会保険完備の保育士求人について
保育士の求人を見ていると「社会保険完備」と記載している求人を目にすることがあると思います。保育士としてキャリアを長く継続したい、自身でもしっかりと収入を得て将来に備えたい場合は、社会保険完備の求人を選ぶことをおすすめします。
自分ではなかなか決められない、制度がわかりにくいといった場合は、保育士転職のプロに相談するのが良いでしょう。 ■関連記事