妊娠をどう伝える?報告の仕方
妊娠がわかったら、赤ちゃんが無事生まれるのを願う一方で、妊娠中の仕事についても考えることでしょう。ここでは、妊娠をどのように伝えるか、報告の仕方について解説します。
上司への報告タイミング
妊娠がわかったら、なるべく早めのタイミングで報告するのがおすすめです。まずは、園長、次に主任に報告しましょう。大切な話なので、できれば他の保育士や園児がいない静かな個室で報告するのがベストです。
保育士は、子どもと体をつかって遊んだり、子どもを抱っこしたりと、体力勝負の仕事内容が多いです。妊娠初期は体調が安定しない人も多く、業務内容の配慮が必要なことも。体調次第で欠勤が続く可能性もあるため、同僚の勤務スタイルにも影響が出る場合があります。
また、長期的に考えると産休育休や欠勤など、園長は配慮や準備が必要になります。妊娠したことは早めに報告するとよいでしょう。
報告後に必要な手続き
妊娠がわかったら、勤務先に産休・育休制度を確認しましょう。産休・育休制度を設けていない、または取得したいという申し出を拒否することは法律的にできません。ただし、入社1年未満の労働者を育休の対象から除外する労使協定がある場合は、育休の取得を拒むことが出来ます(育児介護休業法第6条1項)。参考:産前・産後休業 労働基準法による母性保護規定|厚生労働省 >>詳しくはこちら
育児介護休業法|厚生労働省 >>詳しくはこちら
もし産休・育休制度を使用するとしたら、園で手続きが必要です。産休・育休制度を利用しないときは、退職や休職になります。大切なのは、自分だけで決めず、園長や主任とよく相談して、どのような対応を取るか決めていくと安心ですよ。
同僚への報告方法
園長と主任への報告を終えたら、同僚に妊娠したことを伝えます。報告のタイミングは、自己判断せず園長に相談して決めてください。妊娠中は、業務内容を配慮してもらう可能性があるため、同僚の理解が必要です。特に、一緒にクラス担任を持っている同僚には、早めに報告できるよう園長とタイミングを相談してくださいね。
保護者と園児への報告方法
保育士は、妊娠を保護者や園児に報告し、今後どのような体制になるのか説明が必要です。保護者への報告は、園だよりの中で行うことが多いでしょう。報告のタイミングは、安定期を過ぎて体調が落ち着いている時期がおすすめです。
園児への報告は、保護者への報告後にするといいですね。先に園児に伝えると、子どもが保護者に「先生のお腹に赤ちゃんがいるんだって!」と家庭で話題にしてしまうことも。保護者に不安を与えかねないので、必ず先に保護者に報告をしましょう。園児への報告は、全園児が集まる場やクラス内のお集まりなど、落ち着いた空間で伝えると子どもに届きやすいですね。
保育業務の調整
妊娠中は、身体を第一に考えながら勤務する必要があります。ここでは、妊娠中の保育業務の調整についてお話します。
妊娠中の業務制限
保育の仕事は、身体を使う業務が多いですよね。体調に波がある妊娠中は、控えた方がいい業務があります。妊娠中控えた方がいい業務例
- 重い物の持ち運び
- 脚立や椅子などに登る
- 長時間の立ち仕事
- ハードな運動
代替業務の提案
妊娠悪阻(つわり)など、体調が日によって変わることがある妊娠中は、今までしていた業務ができなくなることも。体調万全でいられるとは限らないので、無理をせず代替業務を提案するのもひとつの手段です。例えば…
- お遊戯を教える→小道具作成係に代替
- 送迎バスに添乗→玄関の保護者対応
- プール保育→プールサイドで見守る役割
- 遊具の準備→子どもたちを見守り待機
- クラス担任→フリー担当
教材準備や保護者対応など、無理のない範囲でできる業務は数多くあります。ストレスや負担を減らして、できるだけ健やかな妊娠生活を送れるといいですね。
引き継ぎの方法
妊娠中や産休・育休中は、今まで担当していた業務を他の保育士に引き継がなければいけません。ここでは、引き継ぎについて詳しく紹介します。
引き継ぎの資料作成
妊娠がわかったら、少しずつ引き継ぎの資料を作成しまとめておくと安心です。妊娠中はいつ体調を崩すかわからず、まとまった日数の欠勤になることもあります。欠勤中、他の先生がスムーズに保育に入れるように、担当している子どもの様子や業務については予めスキマ時間などに記録しておきましょう。クラスのねらいや保育計画、保護者とのやりとりを資料にすると後から振り返りやすいです。特に年度途中で担任業務を引き継ぐ場合、クラスの様子や保護者とのやりとりなどを記載した資料を準備して引き継ぎをするのがおすすめです。詳しい資料があると、引き継ぐ側も安心できますよ。
引き継ぐ保育士との打ち合わせ
担当していた業務の引き継ぎは、後任の保育士としっかり打ち合わせる時間を確保してください。引き継ぎ資料を元に、クラスの必要な情報を細かく伝えましょう。後任の保育士には、引き継いでくれることへのお礼を伝えられるといいですね。感謝の気持ちが伝わると、相手も気持ちよく仕事ができます。
妊娠中の注意点
妊娠するといつもとは違った身体と心の状態になり、過ごしにくくなることがあります。ここでは、妊娠中の注意点についてお話します。健康管理
妊娠中の体調は個人差が大きく、どのような妊娠期間になるかわかりません。また、母体は元気でもお腹の赤ちゃんに異常が生じる可能性もあるでしょう。妊娠中は身体を第一に考え、無理をしない心がけが大切です。繰り返しになりますが、同僚の理解を得て、重い物を持ったり体操や運動といったハードな動きを控えたりと、身体に負荷をかけないようにしてください。
少しでも体調がおかしいと感じたら、園長や主任に相談して休める体制を整えておくと安心ですよ。 母子手帳も持ち歩くようにしましょう。
職場での安全対策
仕事中は、どうしても目の前の保育に夢中で自分に気を回せない方が多いのではないでしょうか。普段は良くても、妊娠中はお腹の赤ちゃんの健康も考えて業務にあたりましょう。妊娠中は、転倒やお腹をぶつけるトラブルが発生するリスクがあります。靴下で保育をする園に勤務している場合、足下が滑りやすいので靴下の裏に滑り止めがあるものを選んだり、裸足で保育したりと工夫しましょう。
また、妊娠中に気をつけたいのが感染症です。妊娠中に感染症を患うと、重症化する可能性があります。保育施設は感染症が蔓延しやすい傾向があるため、できればマスクの着用やこまめな手洗いうがいで予防を徹底してくださいね。
メンタルヘルスのケア
ホルモンバランスの変化に伴い、妊娠中は心が不安定になりがちです。いつもは気にならない些細なことが気になり、落ち込んでしまう…といったことも。妊娠中は気持ちが浮き沈みしやすいので、適度な息抜きを大切に無理せず過ごしましょう。もし気持ちがつらくて業務に支障をきたすときは、園長に相談して勤務の配慮をしてもらってください。
妊娠したら無理は禁物!職場に理解してもらい身体を大事にしよう
保育士が妊娠したときの対応や注意点について筆者の経験から見えてきた点も含め紹介しました。保育の仕事はハードなことも多く、妊娠中は周りに理解してもらい業務を調整が必要な場合があります。妊娠中の体調は人それぞれなので、少しでも異変を感じたら園長や主任に相談しましょう。身体に負担が少ない業務への代替や、時にはお休みするのも大切です。お腹の赤ちゃんを守るのも大切な役割なので、無理せず身体を第一にしてくださいね。
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