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保育士にとって本当の負担って?<第1回保育士座談会・Vol.2>

保育士座談会メインタイトル
2020年2月14日、『ほいくis第1回保育士座談会』を開催しました。保育士参加型の企画は、今回が初めての試み。日頃応援してくださっている保育士さんたちに集まっていただき、さまざまなテーマについて考えや想いを自由にお話しいただきました。今回は、2つめのテーマ「保育士の本当の負担は?」についての座談会の様子をお届けします。

ふたつめのテーマは「業務負担」

自己紹介をする保育士(左から きよみ先生、ゆかり先生、かおり先生、あやか先生)
Vol.1に引き続き、始まりから盛り上がりを見せてくださった4名の保育士さんたちによる座談会の様子をお届けします。

ふたつめのテーマは、「保育士にとって本当に負担になっていることは?」。保育だけでなく、日々の事務作業も業務負担として挙げられることが多い保育士の仕事。その本音を聞いてみました。

人の手をなくしてはいけない

近年では、ICT化で業務負担を減らそうとする動きも見られますが、皆さんの園ではいかがでしょうか。

きよみ先生:
私の勤務している園では、ICTシステムを取り入れています。やっぱり、負担が軽減される部分もありますよ。例えば午睡チェックは、ぐるっと回って確認して、問題がなければボタンひとつでチェックがつく。一人ひとりチェックをつける負担は減ります。

ただ、いくらICTを取り入れても全部が手放しになることはきっとないですよね。人が人を育てる仕事が、人の手がなくなるということはないしあってはいけないと思います。人の手はなくしちゃいけないけれど、“どこに人の手をかけるか”がテーマなのだと感じます。

あやか先生:
座談会で語る保育士
私は、勤務していた園で登園チェックがICT化したのは良かったと思います。同じ時間帯に登園が殺到すると、忙しくて保護者の方とコミュニケーションをとることも難しくなってしまう。でも、システムを使うことで時間に余裕ができました。

かおり先生:
子どもの安全にはつながっていますよね。それこそ書き物をしているときに事故やケガが起こることって、みんな結構経験があると思うんです。でも、そういう時間が削減されて子どもに目を向けられる時間が増えたのはいいかな、と。


保育士にノンコンタクトタイムを

では、「ここがもっと改善されたらいいのに」と思うところはありますか?

かおり先生:
座談会で語る保育士
やっぱり事務作業がすごく多い…。例えば製作が苦手な先生もいたりして、それを“やらなきゃいけない”空気がすごく負担になっていることもあるし、忙しい中で一から考えなきゃいけないのも大変ですよね。

ゆかり先生:
子どものためにやってあげたいことにこそ、時間が割けない。私はモンテッソーリ教育を実践している園で勤務していたとき主任をやっていたのですが、主任はおたより作成やシフト作成などの事務作業がすごく多かったんです。それによって、例えば「この子にあった教具を作ってあげたい」と思っても時間がとれなかったりしましたね。

きよみ先生:
座談会で語る保育士
保育士の勤務時間8時間のうち、8時間いっぱいいっぱい保育に時間を当てないと現場が保てない配置基準というのも、保育士の業務負担に関わってきている気がします。

本当は8時間勤務のうち、6時間は保育をする時間で、2時間は子どもとコンタクトしない「ノンコンタクトタイム」を作るといいですよね。そこで事務をしたり製作をしたり、保育のために必要なことをやる時間が保証される体制を作らないといけないと思います。

ゆかり先生:
例えICT化しても、やることは減らないんですよね。その中で、ICTが良いものもあるし人の手が良いものもある。書類は負担が大きいから減らしていこうという考えもあるけれど、子どもが主体の保育を叶えるために保育士が何をするのかという、考えなくてはいけないことまで省かれつつあるように思います。
座談会で語る保育士の手元
きよみ先生:
書類は確かに大変だけど、児童票を書きながら子どものことを思い浮かべているうちに「あんなことあったな」って思い出して、子どもを理解して、自分の保育を振り返って、整理して、言語化していくということは大切なところでもありますよね。そこをコピペしても、保育が簡単にうまくいくようになるわけではないと思います。

あやか先生:
いろいろとICT化されても、結局パソコンやタブレットがいっぱいないと同じ時間にできなくて取り合いになっちゃったりしますよね。午睡中にやろうとしても、子どもの前でパソコンをカタカタするのに気が引けたり…。

かおり先生:
午睡の時間って本当にあっという間ですよね(笑)。

大切なことに没頭できる環境を

あやか先生:
私は新卒から3年目までは幼稚園で勤めていたのですが、幼稚園は子どもを預かる時間が短いので午後は会議をしたり事務をすることが出来たんです。でも、保育士になって「同じ仕事量でも事務をする時間が勤務時間内にない!」って驚きました。

きよみ先生:
あと、3月31日と4月1日くらいは休みにしてほしいな(笑)。

全員:
すごく共感!

ゆかり先生:
座談会で語る保育士
今年(2020年)なんて、週中で新年度に変わるんですよね。3月31日は、準備をしていたら夜遅くなって数時間後には新年度、みたいな(笑)。

かおり先生:
名前シールの貼り替え、地味に大変じゃないですか? あれこそ電子化しないかなあ(笑)。保育士が本当にやらなきゃいけないことに没頭できる環境ができていくと良いなと思います。

私たちが目指す保育

座談会に参加した4人の保育士

まだまだお話しは尽きませんが…最後に、皆さんに「自分が目指す保育」について伺いたいと思います!

あやか先生:
子どもの想いに寄り添う保育がしたいです。言葉だけでなく、その子の背景を理解したうえで本当に思っていることや、してもらいたいことを感じられたらと思っています。

かおり先生:
子どもと同じ目線で一緒に成長することをいつも大切にしています。子どもと一緒になにかをすることを楽しみたいです。あとは、「生きるって楽しい!」ということを全身で伝えること(笑)。

きよみ先生:
ずっとブレずに、子どもを「観る」ということを大切にしています。自分が何をしたいかの前に、子どもが何を求めているのかを理解したいです。気持ちだけで進んでしまう保育でなく、発達などを踏まえて理解していけたらいいなと思っています。

ゆかり先生:
私が大切にしているのは、子どもをひとりの人間として尊重した保育をすることです。大人が嫌なことは子どもにもしない。あとは、大人は子どもの環境の一部なので、お手本として見られている意識を持って保育をするようにしています。

それぞれが目指す保育を大切にしていきたいですね。本日はありがとうございました!


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