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主任からみたポートフォリオの書き方と書く上での注意点【主任コラム】

主任からみたポートフォリオの書き方と書く上での注意点|主任コラム
認定こども園で全体主任を担当されている筆者による、主任だからわかる、主任にしかわからない視点からのエピソード満載のコラムです。今回はポートフォリオの書き方についてご紹介します。

ポートフォリオの書き方で気を付けているポイント

保育記録は子ども理解、保育の組み立てをする上でとても大切です。それと同時に、子どもの成長や、日々自分たちがどのような思いで保育をしているのか保護者に知ってもらう、理解してもらう、共有するための重要な役割をしています。しかし、毎日忙しさに追われ“書かなくてはならない”という存在にもなりがちです。 

また、記録といっても様々な記録の仕方がありますが、今回は自園で取り組んでいるポートフォリオについての書き方や、書く上で意識していること、エピソードの切り取り方についてご紹介します。 
 
個人の成長を記録したもの・・ポートフォリオ 
遊びや活動を記録したもの・・ドキュメンテーション 


①保育記録とは? 

保育記録を書く保育士
みなさんの園ではどのように保育記録をとっているでしょうか。 

子どもの記録を週日案に書かれている先生方が多いのではないでしょうか。それに加え保育園では連絡ノートにて子どもの様子を連絡ノートで保護者と共有していると思います。また、園だよりやクラスだよりでクラスの様子を発信している園もあると思います。 

自園では個人記録というものも書いており、次年度の担任に引き継いだり、要録を作成する際に使用しています。このように保育の現場では様々な保育記録が書かれていると思います。 

保育記録は以下のものが主な役割になっていると思います。 
  • 保育者自身の振り返り 
  • 次の保育計画に繋げる 
  • 保護者との共有 
  • 引き継ぎ(次年度の担任や小学校へ) 
このようにいろいろな保育記録の方法や役割がありますが、保育は“子ども”が中心。この保育記録が子どもたちに生かされているのか?ということが自園でも課題としてありました。週案、日案、個人記録といった以前からの記録を残しつつも自園でも新たにポートフォリオの取り組みを始めました。 

②ポートフォリオの取り組み 

保育記録が可視化されるまでについてお話します。 

自園でも最初からポートフォリオという形での保育記録ではありませんでした。 

私が入職したての頃は、週案と呼ばれるものに毎日の保育記録を手書きで書いていました。誰がどんな遊びをしていたのか、どのような友達同士のやり取りがあったのか、またその日に気になった子どもの姿あれやこれを書き出し、誰が見るものでもなく自分の保育の振り返りとして記録していました。 

毎日記録をしていくことで1日の保育を振り返ることができたり、自分が関われていない子が見えてきたりと貴重な時間でした。その後、手書きではなくiPadを支給され打った保育記録を職員間で共有できるようになりました。 

そして今から約10年前に副園長先生から“ポートフォリオ”という記録の仕方の提案がありました。その当時はB5サイズの紙に1枚の写真、写真の周りに子どもの呟きや状況が書かれていました。文字数は少なく本当に簡単なもの。でも写真があるだけでその子の表情から楽しんでいた様子、夢中になっていた様子が伝わってきるのです。

今までと違う記録の方法に最初は戸惑いもありましたが、クラスの下駄箱に掲示していると保護者からの反応がありそこから会話が弾み目に見える形でフィードバックがあったことでやりがいを感じるようになっていきました。 

③どんなことを記録するの? 


私がポートフォリオを作成するうえで気を付けているポイントを2つ紹介します。 

(1)子どもの素敵なところ、魅力 

跳び箱に挑戦する保育園児

私はどうしても子どもたちの”課題“といわれることに目がいきがちでした。

発言する力はあるけれどもっと友達の意見にも耳を傾けられるようになるといいな、、園にはたくさんの遊びがあるのにいつも自分で漕ぐ乗り物に乗って遊んでいる、他の遊びにも興味を持って遊びの幅を広げられたらいいな… 

その視点でも保育をする上では大切なことです。しかし、大事な土台には子どもを肯定的にみる視点が重要だと思います。子どもの素敵な所、魅力を記録していくことは、保育者が子どもを肯定的にみる視点を培うことに繋がっていきます。 

(2)心動かされた姿 

コマを回す男の子
何かに挑戦してできたこと、うまくいったことだけを記録するのではなく、大事なのはその子がやろうとしていること、努力したこと、試してみたこと、に着目すること。 

例えば、駒まわしに挑戦するA君。なかなかうまく回すことができません。しかし、諦めずにコマ回しが上手な友だちに回し方のコツを聞きながら毎日毎日練習に励む姿に本当に心を動かされました。

その事をポートフォリオで取り上げたところ、それを見た保護者も感銘を受け、「ひとつのことにこんなに夢中になる姿を初めて見ました」と仰り、なんと自宅用のコマを買いお母様自身もA君と特訓をしているという話を聞きました。A君はその後、お母さんや友だちに教えるようになっていきました。

今までは自信なさげなA君がこの事がきっかえとなり自信をつけさまざまなことに積極的に取り組むようになりました。このように、”コマを回せた“ ことよりも”どんなふうに取り組んでいたか“が大切だと気付かされました。 

上記のように、子どもの素敵なところや心動かされる姿を捉えるということは、その子がその子らしく生きているまぎれもない成長のあかしです。 

また、このポートフォリオをファイリングして子どもが見えるところに置いておくことで子ども自身は自分の姿を振り返ったり友だちの新たな姿を発見したり子どもの生活の中に生かされていることも感じます。 

次回、ポートフォリオの具体的な書き方やドキュメンテーションの作成の仕方をご紹介したいと思います。 

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