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【2023年度】保育士試験の日程と受験資格・免除条件

2023年の受験日程と受験票
保育士になるための道として用意されている選択肢のひとつが、保育士試験。国家試験として年に2回開催され、合格することで保育士資格が取得できます。今回は、受験を考えている方に向けて、2023年度(令和5年度)の概要をご紹介します。

保育士試験とは

大学や短大、専門学校の保育学科を卒業すると同時に取得可能な国家資格である保育士資格。でも、「保育学科以外に通っているけど、保育士資格が欲しい!」「今から保育士資格を取得したいけれど…」という方もいますよね。筆者もそのひとりでした。

そんな目標を持つ方々が保育士になるための道として用意されているのが「保育士試験」です。受験を考えている人、迷っている人、もうすでに申し込み済みの人も、今一度概要をチェックしておきましょう。

受験を申し込むには?

保育士試験を受験するには、試験の実施・運営を行う「一般社団法人全国保育士養成協議会」の公式サイトから受験申請を行う必要があります。

申請方法は以下の2種類です。
  • オンライン申請 ※2023年(令和5年度)の試験からスタート
  • 郵送申請
2つの申請方法の概要を以下の表で確認してみましょう。
受験申請方法 オンライン 郵送
「受験申請の手引き(※)」の請求
(※)受験申請書や払込取扱票等の書類一式が同封されたもの
不要 郵送で請求が必要
(請求から5~10日程度で到着)
受験申請期間 【前期試験】2023年1月17日(火)~ 2023年2月6日(月)
※オンライン申請は開始日の午前10時~最終日の午後5時
※郵送による申請は最終日の当日消印有効
【後期試験】詳細が決まり次第公式サイトに掲載
申請に要する時間 最短5分
※24時間いつでもOK
1週間~2週間程度
顔写真や証明書 スマホで撮影してアップロード 郵送
受験費用 ▪12,975円
※コンビニ決済の場合
▪13,050円
※クレジットカード決済の場合
【内訳】
・受験料 12,700円
・支払手数料 
コンビニ 275円
クレジットカード350円
13,823円
【内訳】
・受験料 12,700円
・支払手数料  313円
・手引き請求手数料 370円
・簡易書留郵送料440円
支払い方法 ・クレジットカード
・コンビニエンスストア
・郵便局の窓口
※ATM不可
このように、オンライン申請であれば5分〜10分程度で手続きが完了し、費用も郵送申請より抑えられます。また、支払いはクレジットカードやコンビニから選択できるため、郵送申請のように郵便局まで足を運ぶ必要もありません。

その他にもオンライン申請には以下のようなメリットがあります。
  • マイページにて、申請受付状況受験票発送等の状況が確認できる
  • 平成28年以降に受験申請した方は過去合格した科目の免除期間が確認できる
  • 試験結果の確認ができる
  • 「結果通知書」「合格通知書」のダウンロードができる
ネット環境やスマホがある方は積極的に利用したいですね。

>>オンライン受験申請方法/全国保育士養成協議会

一方、郵送で申請する場合は余裕を持った手続きが必要です。筆記試験のだいたい3ヵ月前には受験申請の締め切りがありますので、早めに「受験申請の手引き」を取り寄せて手続きしましょう。

詳細はホームページで確認できます。

>>受験申請方法/全国保育士養成協議会

受験資格や科目、試験日程は?

2023年のゴール
まずは2023年度(令和5年)の日程と、保育士試験を受けるための資格や出題される科目を見てみましょう。

2023年の試験日程

保育士試験のチャンスは年に2回。4月~7月にかけて行われる前期試験と、10月~12月にかけて行われる後期試験です。2023年(令和5年)の試験日程は以下の通りとなっています。

【前期試験】
筆記:4月 22 日(土)、4月23 日(日)
実技:7月 2日(日)

【後期試験】
筆記:10 月 21 日(土)、10月22 日(日)
実技:12 月 10 日(日)

筆記試験から実技試験までの間は、意外と時間がないもの。合格発表の時期を考えると、本当にギリギリのスケジュールです。そのため、合否に関わらず筆記が終了したら実技対策に取り組むことをおすすめします。

また、正式な合否の判定にはなりませんが、見極める目安として解答速報を利用するのも方法の一つです。ほいくisでは、全国で保育士養成スクールを展開するキャリア・ステーションの協力により、解答速報をお届けしています。いち早く自己採点をしたい方はぜひチェックしてみてください。 参考:キャリア・ステーション保育士総合講座

受験資格

一般社団法人全国保育士養成協議会のホームページには、受験資格の詳細が細かく書かれています。平成3年4月1日から受験資格が「短期大学卒業程度」に引き上げられているため、原則的にはその基準に準じています。

しかし、例えば「大学に2年以上在学して62単位以上修得していること」や、「高等専門学校や短期大学の最終学年で卒業が見込まれること」など、さまざまなパターンがあるため条件は細分化されています。

また、保育科以外の高等学校を卒業した場合でも、幼稚園や家庭的保育事業など「児童等の保護または援護」に関する仕事に2年以上かつ2,880時間以上従事した場合は、都道府県知事の認定を受けて受験資格が得られる場合もあります。

