コラージュとは
コラージュとは新聞やチラシの絵を切り抜き、画用紙などに貼って新たな作品を作る表現技法のこと。フランス語の「coller(糊などで貼り付ける)」という言葉が由来になっています。使う素材に決まりはないので、雑誌の切り抜きや折り紙、落ち葉、セロファンなど平面に貼り付けられるものであれば何でも活用することが可能。どんな作品を作りたいかをイメージしながらさまざまな素材を貼り合わせ、表現を楽しみます。
コラージュのねらい
保育活動にコラージュを取り入れるねらいには下記のものがあります。- イメージを膨らませながら製作を楽しむ
- 色や形に興味をもつ
- 切ったり貼ったりしながら手指の発達を促す
コラージュには、素材を切って貼り付ける以外にも、どんな作品を作りたいか自分なりにイメージを膨らませたり、素材の色や形を観察したりとさまざまな作業があります。子どもたちの発想力や観察力、集中力を大切にしながら援助をしていきたいですね。
コラージュを取り入れる効果
保育にコラージュを取り入れる効果を3つ紹介します。
形や色に興味をもつ
コラージュに用いる素材は切り抜いた新聞やチラシ、折り紙、落ち葉などさまざま。そのため自分のイメージする作品を作るためには「どんな形の素材を使うと良いのか」「どんな色が合うのか」などを考える必要があり、形や色について興味をもつことに繋がります。正解はないので、子どもたちの柔軟な発想を活かして素材を組み合わせていくことで、おもしろい作品が出来上がりますよ。
想像力や表現力を養う
バラバラの素材を貼り合わせて新たな作品を作るコラージュは、想像力や表現力を養うことこができます。見本通りに作るのではなく、一人ひとりが自由にイメージを楽しみながら好きな素材を選び、製作を進めていきたいですね。頭の中で思い描いていたイメージが完成すれば、大きな達成感を得られることでしょう。
手先の器用さを育む
コラージュでは、素材を切ったり貼ったりする作業を通して手先の器用さを育むことができます。紙や自然物、布などさまざまな素材を使うことで、手指の感覚を養うことにも繋がりますよ。
年齢別に取り入れるヒント
コラージュは、取り入れ方を工夫すれば乳児クラスから楽しめることができるでしょう。ここでは乳児クラスと幼児クラスに分けて、取り入れるヒントを解説します。乳児クラスでの取り入れ方
子どもたちがハサミを使うのが難しい乳児クラスでは、保育者さんがあらかじめ切り抜いておいた素材を使ったり、紙をちぎったりしてコラージュを楽しむと良いでしょう。さまざまな色や形のシールを用いるのもおすすめです。
幼児クラスでの取り入れ方
ハサミや糊の扱いに慣れてくる幼児クラスでは、子どもたち自身が素材を切り抜いて作品を作っていくことができます。多種多様な素材を用意しておくことで、イメージを広げやすくなるでしょう。どんな素材を使いたいか、子どもたち自身でアイデアを出しながら進めても良いですね。
コラージュ製作のアイデア
ここからはコラージュ製作のアイデアを5つ紹介します。ぜひ保育に活用してみてくださいね。
新聞紙やチラシを使ったコラージュ
新聞紙やチラシ、雑誌の切り抜きなどの廃材はコラージュの鉄板素材。英字新聞や車のチラシ、料理の雑誌、動物のイラストなど新聞やチラシにもさまざまな種類があります。自由に選んで組み合わせることで、おもしろい作品が出来上がるでしょう。
新聞紙やチラシを使ったコラージュの具体例はこちらを参考にしてみてください。
コラージュアイスクリーム
穴開けパンチで作った丸や、ランダムに切った色画用紙、ちぎった新聞紙で作る、アイスクリームの製作アイデアです。規則性のあるものと不規則なものを組み合わせると、ちょっといい感じに仕上がりますよ。チラシを再利用した木の作り方
4~5歳児におすすめな、チラシを再利用した木の作り方を解説している動画です。季節に合った色合いのチラシを用意して製作を楽しむのもおすすめです。折り紙を使ったコラージュ
折り紙もコラージュに使うことができます。ハサミで切るのはもちろん、クラフトパンチでくり抜いたり、手で千切ったりと切り抜き方もさまざま。同系色でまとめて表現したり、いろんな色を取り入れてカラフルな作品にしたりと自由な発想を楽しめます。一般的な折り紙だけでなく、千代紙や光沢のある紙なども取り入れてもおもしろそうですね。
ダンボールでフォトフレームをつくろう
ダンボールで作ったフレームを折り紙でコラージュすれば、素敵なフォトフレームが完成! 卒園プレゼントにもぴったりな製作アイデアです。アジサイのちぎり絵
折り紙をちぎって貼り付けるアジサイの製作アイデアです。折り紙をちぎる作業は、子どもたちも楽しんで取り組めるのではないでしょうか。梅雨どきの壁面飾りにもぴったりですね。落ち葉を使ったコラージュ
さまざまな色、形のある落ち葉はコラージュにぴったり。秋らしさを感じられるとともに、立体感のある作品が作れます。落ち葉に目玉シールをつけてみたり、動物の毛並みを表現してみたりと表現方法もさまざま。外遊びや散歩に出かけた際に落ち葉を集めておくと良いですね。
手形スタンプと落ち葉のコラージュ
手形スタンプをクモに見立て、落ち葉をコラージュであしらった秋らしい製作アイデアです。秋の戸外活動で落ち葉を集めたあと、製作に取り組むのも楽しそうですね。ライオンの落ち葉アート
画用紙で作った顔に落ち葉を貼り付けて、ライオンの顔を作りましょう。落ち葉の色や形は一つひとつ異なるので個性的な作品が完成しますよ。セロファンやお花紙を使ったコラージュ
セロファンやお花紙など透け感のある素材もコラージュにぴったり。細かく切ったセロファンやお花紙を貼り合わせ、光に透かすとキラキラ感を演出できます。ステンドグラス風のおしゃれな作品はプレゼント製作にも良さそうですね。
ステンドグラス風のしおり
画用紙を切り抜いたところにトレーシングペーパーを貼り付けて作るしおりの製作アイデアです。色とりどりのトレーシングペーパーを貼り付ければ完成! 光を当てるとステンドグラスみたいでとてもきれいですよ。リンゴのステンドグラス
ラミネートフィルムに3色のセロファン紙を貼り付けて作る製作アイデアです。ラミネート加工をするとさらにステンドグラスのような風合いになりますね。クリスマスの飾りやプレゼントにぴったりです。その他の素材を使ったコラージュ
コラージュの素材には制限がないため、平面に貼り付けられるものであればいろいろな素材を活用することができます。例えば、いろんな柄のあるマスキングテープや、立体感のあるフェルト、毛糸、モールなども使えるでしょう。スパンコールやビーズを使えば、作品を華やかにできます。子どもたちと一緒にいろんな素材を試してみるのも楽しいかもしれませんね。自由な発想でコラージュを楽しもう
身近な素材で楽しめるコラージュは保育園の製作活動にぴったり。バラバラの素材を組み合わせながらイメージを完成させていく作業は、子どもたちもワクワクすることでしょう。ぜひ一人ひとりの自由な発想を大切にしながら、保育にコラージュを取り入れてみてくださいね。
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