4月に向けて新しい子どもたちと共に新人保育士たちを受け入れていることと思います。
また、新任研修が始まっている園もあるかと思います。そこで今回は、新人保育士を受け入れる際の園の取り組みをご紹介します。
「ようこそ!私たちの園へ!」~新人の先生を受け入れる雰囲気づくり~
私の園では毎年3月末、実際に保育に入る研修期間とは別に、新人保育士の研修を開いています。
研修では、園で大切にしている事を写真スライドで伝えたり、教育目標を伝えたりしていますが、研修の一環として“自分マップ”を書いてもらっています。自分の好きな事、家族構成、どんな保育者になりたいか、、などなど、思い思いに書き上げます。
出来上がったものは発表をしてもらうのですが、発表の場にはこれから関わりが特に多くなる全体主任も同席。話しやすい雰囲気をつくり1人1人の発表を聞きます。
趣味が一緒だったり、同郷だったり、学生時代のバイトが一緒だったり共通点が見つかり話題のきっかけとなるのです。勿論、後日他の保育士たちにも紹介します。
縁あって園の一員になったのだから「あなたのことを知りたい」という姿勢を新人保育士にも感じてもらい話しやすい関係性を築くきっかけとしています。
自分の1年目を思い出そう~新人保育士の立場になって〜
保育園に限りませんが、入職にあたり新人保育士は希望とともに不安も抱えています。不安な思いや戸惑いを抱えながら日々過ごしていた1年目。 しかし、そんな気持ちも年数が経つうちに段々薄れてしまうもの。
新人保育士に「わからないことがあればいつでも聞いてね」と伝えたけれど一向に聞いてくる気配がない。
また、「言わないと気付いてくれない」そんな思いが新人保育士に対して湧いてくる先輩保育士の声を耳にします。
そこで、私が働いている園では、「1年目の時を思いだそう!」をテーマに園内研修を開催します。
- 「何を聞いて良いかわからない」
- 「先輩も忙しそうで聞きづらい」
- 「こんなこと聞いたら何も知らないと思われるのでは」
- 「何がわからないかわからない」
「なんで聞いてこないのだろう」とモヤモヤしていた先輩保育士も「何を聞いたらいいかも分からない」という率直な思いを聞き、言ってくるのを待っているのではなく、「困っている事はある?」「こうやってやるといいよ!」とこちらからコミュニケーションを取ることが大切だということに気付いていきます。
子どもに寄り添うのと同じように新人保育士に寄り添っていけるといいなと思います。
保育を語るのにベテランも新人も関係ない!〜保育を語り合う楽しさを味わおう〜
新人の先生が働き始めると理想と現実のギャップに落ち込む日もあります。先輩保育士のようにうまく子どもに関われない、子どもが帰ると保育室の掃除、翌日の保育の準備に加え園全体の仕事を任されることも多い新人保育士。しかし、子どもにとったら先輩保育士も新人保育士も同じ大好きな先生。子どもの成長を語り合うことも大切なことです。
とはいえ、なかなか時間が取れないのも事実。そこで、新人保育士は2週間に1回保育記録を書いています。
職員情報共有アプリを使用し保育記録を共有し職員が見れるようになっていて、「この先生はこんな気持ちで子どもと関わっていたんだ!」「とても優しい声掛け素敵だな」とたくさんの気付きがあります。コメントやスタンプ機能を利用して、全体主任をはじめ色々な先生が返答をしています。
新人保育士の保育観を知ることができるのと同時に、先輩保育士からのあたたかい返信が1年目の保育士は保育の励みになっている姿が見られます。困ったこと、悩んだことを保育記録を通して発信し、開けた保育をしていけるようにしています。
「自分の時はこうだった」「私はできていたのに」
子どもたちと同じように先生たちも色々な先生がいます。新人保育士を受け入れ、育てているようで、新人保育士との関わりが自分を成長させていることは間違いありません。
「どんなふうに伝えたら分かりやすいかな?」と考えて伝えることで話すスキルもあがりますし、新人保育士の意見を取り入れて保育をすると自分の引き出しも広がります。
そしてそのように関わってきた新人保育士は子どもと真剣に向き合い寄り添いとても素敵な保育になっていくはずです。
とはいえ、先輩保育士も新人保育士との関わりの中で悩むこともあるでしょう。
その時にはミドルリーダー層の研修を開くこともおすすめですよ。
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