成人の日とは
まずは「成人の日」についての解説と、子どもたちへの伝え方をご紹介します。成人の日の概要
毎年1月の第2月曜日は「成人の日」で、国民の祝日です。この日は「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」ことを目的としており、地域ごとに「成人式」などの式典を執り行う文化があります。出典:「国民の祝日」について/内閣府
成人の日は、ハッピーマンデー制度により毎年日付が変動する祝日です。2024年以降の日付は以下の通り。
2024年(令和6年) | 1月8日(月) |
2025年(令和7年) | 1月13日(月) |
2026年(令和8年) | 1月12日(月) |
2027年(令和9年) | 1月11日(月) |
2028年(令和10年) | 1月10日(月) |
出典:民法(成年年齢関係)改正Q&A/法務省
成人の日の由来
奈良時代や平安時代には、成年になる儀式として「元服」や「裳着(もぎ)」を行っていました。これは、髪型や服装を大人のものへと変える儀式です。対象者は今より若く、元服は11〜16歳、裳着は12〜13歳頃に行われていたようです。その後、1948年(昭和23年)に「国民の祝日に関する法律」が制定された際に、元服や裳着に代わるものとして「成人の日」が設けられ、国民の祝日となりました。
また、当日に開催されることが多い成人式については、1946年(昭和21年)に現在の埼玉県蕨(わらび)市で行われた「成年式」がその先駆けになっているとも言われています。もともとは戦後の混乱の中で、未来を担う若者を勇気づけるために全国で開催されるようになった「成人式」の慣習が定着して現在に至ります。
出典:蕨市ホームページ
国民の祝日として制定された1948年(昭和23年)から1999年(平成11年)までの51年間、成人の日は1月15日と定められていました。その後、祝日法の改正(ハッピーマンデー制度)により、2000年(平成12年)から1月の第2月曜日が「成人の日」へと変更になっています。
出典:各「国民の祝日」について/内閣府
子どもへの伝え方
成人式の日には振袖を着た女性を近所で見かけたり、テレビで見たりする機会が多くなります。子どもたちにとっては非日常的で印象に残りやすい光景ですね。「なぜ着物を着ているのか?」「着物を着て何をしているのか?」など、子どもの疑問に沿ったお話ができると良いですね。【子どもたちへの伝え方の一例】
- 「成人の日」は大人になったことをお祝いする日だよ
- 「成人式」というお祝いの会が行われているよ
- 「成人式」では着物やスーツを着てお祝いするよ
- 大人になるまで育ててくれたお父さんやお母さんに「ありがとう」を伝える日でもあるよ
園での活動/ゲーム・手遊び歌編
ここからは、「成人の日」に関連した活動アイデアをご紹介します。成人の日クイズ
「成人の日」について、クイズを通して子どもたちに伝えてみましょう。成人式の写真やイラストなどを使って出題すれば、子どもたちもイメージしやすいでしょう。【クイズの例】
①成人の日とは、何をする日でしょうか?
- 大人になったお祝いをする →正解
- お誕生日をお祝いする
- 七五三のお祝いをする
- 10歳
- 18歳(昔は20歳) →正解
- 30歳
- パジャマ
- エプロン
- 着物(振袖)→正解
成人の日のおすすめ手遊び歌
「大人になりたい」という気持ちは「さまざまなことをできるようになりたい」という意欲に繋がっていきます。大人になることに対してポジティブなイメージを育んでいけるような遊びを取り入れていきたいですね。ここでは、おすすめの手遊びをご紹介します。①大きくなったら何になる 1本指はお医者さん、2本指は床屋さん、とお仕事を紹介していく手遊び歌です。昔から良く知られているアメリカの童謡「やまごやいっけん(Little Cabin in the Wood)」の替え歌になっていますので、覚えやすいですよ。導入から続けて「大人になったらどんな仕事がしたい?」などのテーマで子どもたちとお話しをしてみるのもおすすめです。 ②ちいさなにわ 庭を耕して、お花を咲かせるストーリーになっている手遊び歌。小さな花、中くらいの花、大きな花と、庭の大きさに合わせて花がだんだんと大きくなっていく変化を楽しむことができます。
成人の日の活動アイデア
「成人の日」の前後で、大人になった自分をイメージできるような活動を取り入れたいですね。おすすめの活動アイデアをご紹介します。タイムカプセル
子どもたちの絵や写真など、思い出の品を入れてタイムカプセル作りをしてみてはいかがでしょうか。担任や保護者からのメッセージを入れるのもおすすめです。園庭に埋めて「成人式の日」に集まる約束を交わすのも良いですね。その際には、どこに埋めたか一目でわかるよう、目印を立てておきましょう。
サークルタイム
子どもたちで輪になって「大人」をテーマに話をする機会を作ってみてはいかがでしょうか。子どもたちの自由な発想を出し合うことが大切なので、保育士は教える立場ではなく、進行役に徹しましょう。大人では考えつかないような意見が出てくることもありますよ。【テーマの例】
- 大人って何だと思う?
- 保育園にいる人で大人って誰だと思う?
- どんな大人になりたい?
- 大人になったらどんな仕事をしたい?
- 身の回りの素敵な大人を教えて
大人への憧れの気持ちを育てよう
子どもたちの周りには、当たり前のように大人が存在します。そのため、大人について深く考える機会は少ないと言えるでしょう。「成人の日」をきっかけとして、大人について子どもたちと考えてみましょう。「大人になるっていいことなんだな」「私も素敵な大人になりたい」など、大人に対する憧れの気持ちが育めるような保育を行っていきたいですね。「成人の日」に関する保育を考えている方は、参考にしてみてください。
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