自分がどの条件に該当するかなど、詳しくは協議会のホームページで確認してみてください。

>>受験資格/全国保育士養成協議会

試験科目

筆記試験は全部で9科目。そのうち2科目(教育原理と社会的養護)は、両方合格しないと合格判定となりません。筆記試験に合格すると実技試験の受験資格が得られます。

【筆記科目】
  • 保育原理
  • 教育原理及び社会的養護 ※二つとも合格しないと合格判定にならない
  • 子ども家庭福祉
  • 社会福祉
  • 保育の心理学
  • 子どもの保健
  • 子どもの食と栄養
  • 保育実習理論
筆記科目にある「教育原理」と「社会的養護」は、「毎年必ずどちらかがとてもむずかしい」とも言われており、受験者が苦戦する科目のひとつです。また、「子どもの食と栄養」には、細かいデータなど数字に関する出題がされることもあり、こちらも合格の壁となっているようです。

【実技試験】
  • 音楽に関する技術 ※ピアノ・アコースティックギター・アコーディオンのいずれかで演奏
  • 造形に関する技術 ※当日出題されるテーマに沿って絵を描く
  • 言語に関する技術 ※素話を行う
実技試験は、3科目の中から2科目を選択して受験しなくてはならないので、何を選ぶのかが重要な鍵となりますね。それぞれの内容を見てみましょう。

【音楽に関する技術】
「幼児に歌って聴かせることを想定して、課題曲の両方を弾き歌いする」という試験内容となりますが、こちらは前年度から課題曲が変わりました。
  1. 『幸せなら手をたたこう』(作詞:木村利人 アメリカ民謡)
  2. 『やぎさんゆうびん』(作詞:まど・みちお 作曲:團伊玖磨)
【言語に関する技術】
『3 歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、下記の1~4のお話のうち一つを選択し、子どもが集中して聴けるようなお話を行う』という試験内容となりますが、こちらは前年度と同じ課題となっています。
  1. 「ももたろう」(日本の昔話)
  2. 「3びきのこぶた」(イギリスの昔話)
  3. 「おおきなかぶ」(ロシアの昔話)
  4. 「3びきのやぎのがらがらどん」(ノルウェーの昔話)
【造形に関する技術】
「保育の一場面を絵画で表現する」という試験内容となりますが、こちらは当日に「問題文と条件」が発表されます。

試験会場は?

筆記試験および実技試験の試験会場は、47都道府県に1か所~複数の会場が設定されます。各会場の概要はホームページで公開されますが、アクセス方法については受験票に記載されますので、そちらを参照して行くようにしましょう。

>>試験会場/全国保育士養成協議会

受験科目の免除について

実は、既に持っている資格などで受験科目が免除される場合があります。どんなときに免除されるのか、見てみましょう。

幼稚園教諭免許所持者

申請をすれば、「保育の心理学」「教育原理」「実技試験」が免除になります。1種、2種、専修どれも違いはありません。

【令和6年度末(2025年3月末)までの特例制度について】
幼稚園教諭免許状(臨時免許を除く)を取得後、対象となる幼稚園等の施設で「実務経験が3年以上かつ4,320時間以上であること」が証明できる場合、「保育の心理学」「教育原理」「実技試験」に加えて「保育実習理論」も免除される制度です。

また、指定保育士養成施設における「学び(単位取得)」を行うことでも、該当する試験科目が免除されます。幼稚園等における実務経験と、指定保育士養成施設における学び(単位取得)の順番は問われません。

詳しくはホームページで確認しましょう。

>>特例制度について(幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例)

社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士

申請をすれば、「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」が免除になります。

3年以内に合格した科目がある

以前にも保育士試験の受験経験があり、合格した科目がある場合は3年間有効となります。また、対象期間内に対象施設で勤務をした場合、免除期間が最長5年まで延長できる制度もあります。

詳しくはホームページで確認してみてください。

>>筆記試験合格科目における合格科目免除期間延長制度について

受験のチャンスが増える「地域限定保育士試験」

CHANCEの文字をかたどった積み木
保育士試験は1年で2回チャンスがあると言いましたが、地域によってはもう1回受験機会が増えることも。それが、地域限定保育士試験です。

地域限定保育士とは?

地域限定保育士試験とは、合格した地域でのみ働くことができる保育士資格です。例えば、神奈川県で地域限定保育士試験に合格した場合は、神奈川県でのみ保育士として働くことができます。

「それだと引越したら大変…」と不安になるかもしれませんが、安心してください。地域が限定されるのは資格取得後3年間で、そのあとは全国で保育士として働くことができるようになります。

実技のみ保育士試験受験もOK

地域限定保育士試験に合格したけれどその後の実技試験を受験せず、次の年の通常保育士試験で実技試験に合格した場合は、全国で働くことができるようになります。その年中に資格を取得することはできませんが、どうしても「通常の保育士資格が欲しい」という場合は、このような受験の仕方も視野に入れておくといいかもしれません。

通常試験と並行して受験可能

地域限定保育士試験で合格した科目は、通常の保育士試験でも免除可能になります。その場合、最後に合格した試験の種類によって、付与される資格が「通常」「地域限定」に決められます。つまり、地域限定保育士試験を含めればチャンスは3回ということになりますね。

毎年必ずあるものではない

注意したいのは、実施は毎年必ずあるものではなく、また実施される地域も限定されているということです。

第1回目となった2015年(平成27年)に試験が実施されたのは、神奈川県・大阪府・沖縄県・千葉県(成田市)の4自治体。

2016年(平成28年)は大阪府・宮城県(仙台市)、2017(平成29年)~2021年(令和3年)は大阪府・神奈川県、2022年(令和4年)は大阪府・神奈川県・沖縄県と、まだまだ数が少ない状況です。

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保育士試験は、合格率が毎年20%前後と簡単ではありません。しかし、しっかり勉強を積み重ねて臨めば合格は可能。ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。

参考:一般社団法人全国保育士養成協議会ホームページ
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